2008年6月12日 (木曜日)

落し物Ⅳ

『俺、外に出て様子見てくるから!
 MAKIはちょっと待ってて。』

「いや。私も行く。」

『車の中にいればいいじゃん。』

「車の中も怖いの!」

『そっか、ココの幽霊は車にも乗ってくるからな!』

「もう言わないで。」

『ホーンテッドマンションと一緒だと思えば大丈夫だろ。』

「お化けの話はもういいから…」

『わかったよ。じゃあ行くか!』

「ZIN。私さっきから気になってるんだけど…」

『何?』

「私達がココに来た時から、あの車ずっと停まってるんだけど…」

『あの車? 俺も気になってた。
 これから見に行こうと思ってるんだけど!』

「吉野さんの携帯番号、聞いてきたんだよね。」

『ああ。』

「電話してみればいいじゃん。」

『MAKI!』

「何?」

『お前、賢いな!』

「っていうか、ZINがバカなだけでしょ!
 早く掛けなよ。」

『わかった。
 ♪プルルルル~♪
 もしもし、吉野さんの携帯を拾った方でしょうか?』

〔そうです。〕

『吉野さんの代理で携帯を受け取りに来た者ですけど。』

〔そうですか…〕

『今、待ち合わせの場所にいるのですが、
 あなたは今どちらに?』

〔俺もいます。〕

『もしかして、ボックス型の白い軽自動車ですか?』

〔はい。〕

『そうですか。
 私達、その車が見える場所に居ますので、
 これからそちらに伺います。』

〔わかりました。〕

『MAKI、やっぱり、あの車みたいだ。』

「そう。」

『じゃあ、俺行ってくるから。』

「だから、私も行くって言ってるでしょ。」

『わかったよ。
 俺がそいつと話するから、
 一応、車のナンバー控えといてくれる?』

「了解!」

   ・
   ・
   ・

『トン、トン。
 すみませ~ん、携帯電話を受け取りに来た者です。
 この窓、開けてもらえますか?』

〔オタク誰? 女が来るはずじゃなかった?〕

『その女性の代理人です。』

「ZIN、控えたわよ。」

〔今、女の声がした。でも違う女だな。声が違う。〕

『あんた、電話の声、覚えてるのか?』

〔頭の悪そうな話し方だった。それでもっと低い声。〕

「ZIN、どうしたの?
 さっさと受け取って帰るわよ。」

『MAKIは、そこにいろ。』

「なんで?」

『いいから、こっち来るな!』

〔MAKIって言うんだ。 そこの子。〕

『あんたには、関係ないだろ。
 早く携帯電話を返してくれないか!』

〔わかったよ、ほらっ、これ。〕

『ありがとう。ところで…。
 この電話でどこかに電話したとか、何か利用しました?』

〔してないよ。信じてないなら携帯を開けばわかるよ。〕

『開けば?
 あっ! 液晶画面が!!』

〔俺がやったんじゃないから。
 俺が拾った時には、そうなってた。〕

『画面が潰れてる…』

〔壊れてると思ったけど、電話が掛かってきたから。
 まだ使えるけど、何にも見れないよ。〕

『この携帯、どこで拾ったんですか?』

〔駅のロータリー。 タクシー乗り場の近く。〕

『じゃあ、駅のロータリーで拾った時にはもうこの状態だったと?』

〔そうだよ、別に信じなくてもいいけど。
 ところで、オタクらは誰なの?
 代理人って弁護士かなんか?〕

『探偵です。』

〔うそ、マジ! 探偵? 本物?〕

『出来れば、電話番号だけでもいいから、連絡先教えてくれないかな?』

〔本物の探偵って初めて見たよ。
 やっぱ、オーラが違うね。
 最初、警察かと思ってさ、逃げようか考えてたよ。
 でさ、探偵さんってこんな仕事もすんの?
 やっぱり浮気調査ってのが多いんでしょ。〕

『まあね…』

「ZINっ! 何かあったの?」

『いや、別に。』

「急に相手の声が聞こえだしたけど!」

『大丈夫だから。』

〔なんか書くものない?〕

『えっ、あぁ。じゃあこれ使って。』

〔はい、電話番号。これでいい?〕

『いいよ。じゃあ今、電話掛けてみるから。』

〔いいよ。〕

『♪プルルルル~♪
 ちゃんと電話掛かったね。 ありがとう。』

〔ホントに使ってないから。
 何なら、電話会社に利用状況確認してみれば。〕

『わかったよ。』

〔じゃあ、俺帰っていいよね。〕

『あぁ、今日はありがとう。』

〔こういうのって、友達に言っていいの?
 守秘義務ってあるんでしょ。〕

『俺にはあるけど…』

〔友達に自慢するよ。 探偵に会ったって!
 あっ、名刺とか持ってないの?〕

『名刺?
 じゃあ、これ。』

〔やったー。また電話してよ、待ってるから。〕

『用事あったらね。 もう一つ聞きたい事が…』

〔じゃあね。〕

『あっ!帰りやがった。けど、まあいっか…。』

「ZIN?」

『何?』

「相手、テンション上がってたみたいだけど。
 機嫌悪くするような事、言ったんでしょ!」

『そんな事は言ってないけど
 探偵って言ったら、愛想良くなった。』

「どんな人だったの?」

『一言で言えば、ヲタクみたいな風貌。
 ハイキングウォーキングのQちゃんみたいな感じ。』

「ちょっとキモイかも…。」

『悪いヤツじゃなさそうだったけど。』

「コーラ、一気飲みとかして、
 山手線の駅名言ったりしそうだった?」

『出来ないだろ…。
 そんな話はいいから、早く吉野さんに電話返してあげよう!』

「ねえねえ、徳川十五代将軍の名前とか言えそうだった?」

『しつこいな。』

「ねえねえ、ブーブークッションを鳴らさずに座れそうだった?」

『MAKI! お前の後ろに赤い傘の女が!』

「そんなのいいから! スーパーイリュージョンは?」

『お化け怖くないの?
 お前、どんだけ”Mr.スズキックス”が好きなんだよ…。』

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2008年6月11日 (水曜日)

落し物Ⅲ

「ホントにココなの?」

『ココだって言ってたからなぁ~』

「ホントに?
 あそこの建物、空爆されたみたいになってるけど…」

『取り壊し中だから…』

「もちろん相手も車で来るのよね?」

『ここに住んでるわけないだろ!』

「自縛霊がウヨウヨしてそうなんだけど…
 私、車から出なくていい?」

『霊とかお化けとか信じてるの?』

「もし、いきなり”とぉ~っても可愛い子犬”が現れたとしても
 私は、一瞬で気絶する自信がある!」

『そんな事、自信あるって言うな!』

「だってさぁ…」

『あっ!!』

「きゃっ、何? 何が出た?」

『そういえば…』

「いきなり大きな声出さないでよ、もう…」

『この辺でよく、女の人の幽霊が出るって話を聞いた事がある。』

「こんな時に何の話してんのよ!」

『毎回決まって、今日みたいな小雨の降る夜、
 赤い傘を持った女の人が
 3号棟の街灯の下でタクシーを拾うらしい。』

「3号棟って…、ここじゃない!」

『タクシーの運転手が行き先を聞くと、
 その女は何も言わずうつむいている。
 ミラー越しに見えるその女は、傘を差していたはずなのに
 何故か雨でびしょ濡れになっている。
 何故そんなに濡れているのか気になった運転手がその女に聞いてみると…』

「聞いてみると?」

『その女は顔を上げて、小声でポツリとこう呟くそうだ…
      ≪私が見えるの…≫  って!』

「きゃあ~~~~~~~~~~~!!」

『運転手が振り返って、後部座席を見ると女はいない。
 しかし…、女が座っていた場所は濡れている…』

「ぎゃあ~~~~~~~~~~~!!」

『ホントがどうかは知らないけど…』

「もう、私ダメ…」

『MAKI、ちょっと大袈裟過ぎるだろっ。
 こういう話はどこにでも…
 あれっ? 赤い傘… あそこ、誰かいない?』

「いるわけ無いでしょ!」

『あれは、女だな…』

「見えない…私は見えない…」

『MAKIには、見えないのか? ほら、あそこ!・・・あれっ?』

「何?」

『いなくなった…』

「そんな人、最初からいないの!」

『おかしいなぁ~』

「おかしくない!」

『うわっ!!』

「今度は何?」

『MAKI… 後ろ…、後ろのシート…』

「やめて、やめて…
 エロイムエッサイム、エロイムエッサイム…」

『(クスっ…)
 あははははっ!
 何だよ、MAKI。こんなのでビビッてんの?
 エロイムエッサイムってなんだよ!』

「ZIN…」

『なんだ、MAKI? 泣いてんのか?』

「私、帰る…」

『嘘だよ。こんなに怖がるとは思わなかったよ。
 ごめんな!』

「やだ…。」

『ほらっ、後ろに誰もいない… うわっ!』

「いやぁ~~~~~~~。」

『いないって!』

「・・・・・。」

『ごめんって。
 ほら、コーヒーでも飲んで落ち着きなさい。
 どんな男が来るのかわからないから、あとは俺に任せて。』

「・・・・・。」

『あと10分ぐらいで約束の時間だから
 無線機のチェックをしておこう!
 ・・・って、ホントに怖い話ダメなんだな…。』

「・・・・・。」

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2008年6月 9日 (月曜日)

落し物Ⅱ

〈いらっしゃいませ、何名様ですか?〉

「あの~、待ち合わせで…」

『MAKI、あそこにいるぞ。』

〈お待ち合わせですね、どうぞ!〉

「岩崎さん、お久しぶりです。」

【ZINさん、MAKIさん!】

『お元気そうですね、岩崎さん。
 こちらの方が電話でお話されていた吉野さんですね。』

《初めまして、吉野と申します。》

『一ノ瀬探偵事務所のZINです。』

「MAKIです。」

【ZINさんは、コーラですよね。
 MAKIさんは、何をお飲みになりますか?】

「すみません。 え~と、コーヒーで。」

『(俺は、もう決められちゃってるんだ…)』

【あれっ? コーラじゃない方が良かったですか?
 以前、コーラ以外は飲み物じゃないって・・・】

『コーラでいいですよ!』

「では、早速ですけど詳しいお話を聞かせていただけますか?」

【すみませ~ん、コーラとコーヒーお願いします!
 ・・・で、何でしたっけ?】

『(岩崎さんが説明するつもり?)』

「(そうみたいね…)」

『(大丈夫か?)』

「(とりあえず聞きましょう)
 ご依頼の詳しいお話を…」

【そうでしたね。
 えーと、私の友達で”吉野弥生”って言うんですけど
 弥生が携帯を落としちゃって。
 落としたの気付いたのは、家に帰ってきてからみたいなんですけど!
 あっ、その前に!
 弥生は、派遣で出版関係の仕事をしていて
 それで、朝早く起きて子供のお弁当を作ったり
 すごく頑張り屋さんで、イニシャルがY・Yなんですよ。
 面白いでしょ。
 それで・・・。】

『(イニシャルがY・Yって、面白いのか?)』

「(岩崎ワールドに入ってきたわね。 早く戻して!)」

『(わかった。)
 あの~、吉野さんが家に帰ってきた所の話に戻りませんか?』

【そう?
 弥生の事、知っておいた方がいいのかなって思って。】

『吉野さんとお話していけばわかりますから、大丈夫ですよ。』

【そうなの?
 えーと、どこまでお話しました?】

「家に帰ってきて、携帯落としたのに気付いた…」

【そうそう!
 それで、携帯どこにあるのか、家の電話から自分の携帯に電話したのよね?】

《うん。》

【そしたら、男の人が電話に出て、ビックリして電話を切ったのよね?】

《うん。》

「それで、岩崎さんに連絡をしたんですか?」

【そうなのよ。
 携帯に知らない人が出たって!】

「(ねぇ、ZIN。
 やっぱり、吉野さんに直接話を聞いた方が早いよね?)」

『(俺は、最初からそう思ってる… けど、言えない…)』

【ねぇ、聞いてる?】

『き、聞いてますよ!』

【それでね、私が弥生の携帯に電話してあげたの!
 そしたら、弥生の言う通り、男が電話に出て…
 私、聞いたの!】

『なんて?』

【どうして持ってるの?って。】

「相手は?」

【駅に落ちてたんだって。
 だったら、駅員さんに預けておいてって言ったんだけど
 駅から離れたからって言うから、どこにいるの?って聞いたの!】

『どこにいるって?』

【遠い所だって!
 意味わかんないでしょ。盗むつもりだったのね、きっと!
 人の携帯使って、へんなサイト見たりするつもりだったのね!】

「あの~、弥生さんの携帯返してもらう事になってるんですよね?」

【そうよ。
 だから私が、取りに行きますから返してくださいって言ったの!】

『相手は?』

【場所と時間を指定してきたの!
 そこの場所って、取り壊し中の団地がたくさんあって
 夜なんか人がいなくて静まり返っている場所なのよ。
 怖くない?
 そんな所に人を呼び出す意味がわからないの!】

『そうですね。
 わざわざその様な場所に人を呼ぶ意味がわかりませんね。』

【弥生の旦那は帰りが遅いし、女2人じゃ危険でしょ。
 だから、ZINさんたちに一緒に行ってもらおうと思って
 連絡したの!
 急にお願いしちゃって迷惑だった?】

『とんでもない。 迷惑なんかじゃありませんよ。
 逆に、お力になれて良かったと思っています。』

「でも、何で私たちを?」

【何言ってるの!
 お2人はあの時、私を守ってくれだじゃない!】

「盗聴器発見の時?」

【犯人を捕まえてくれたわ。】

『あれは偶然ですよ。
 現場に到着した時、近くの車の中で受信機持っているヤツを見掛けて
 車のナンバーとその様子の映像を撮っておいた。
 ただ、それだけの事です。』

【ホントに盗聴器ってつける人いるのね、信じられなかった…】

『では、お2人はご自宅へ戻って連絡を待っていてください。
 私達が代理人として行ってきますから。』

【場所、わかりますか?
 私が一緒に行ってナビしましょうか?】

『いいえ、大丈夫です。
 逆に振り回されそうですから!』

【えっ?】

「いや、なんでもないです。
 (ZIN!、余計な事言わないっ!)」

『はいはい。』

【じゃあ、弥生。
 あとはZINさんたちに任せて、私の家で連絡待ちましょう。】

《うん。 ZINさん、MAKIさん、よろしくお願いします。
 気をつけてくださいね。》

「はい、無事に取り返してきます。」


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2008年6月 8日 (日曜日)

落し物

「この渋滞、どうにかならないの?」

『俺に言われてもなぁ~、時間的にしょうがない!』

「もう~、この帰宅ラッシュむかつくぅ!!
 法律で車通勤禁止にしてくれないかな…」

『そりゃ無理だろ。』

「なんか冷たい言い方…」

『俺もイライラしてんの! 話かけんな!』

「尾行中と大違い。」

『尾行中は集中してるから、渋滞なんかでイライラしない。』

「だよね。私もそうかも!」

『あっ、そういえば!』

「何、ZIN?」

『昨日、久しぶりに本間くんから電話が着た。』

「本間くん? 前の事務所で一緒にやってた?」

『そう、その本間くん。』

「本間くんがどうしたの?」

『調査中に覆面パトカーに尾行されて、ストーカー幇助の罪で
 捕まりそうになったんだって!』

「何それ! どんな調査だったの?」

『良くわかんない。』

「聞いてないの?」

『話長そうだったから、聞き流した。』

「あんた、冷たい先輩ね…
 ZINの弟子みたいな感じだったじゃん!」

『別に俺、落語家じゃねーし…』

「どういう気持ちで本間くんが連絡してきたと思ってるの?」

『冗談だよ。そう怒るなって!
 本間くんが言うには、女の人の身辺調査をしてたらしいんだけど
 その女の人、過去にストーカー被害にあってたみたいで
 怪しい人がいるって通報されたんだって!』

「何日間の調査?」

『1週間…』

「1週間? そんだけ長い調査ならもっと慎重に…」

『…の2日目!』

「早っ! まぁ、過去に被害に合ってたんなら、敏感になってるわね。」

『かわいそうだよな…』

「どっちが?」

『被害者。』

「そうね。たぶんこれからも、ずっと過去の恐怖に怯えていくのね。」

『あぁ…。』

「でも、それでストーカー幇助に?」

『通報した女の人が言ったんだって!
 ストーカーに頼まれた人がいるって…』

「過去にストーキングしてた人と別人だったから?」

『そうじゃないの? そこまでわからない。』

「でも、探偵って同じような事してるから、しょうがないかな?」

『調査してるのがバレたら、プロの探偵とは言えないんじゃない!
 気付かれないで、普通に生活してもらうのがプロでしょ。』

「そうね。」

 ・・・ 目的地周辺です。音声案内を終了します。・・・

『この辺りらしいぞ! 依頼者はどこにいるんだ?』

「電話してみる。」

『とりあえず、ここに車停めるぞ!』

「もしもし、一ノ瀬探偵事務所のMAKIです。
 今、朝日公園に着きました。
 岩崎さん、今どちらにいらっしゃいますか?」

『どこだって?』

「公園の向かい側にクリーニング屋さん…
 あっ、はい、あります。 
 …の、隣のコインパーキング…」

『コインパーキングね。車動かすよ!』

「…の向かいのコインパーキングですね。」

『向かいのコインパーキング?
 最初から公園の隣のコインパーキングって言えばいいのに…』

「…の隣のファミレスですね。」

『だったら、最初からファミレスって言ってくれよ…』

「はい、そうです、ZINと2人です。今から伺いますので…
 では、また後ほど…
 ZIN!ファミレスだって!」

『聞いてたよ。 相変わらずだな、岩崎さん。』

「本人は、わかりやすく説明してるつもりなんだよ。」

『その気持ちは、伝わるんだけどね…』
 

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2008年5月23日 (金曜日)

切り取られた手帳-ep0(ゼロ)

  数日前のある日…

『るるさんにお願いがあるんですけど!』

【どんな調査? 浮気?】

『調査じゃないんですけど、調査みたいな…』

【調査みたいって何?】

『行方調査ぽいのを少し手伝ってもらいたくて。
 話すと長くなるので、呼び出したんです。』

【そう… わかった、話してみて! 対象者はどんな人?】

『えーと…
 カッコ良くて、頭が良くて、武道館でライヴをするのが夢で
 電車ではお年寄りに席を譲り、
 交通量の多い道路では、お年寄りをおんぶして渡ってあげる
 とても心優しい青年です。』

【すごい人ね… 写真とかある?】

『写真ですか?
 写真とか撮るの嫌いなんですよ。
 それに、るるさんの目の前にいるじゃないですか!』

【カッコ良くて優しい男ねぇ… 私には見えないわ。】

『もぉ~、照れないでハッキリ言ってもらっていいですよ!』

【はぁ… 私、帰ろうかな…】

『ちょっ、ちょっと待ってくださいよ。』

【…で、何で私がそんなおバカさんを探さないといけなくなるの?
 この場でとっ捕まえれば、無駄な時間が省けるんだけど!】

『冗談なんですけど…』

【わかってるわよ!】

『じゃあとりあえず、
 今回の計画をコレに書いてきたから、目を通してもらえます?』

【何、この調査指令書って? 本格的ね…】

『読めばすべてわかってくれると思います。』

【黙ってコレを読めばいいのね?】

『はい。』

   ・
   ・
   ・

『どうですか?』

【ちょっと面白そうかも!】

『でしょ!』

【2時間ドラマの中の15分間だけピックアップしたような感じだね。】

『あまり時間掛けると、その日1日潰れちゃいますから!』

【しかし… 良くこんな事やろうと思うわね?
 なんか一ノ瀬探偵事務所って毎日楽しそうね!】

『そんな事ないですよ。』

【…で、当日、私がMAKIちゃんに電話をして
 ZINくんの手帳を見つけさせればいいのね!】

『はい、それだけしてくれれば、るるさんのお仕事は終わりです。
 簡単でしょ。』

【このくらいの仕事だったら、わざわざ呼び出さなくても…】

『これだけでも、詳しく説明しなくちゃ意味わからないでしょ!』

【まぁ、そうね…
 だけど、私は電話するだけなの?】

『はい。』

【ZINくんの事だから、もうその手帳の準備してるんでしょ!
 見せてよ!】

『いえまだ準備は…』

【まだなの? 善は急げよ。
 どうせその手帳使うんでしょ、貸しなさい!】

『えっ!?』

【え~と、どこがいいかなぁ~。
 よし、この辺を使いましょう!】

『ちょっと、待って!
 ちゃんと前から順番に使い・・・』

【いいの、ここで!
 ゴールは、ディズニーランドなんでしょ。
 この手帳に書くヒントは決まってるの?】

『これから考えようと…』

【ったく… 何も準備してないじゃない!
 じゃあ、私が考える。
 ZINくんは、私が言った事をそこに書きなさいね!】

『はい…。 なんか、るるさんノリノリっすね!』

【最初の言葉は、モノレールね。】

『シカトかよ…』

【何か言った?】

『別に何も…』

【13:00にゲート前で待ち合わせでいいわね!】

『13:00 ゲート前っと…』

【あともう一つ、何か無いかな?】

『今、ディズニーランドで25周年のイベントやってますよね!』

【それでいこう! 最後のヒントは25よ!】

『25!』

【書けた? ちょっと見せて。】

『はい。』

【何コレ? 汚い字ねぇ…。 モルールって何?】

『モノレールですけど…』

【これじゃ、絶対MAKIちゃん読めないわよ、モノレールって!】

『読めますって!』

 - ビリッ -

『うわぁ、何破ってるんですか!』

【いいのこれで! この下の紙を鉛筆で擦って文字を出す!
 暗号ってのは、昔からあぶり出しって決まってるの!】

『手帳が破られた…。』

【男が細かい事、言わないの!
 MAKIちゃんの誕生日を、名探偵コナンみたいにしたいんでしょ。
 これくらいやらないと!】

『コナンみたいになんて、一言も言ってませんけど…』

【どうかな…?】

『何が?』

【こんなヒントで、
 MAKIちゃん1人でディズニーランドまで行けるかしら?】

『難しいですか?』

【この手帳トリックしかヒントがないんでしょ。】

『トリックって言う程じゃないですけど。』

【私だったら、もし仮にモノレールって読めても
 羽田の方に行きそうだわ。】

『モノレールって読めますって! 失礼な…』

【よし!】

『なに?』

【私も行こう!】

『なんで?』

【決定権はMAKIちゃんに持たせて、
 私が一緒に行動して、間違ったルートに行かないように監視する!】

『そこまでしてくれなくても…』

【今回の報酬は、ディズニーランドのパスポートでいいからね!】

『それが狙いか。』

【何か言った?】

『いや別に…』

【あと、最後のコレはどうするの?】

『コインロッカー作戦?』

【そう!
 ディズニーランドのパスポートを
 コインロッカーから本人に取らせるんでしょ。』

『…の予定ですけど。』

【それが1番の難関じゃない!】

『るるさんが一緒なら、るるさんにその鍵を現場で渡しますよ。』

【だから、どうやって私は鍵を受け取ればいいの?】

『リゾートラインの乗客がドバッと流れ出てくる時に
 その人波に紛れてるるさんに渡しに行きます。』

【ちょっと危険な気もするけど…】

『まぁ、探偵ですからサラッとこなしますよ!
 最初の計画では、フリーメールで誰だかわからないように連絡して
 コインロッカーの上に隠した鍵を探させる予定でしたけど。】

【私は鍵の事、MAKIちゃんになんて言えばいいの?】

『怪しい男が近づいてきて、渡されたとでも…』

【胡散臭いわね…】

『だから、るるさんはMAKIの気をそらしておいてくださいね。』

【ホントにこんな計画にMAKIちゃんが引っかかるの?】

『それが引っかかるんですよ! やってみればわかります。
 想像力が豊かすぎて、アイツの方からハマっていくんですよ。
 きっとるるさんも楽しくなってきますよ!』

【わかったわ!
 なんか今からドキドキしてきた】

『じゃあ、当日よりしくお願いします。』

【何から乗ろうかしら!】

『なんの話ですか?』

【ディズニーランドの事!】

『ドキドキって、そっちですか…』

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2008年5月22日 (木曜日)

切り取られた手帳Ⅲ

【”もうすぐ舞浜に着くわよ。ちゃんと準備しておいてね”】

「るるさん、舞浜駅が見てきましたよ。」

【えっ!? あぁ、うん、わかった。】

「るるさん、何やってるんですか?」

【ちょっとメールをね…】

「るるさんは、このエリアにZINがいると思います?」

【MAKIちゃんの推理が当たっていれば
 このエリアのどこかにZINくんがいるんじゃない?】

「私、あまり自信ないのに…
 羽田に行けば良かったかな…」

【そんな事ないよ。
 MAKIちゃんがこっちだと思ったんだから、いいんじゃない?】

「こんなトコまで連れてきちゃってすみません。
 るるさん、駅に着きましたよ。」

【早く降りましょう。】

「これから、どっちに?
 リゾートラインの乗り場って、どこにあるんですか?」

【改札を出たら左手の方。イクスピアリの方よ!】

 ー ピッ、ガシャン ー

【MAKIちゃん、どうしたの?】

「Suicaの残高足りないみたい…
 チャージしてくるので、ちょっと待ってもらっていいですか。」

【あそこで待ってるわ、早くね!】

「はい。」

【今の内にメールを…
 ”もうすぐ、モノレールに乗るよ” 送信っと!
 ・・・・・。
 (メール受信)
 ”わかりました。それに乗って1つ目の駅で降りてください。”
 1つ目の駅ね!】

「るるさん、お待たせしてすみません。
 こんな事でつまずいてたら、探偵失格ですよね。」

【探偵は依頼を受けてから、いろいろと準備するから
 今日のは、失敗の内には入んないんじゃない?】

「るるさんは、優しいですね。ZINとは大違い…」

【ZINくんは優しくないの?】

「普段から何か失敗するとすぐ、探偵なのにそんな失敗するな!って。」

【ZINくんは厳しいわね。 でもZINくんらしいかも!】

「るるさんって、ZINの事よく知ってるんですね。」

【そんな事ないよ。ただZINくんって単純でわかりやすいって言うか…
 それより、リゾートラインに乗りましょう!】
  
   ・
   ・
   ・

「こんな風になってるんだ~。 つり革がミッキー!」

【MAKIちゃんは、初めて乗るんだっけ?】

「はい。 るるさんは?」

【ZINくんと調査で乗った事があるの!
 私も結構ディズニー通だと思ってたんだけど、ZINくんには勝てなかったわ。】

「ZINの場合、ディズニー通というよりヲタクですけど…
 ディズニートリビアを耳にタコが出来るくらい聞かされてます。」

【ZINくんの事、心配?】

「えっ!? ZINですか?
 きっと事件に巻き込まれたとしても、1人で何とかしてると思います!
 ・・・で、無事に帰ってきて、自慢げに武勇伝を話すんです。
 だから、そんなに心配はしてません。」

【そーなって欲しいって、願いに聞こえるけど…】

「そんな事ないです。」

【さてMAKIちゃん、どこの駅で降りればいいと思う?】

「リゾートラインの駅って4つありますよね…」

【いつの間にチェックしたの?】

「リゾートラインの切符売り場で。」

【じゃあ、1つ目の駅は?】

「ディズニーランド前ですけど。」

【そっか・・・
 たしか、ディズニーランドが25周年なんだよね?】

「はい。」

【じゃあ、そこで降りましょう。】

「手帳の”ゲート前”って、改札口の事なんでしょうか?」

【そうじゃないかな?
 改札を出て、周辺を探してみるのもいいと思うよ。】

   ・
   ・
   ・

「やっとココまで来ましたね!」

【13:00にはまだちょっと早いけど、ZINくんを探してみましょうか?】

「ココにZINがいるんでしょうか?」

【さぁ~、私に聞かれてもわからないわ。】

 - ブルブルブルブル… ブルブルブルブル… -

【MAKIちゃんの携帯、ブルってない? 何か変な音聞こえるけど!】

「えっ!?
 私の携帯です! メールが着ました。」

 ”よくココがわかったな。 おめでとう!”

【誰から?】

「ム・カ・ツ・クぅ~~~。」

【MAKIちゃん?】

「よくココがわかったな!って、バカから。」

【そうなんだ。】

「ZIN!、そこに隠れてるのバレバレなんだけど!」

【私の役目はココまで。
 この先の筋書きはわからないから、あとは任せたわよ、ZINくん!】

「ZINっ!」

『もぉ~、何言ってるの、るるさん!
 上手い具合にMAKIの気を引いててくれないと!
 もっとこぉ~、ドラマチックに終わらせたかったのに!』

【詰めがあまいんじゃない?】

『えぇ~、俺のせい? そりゃないよ~。』

【メールでもうZINくんだって、バレてるわよ!】

『あっ! フリーメール使うの忘れた…』

【メールが着てからのMAKIちゃん、周りを見渡す速さは尋常じゃなかったわよ。
 あれじゃバレるわ、MAKIちゃんを甘く見てたわね。】

「るるさんもグルなんですか?」

【ごめんなさいね。 ZINくんに買収されちゃったんだ。】

『バレちゃったんならしょうがない。ちょっと待ってろ!』

「どこ行くの?」

【待ってればわかるわよ。】

「帰ってきた。」

『え~と…
 よくココがわかったな、名探偵MAKI!
 お前には、これをプレゼントしよう!』

「ディズニーランドのパスポート?」

【アドリブに弱いのね… 台詞棒読みじゃない…】

『調査も一段落したし、前から連れてってやるって、約束してたし…』

「ありがとう…」

【ZINくん! 何か忘れてない?】

『忘れてませんよ。MAKIの案内係、ありがとうございました。
 じゃあ、お約束のコレ!』

【やったぁ~! ディズニーランドのパスポートだぁ!】

『何か、子供みたいな喜び方しますね…』

【バレないように、気ぃ使って誘導してきたから疲れたわよ。】

「るるさんは、最初っから知ってたんですか?」

【うん。】

「朝、電話を掛けてきたのも?」

【ZINくんに頼まれて!】

「そっかぁ~、るるさんが私に電話してくるのなんて滅多に無いから
 逆にZINに何かあったのかと心配しちゃったけど…」

【今日、誕生日だからお願いしますって、ZINくんにね!】

『失敗するなら、こんな計画立てずに普通に遊びにくれば良かったよ。
 おまえ、前から推理ドラマみたいな調査がしたいって言ってたから…』

【あんまり時間が掛からないように
 ちょっとした推理問題を解いて辿り着くように、2人で考えたのよ!
 西村京太郎ぽかったでしょ!】

「るるさん、ありがとうございます。」

『俺には?』

「ZIN… 今日は誰の誕生日?」

『MAKIの…。 違うの?』

「何年も一緒にいるのに覚えてないの?」

『だって、探偵業法用の従業員名簿に今日が誕生日だって…』

「バカね! 女がホントの生年月日書くわけないでしょ!」

【MAKIちゃん… それはマズイわよ…】

『お前は、法的な名簿にサバ読んで書いたのか?』

「私の誕生日は夏よ!」

【日にちまで誤魔化す意味がわからない…
 普通は年だけしょ。
 潜入調査の履歴書じゃないんだから…】

「女の誕生日を忘れるなんて、最低っ!
 走ってファストパス取ってきなさいよ!」

【何か疲れがドッと出てきたわ…】

『今日の俺の努力は? ねえ、るるさん!』

【はいっ、私のパスポート!】

『何コレ? えっ、るるさんまで…』

「は・や・くっ!」

『でも…』

「何?」

『まずは、ランドの中に入ってからじゃないと…』

「何ごちゃごちゃ言ってるの?
 今日は2人で楽しみましょうね、るるさん!」

【そうだね。】 

『3人でね! ねっ!』

「さぁ、行きましょう!」

『なんで…こんな事に…俺は絶対悪くない!』

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2008年5月20日 (火曜日)

切り取られた手帳Ⅱ

【MAKIちゃんお待たせ! 待った?】

「いえ、5分くらい前に私も着いたところです。」

【ZINくんからの連絡は?】

「ないです…」

【そっか。】

「あの…」

【なあに?】

「何で東京駅集合なんですか? ZINがココにいるって事?」

【MAKIちゃん。 ZINくんの手帳を貸してくれない?】

「はい、これです。」

【ホントに汚い字ね… まぁ、そんな事より!
 やっぱりね…
 MAKIちゃん、気付かない? 
 この”モルール”っていう字をよく見てごらん!】

「東京駅にモルールってお店があるんですか?」

【そーじゃなくて…】

「なにも…」

【さっきね、電話しながらネットで検索してみたの、モルールって!
 そしたらね、モルールっていうタイルのカタログページがあって…】

「ZINはタイルと一緒に壁とか床に埋め込まれたの?」

【もう~MAKIちゃん、最後まで私の話を聞いて!
 そのタイルのサイトの下に表示されたページを開いたら、謎が解けたの!】

「謎って?」

【汚い字だから読み間違えたと思うんだけど、
 モ”ル”ールの”ル”は、カタカナの”ノ”と”レ”!
 だからこれは、”モノレール”って書いてあるのよ!】

「モノレール!」

【だから手帳に残っているメッセージは
 13:00 モノレール ゲート前 25 って事!】

「?
 で、モノレールで何で東京駅なんですか?」

【東京駅はMAKIちゃんとの集合場所。
 ここから…】

「浜松町から羽田までのモノレール!」

【そう!きっとZINくんは、羽田に向かったんじゃないかしら?】

「なるほどっ! 暗号解読と名推理、さすが女探偵るるさん!」

【(暗号解読とは違うと思うけど…)】

「じゃあ、るるさん。早く羽田に向かいましょう!」

【そっ、そうね。】

「浜松町は山手線ですよね?」

【そうよ。
 念の為、東京駅から羽田までの時間を調べてみたら!】

「はい、そうします。
 え~と…
 Yahoo!の路線で、出発駅が東京で到着駅が羽田っと!」

【何時頃、到着予定?】

「なんか、検索結果がいっぱい出て来たんですけど
 大体30~40分くらいみたいです。」

【ちょっと見せて。】

「はい。」

【これは、京浜急行ね。モノレールで行くルートで検索して。】

「はい、わかりました。
 出発駅が東京で・・・あれっ?」

【どうしたの?】

「間違えて出発駅も変えようとしたら、
 東京ディズニーランドステーションってのが出てきて…」

【それがどうしたの?】

「ディズニーランドステーションって、モノレールの駅…ですよね?」

【そうね、モノレールね。】

「あれっ? あれっ?」

【MAKIちゃん、どうしたの?
 ”あれ?あれ?”って、壊れちゃったおもちゃみたい!】

「るるさん?」

【なあに?】

「ZINの手帳に”25”ってありましたよね?」

【あったわね。】

「それって、25周年の25なのかな?」

【25周年って?】

「今、ディズニーランドで25周年のイベントやってるんですよ。
 もしかしたら、こっちのモノレールじゃ…」

【MAKIちゃんは、どう思うの?】

「ん~。
 私は、ディズニーリゾートラインだと思います!」

【わかったわ。
 MAKIちゃんの思ったトコロに向かいましょう!】

「間違ってたらごめんなさい。」

【いいのよ。MAKIちゃんの思った通りで!(やっと、ここまで来た…)】

「今、11時半くらいかぁ~。(ZINを無事に見つけられるかなぁ?)」

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切り取られた手帳

♪プルルルル~・プルルルル~♪

【もしもし、MAKIちゃん? ”るる”ですけど…】

「あっ、るるさん! お久しぶりです。 お元気ですか?」

【元気だよ。MAKIちゃんは?】

「元気ですよ。今日はどうしたんですか?
 私に電話かけてくるのって、珍しいですよね!」

【珍しいとか言わないでよ。 …で、ZINくんは調査中?】

「やっぱりZINに用事があるんですね…」

【ZINくんの携帯に電話しても出ないから、調査中なのかなって…】

「調査じゃないと思うんですけど・・・」

【”調査じゃないと思う”って、どういう事?】

「私も今朝から連絡取れなくて…」

【MAKIちゃんも連絡取れないの?】

「はい…」

【それはおかしいわね。ZINくんとケンカでもした?】

「昨日はしてません。」

【昨日は?
 まぁ、その辺は触れないけど… こういう事よくあるの?】

「こういう事って?」

【連絡が取れない事!】

「ないです。」

【今、抱えてる調査は?】

「昨日報告した調査で終わり。今は何も無いです。」

【調査じゃないのに連絡がつかない? それは、おかしいわね!】

「そうなんです。」

【何が手掛かりになるようなものはない? 例えばZIN君の手帳とか・・・】

「ZINの手帳ですか? ちょっと待ってくださいね…
 あっ!」

【あった?】

「ありました!
 (いつも、どこに行くにも持ち歩いてる手帳がなんでココに?)」

【どうかしたの?】

「手帳があるんです。」

【それが変なの?】

「はい、肌身離さず持ってる手帳なんです。」

【そっか。
 じゃあ、その手帳に変なトコない?
 ん~、例えば、切り取られてるページがあるとか?】

「切り取られてるページですか?
 え~と…。
 あります!
 後ろの方のページが一枚ビリって感じに!
 几帳面なZINが、慌てたとしても書かないようなトコ。
 (ZINがページを飛ばして使うなんて…)」
 
【…という事は、前後のページは白紙って事ね。
 もしかして、その前後どちらかのページに筆跡残ってない?】

「無さそうですけど。」

【鉛筆で軽く擦ってみて! 何か浮き出るかも!】

「鉛筆でですか?」

【やってみなって!】

「わかりました。
 ・・・・・。
 あれっ? 何か浮き出てきた!」

【何て?】

「字が汚くて読みにくいんですけど、 

  ”13:00 モルール ゲート前 25 ”

 って、書いてあるような・・・」

【”13:00” ”モルール” ”ゲート前” ”25”って?
 ん~、なんだろう??
 13:00にモルールのゲート前で誰かと待ち合わせって事かな?】

「最後の”25”は?」

【わからない… 待ち合わせの合言葉とか?】

「合言葉ですか? じゃあ、モルールっていうのは?」

【モルールって、聞いた事ないわね。どこかの場所の名前なのかな?
 ZINくんから今日の面談の話とか聞いてない?】

「聞いてません。
 面談が13:00からだとして
 今10:00だから、待ち合わせだとしても、あと3時間ありますよ。」

【そうね。 朝から連絡が取れないっていうは変ね。】

「私、思うんですけど…」

【何?】

「このZINの使い方らしくない手帳といい、連絡が取れない事といい、
 もしかしたらZIN、何かの事件に巻き込まれたんじゃないかな?】

【事件って…】

「面談なら私に連絡してから行くし… きっとこれは事件だわ。
 危険な匂いに誘われて、事件に巻き込まれたんだわ!」

【MAKIちゃん、ちょっと大袈裟じゃ…】

「大袈裟なんかじゃないです。手遅れになってからじゃ遅いんです。
 るるさん!
 今日は予定無いんでしょ。
 私と一緒にZINの足取りを追いかけてくれませんか?」

【予定が無いなんて一言も言ってないけど…
 事件に巻き込まれたって言うのは、大袈裟じゃない?】

「そんな事言ってて、あのバカがお昼のニュースに出たらどうします?
 東京湾に変態死体が上がりましたって!」

【それを言うなら、変死体だよね…】

「そんな細かい事はいいのっ!」

【MAKIちゃん、正確にはいつからZINくんと連絡取ってないの?】

「昨日の夜からです。」

【そっか。探すなら早い方がいいわね。 私も行くわ。】

「はい、お願いします。」

【私も今からすぐ出るから、東京駅で待ち合わせましょう。
 13:00までには探し出しましょう。】

「わかりました。東京駅集合ですね。
 私もすぐに向かいます。」

【それとそのZINくんの手帳、忘れずに持ってくるのよ。】

「はい。(今から残り時間3時間って事?)」

【(変態死体になる前に、MAKIちゃんに探させないと)。】

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2008年5月10日 (土曜日)

見えない敵Ⅷ

「信じていいと思いますよ、恭子さんの言葉。」

【でも、メールはしているんでしょ!】

『正確に言うと、旦那さん側から一方的にですけど。』

「恭子さんは、旦那さんが手伝った引越しの後
 海外で生活している事になっているんです。
 ・・・よね、旦那さん!」

《・・・・・。》

「旦那さんは、本当に海外にいると思っているみたいですげど・・・」

『電源を切っていた恭子さんの携帯でメールの問い合わせをしてみたら
 大量に気持ち悪いメールが・・・』

「(気持ち悪いは、言い過ぎだよ)」

【気持ち悪いってどんな・・・?】

『簡単に言えば、”好きだよ”とか”早く会いたいよ”とか・・・
 ”妻と別れるからね”とか。』

【あなた・・・】

『その中に何故か”Xさん”からのメールを混ざってたんですよねぇ~
 間違えちゃった?』

《・・・・・。》

『何故でしょう、旦那さん?
 ”Xさん”のメールと旦那さんからのメールが同じアドレスなんですけど・・・
 僕の話、聞いてます? Xさん!』

《・・・なんなんだよ・・・・・。》

「はい!?」

《何なんだよ、あんたら!
 いつもいつも邪魔しやがって!》

『(キレだしたよ・・・)』

「私達は、奥さんの依頼で・・・」

『待て、MAKI!』

【パシッ!!】

「(うわぁ、痛そう・・・)」

【壊してるのは、あんたでしょ!
 恥ずかしいわよ・・・。もう・・・。私・・・。】

[大丈夫、ヨーコ・・・]

『旦那さん。
 あんた、何もわかってないね。
 奥さんの気持ちも、恭子さんの気持ちも。』

【自分の事ばっかり・・・】

《・・・・・。》

「これで私達の調査報告は終わりですが・・・。」

『ココからは、ご夫婦の話し合いですよね。
 僕達はこの先の話、口を挟めませんから・・・』

「居た方がいいですか? 奥さん・・・」

【ありがとうございました。
 大丈夫です。
 マユミも・・・ もう、大丈夫だから・・・】

[ホントに大丈夫? 2人で話出来る?]

【うん】

[今晩、うちに来れば?]

【うん】

[じゃあ、迎えにくるからね。]

【うん】

「それでは、私達も」

『帰ります。』

【ありがとうございました・・・】

     ・
     ・
     ・

「あの旦那さん、まだ恭子さんが自分の事好きだと思ってたんだね。」

『恭子さんもまだ完全には吹っ切れてないんだろう。
 海外に行ってるなんて、嘘をついてたんだから。』

「今の家に引っ越すって決めた時には、もう吹っ切れてたと思うよ。」

『そうかな?』

「そうだよ。 男と違って、女は決めたら引きずらないから!
 でも、大丈夫かな? 奥さん・・・」

『別れちゃうのかな?』

「ん~、どうだろう・・・。
 別れない方がいいとは思うけど、別れた方がいいかも知れないし・・・」

『どっちだよ。』

「旦那さんが今のままじゃ、奥さんが心配だよ・・・。
 あんなに何回も傷付けられて・・・」

『保坂さんがいるから大丈夫だろう。
 でも、恭子さんと奥さんの間に入っていた時は、大変だっただろうな。』

「恭子さんとまた仲良く出来るかな?」

『どうだろう・・・
 でも、あの旦那さん最低じゃね? 嘘までついちゃって』

「嘘は、いつかバレるって、身をもってわかったんじゃない!」

『恭子さんと奥さん両方と上手くいかせようとして・・・
 え~と、あれだよ、あれ!
 2匹のウサギを追いかけて、1匹も捕まえられないヤツ・・・
 何て言うんだっけ?』

「(何でそこまでわかってるのに?)」

『ほらっ、何て言うんだっけ?
 2匹のウサギを追いかけて、山で遭難するヤツ!』

「(なぜか、遠くなった・・・ 遭難はどこから出てきた?)
 そんなのもわかんないの? バカじゃない!」

『はぁ!? 何言ってるの?
 俺ほどのバカはいねぇ~よ!』

「・・・・・ん? そうね!」

『あぁ~もぅ~、ここまで出てきてんのに・・・』

「ホントに出てきてるの?」

『あっ!』

「出た?」

『羊頭狗肉!!』

「意味全然違うし・・・ (ウサギはどこ行った?)」

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見えない敵Ⅶ

『そうです。犯人はこの中にいる。犯・・・』

「犯人はあなたです!!」

『(それ、オレの台詞だったのに・・・)』

[えっ!?]

【なんで・・・】

『今日はやけに口数多いですね。
 普段はあまりしゃべらない人だと、奥さんから聞いていましたが・・・』

《えっ!私ですか?
 もぉ~、冗談はやめましょうよ。
 ・・・で、本当の犯人は誰なんですか?》

『下手な芝居はやめましょうよ、 旦那さん。』

「私達が恭子さんに会ったという話をした時
 おもいっきり顔が引きつってましたよ。
 眉毛もピクッって動きましたし・・・」

『見逃しませんよ!
 どんなに小さなリアクションもね!』

「私達、探偵ですから!」

『それに今までの会話の中で、あなたは嘘をつきました。』

《嘘? そんなのついてませんよ。》

「私達は恭子さんに会ったと言いましたよね。
 その時、浮気の発覚から今現在の事まで
 すべて聞かせてくれたんですよ。」

『あなたが恭子さんに口止めしていた事も。』

《口止め? 何の事でしょうか?》

「白々しい・・・」

『あなたは恭子さんの引越しを手伝ってますよね。』

【なんで・・・】

『さっきあなたは、どこに住んでいるんですか?
 って、言ってましたよね!』

[知ってたのに、知らないフリをしてたって事?]

《知りません、手伝ってませんよ!
 恭子が嘘をついているんじゃないですか?》

『もうやめませんか? 嘘つくの!』

《だから、嘘なんかついてませんよ!》

「恭子さんが言ってましたよ。
 恭子さんと一緒に買ったお揃いの携帯電話持ってますよね。」

【もう一台持ってるの?】

《持ってないよ!》

【それで今でも恭子と連絡を!?】

『そうじゃないんですよ』

【この手紙・・・
 全部嘘なの? まだ恭子は私を苦しめるの?】

『ちょっと落ち着いて聞いてください。
 恭子さんは、本気でゼロからやり直したいって言ってました。』

「足立区から引っ越した場所も旦那さんが知っているので
 そこからまた引越しをしているんです。」

《えっ!》

「知らなかったでしょ、旦那さん!
 ホトボリが冷めるまで大人しくしていようって言ったそうですね、
 恭子さんに・・・」

『実は、浮気調査で浮気がバレた後
 恭子さんは、ココに謝りに来たそうです。』

【来てないわよ、会ってない・・・】

『そう、会ってはいない。
 ここに来る途中で奥さんを見かけたそうです。
 顔を見た瞬間、動けなくなった・・・怖くなったって・・・』

[それは本当よ。私もその時一緒に居たから・・・
 私は謝りに行くの反対したんだけど。
 今は逆効果だって・・・]

【何で今まで言ってくれなかったの?】

[恭子にヨーコには言わないでって言われたし
 あの頃のヨーコは恭子の話NGだったでしょ]

【私だけ何も知らなかったの・・・】

[恭子に会ったら、殺しそうな勢いあったしね。]

【殺しはしないけど・・・ わかんない・・・】

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2007年10月25日 (木曜日)

見えない敵Ⅵ

♪ピンポ~ン♪

「おはようございます。一ノ瀬探偵事務所のMAKIです。」

【お待ちしていました。 どうぞ、ZINさんMAKIさん。】

「おジャマします。
 あっ、どうも旦那さんですね!
 初めまして・・・ じゃないか・・・。」

《どこかでお会いした事ありましたか?》

【浮気の調査をお願いしたのも、この方達なの。】

「そうなんです。」

《あぁ~!
 あの時はまったく気付きませんでしたよ!
 まさか自分が探偵さんに尾行されるとは
 思っていませんでしたから。
 さすが探偵ですね!》

「バレたら仕事になりませんから!」

『・・・・・。』

「どうもお久しぶりです。
 先日はありがとうございました。」

[お力になれましたか?]

「はい、とても!
 ZIN! こちらの方が奥さんのお友達で”保坂さん”。
 元浮気相手の情報を聞き込みに行った・・・」

《”元”ですからね。念の為!》

『初めまして、ZINです。
 先日はご協力頂き、ありがとうございました。』

「(どう?
 ZINが言うとおりに、奥さん旦那さんお友達を集めたわよ!)」

『(関係者が全員集まったか!これで舞台が整った!)』

「それでは・・・
 みなさん、今日はお忙しい中お集まり頂いて
 ありがとうございます。
 今回、みなさんにお集まり頂いたのは
 すでにご存知だと思いますが
 奥さんに送られてくる嫌がらせメールの件です。」

【犯人がわかったんですか?】

「それは、これからZINが。」

『まず、今回の調査報告書をお渡ししますね。
 早速、報告書の内容をご説明をしていきますが
 よろしいですか?』

「奥さん、みなさんに報告書が見える様に・・・」

【はい、わかりました。】

『今日この場にはいませんが、ご依頼者様も怪しんでいた
 旦那さんの元浮気相手ですが・・・』

《昔の話ですから・・・》

『足立区のアパートを引き払い、引越ししていました。』

《ホントですか? 怪しいですね!
 それで今、どこに住んでいるんですか?》

『それは本人から口止めされているので・・・
 すみません。』

[会ったんですか? 恭子に会ったんですか?]

「はい、会ってお話してきましたよ。
 奥さんにはとても悪い事をした・・・
 謝って済む問題じゃないけど、謝りたい・・・
 って、言ってましたよ。」

【何よ、今更・・・ 顔も見たくない!】

『今は会わない方がいい。
 もう少し時間が経ってから!と言っておきましたから』

[恭子がいなくなったって聞いて、すごく心配してたんです。
 元気でしたか?]

「保坂さんから恭子さんのお話を聞いて、
 私達もすごく心配してたんですけど
 イメージと違ってめちゃくちゃ明るく元気でしたよ。」

[よかった・・・
 でも、何で連絡してくれなかったんだろう。
 引越しの事・・・]

【許せない、自分だけ・・・】

『MAKI、早く渡せよ!』

「わかってるわよ!
 恭子さんから預かってきた手紙です。
 受け取ってあげてください。
 こっちが保坂さん宛てで、こっちが奥さん・・・」

【私にも!?】

『恭子さんの気持ち全部、手紙に書いてあると思います。
 読んであげてください。』

《ちょっと待ってください。
 私は妻から恭子が・・・恭子さんが犯人だと
 聞いていたんですけど・・・》

『恭子さんじゃありませんよ!
 自分の中で整理出来たんでしょうね。
 引越ししたのもその為だそうです。
 新しくゼロからスタートしたいと言っていました。』

「恭子さんとお話した事はすべて報告書に書きましたので…
 後でゆっくり読んでくださいね。」

【恭子・・・
 ちょっと、待って!
 じゃあ一体誰が私にメールを送ってるんですか?
 犯人は一体誰なんですか?】

『なぜ今日、皆さんにお集まり頂いたと思いますか?』

《・・・まさかっ! この中に犯人がいると!》

【そんな・・・。】

[・・・・・。]

『そうです。犯人はこの中にいる。犯・・・』

「犯人はあなたです!!」

『(それ、オレの台詞だったのに・・・)』

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2007年10月23日 (火曜日)

見えない敵Ⅴ

『何かわかった?』

「奥さんのお友達に話を聞いて来たわよ。
 1ヶ月くらい前までは確実にあのアパートに
 住んでたみたいね。」

『1ヶ月前かぁ~
 ・・・で、いつ引っ越したの?』

「それは知らないみたい。
 1ヶ月くらい前にあの部屋に遊びに行ったのが最後で
 それからは連絡取ってないって!」

『仕事は?』

「依頼者の旦那さんと別れたのが原因で
 会社に行けなくなったらしい。
 お友達が最後に遊びに行った日の元浮気相手、
 人が変わったみたいだったって!」

『人が変わったみたいって、どんな風に?』

「”毎日包丁を研いで、頭にロウソク結んで
 夜中にワラ人形を打ってる感じ”」

『その話、今作った?』

「ホントにそう言ってたの!」

『そのお友達が? ワラ人形打ってるって?
 そっ、そうなんだ・・・
 で、仕事は辞めたって事?』

「辞めてはないみたい。 出社拒否って言うのかな?
 そんな感じみたい。」

『付き合う前から親友の旦那さんって事は知ってた筈だよな?
 それでもなぜ旦那さんと付き合う事にしたのか?
 いつか別れの日が来ると思っていなかったのか?』

「全部、男が悪いの!
 自分勝手に女の心に踏み込んできて・・・
 責任取れないんだったら、
 最初から声掛けてくんなって言うの!」

『どうしたの?』

「どうせ奥さんと別れるから、結婚しようとか言ってたんでしょ。」

『おいおい! 憶測で考えて勝手に興奮するなよ。
 ちょっと落ち着けって言うか・・・何、怒ってんの?』

「元浮気相手は被害者なの!」

『直接その話を浮気相手から聞いてないだろ!
 それに旦那さんから声を掛けたって何で言い切れる?』

「だって・・・ 男はみんなそうだから」

『MAKI!
 今、オレ達がやってる調査は浮気問題じゃないんだぞ。
 それに、フラれたショックで精神的にどん底に落ちたとしても
 復讐してもいいって事にはならないだろ。』

「でも・・・。
 なんかわかるのよ、浮気相手の気持ちが・・・
 奥さんに復讐したいって気持ちがね。」

『ちょっと待て!
 奥さんに復讐したいってどういう事?
 さっき悪いのは男だって言ってなかった?
 じゃあ、なんで旦那さんじゃなく奥さんに復讐するんだ?
 オレから見ると完全に奥さんが1番の被害者なんだけど…』

「相手の女には幸せになって欲しくないというか・・・
 愛した男には幸せでいて欲しいというか・・・
 この気持ちは、女にしかわからないの!」

『何だそれっ! 勝手すぎるぞ!
 男が悪いなら、男に復讐しろっ!』

「怒ってるの?」

『怒ってない!!』

「だから今回の犯人、元浮気相手で決定でしょ!
 この前は失敗したけど、浮気相手しか知らない情報を
 引き出す方法ないかな?」

『この前って?』

「依頼者の家に行った時!
 私が盗聴発見道具を車に取りに行ってる時!」

『メールかぁ・・・
 まだ犯人が浮気相手と特定するには早いからなぁ。
 今、浮気相手の郵便物の転送先と転居先を調べてるけど、
 それと平行して、メールの方も考えてみるか・・・』

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2007年10月22日 (月曜日)

見えない敵Ⅳ

『ふぅ~、
 今日は現状確認で依頼者の家に行ったけど
 考えれば考える程、余計な推測ばかりしてしまう。』

「そうね。
 やっぱり確実に犯人まで辿り着くって手掛かり、
 なかなか出てこないもんだね。
 複雑にしているのは私達かもしれないけど!」

『よく考えれば、相談した友達がスパイだったら
 ”探偵か?”メールに書かないよな』

「探偵が来るの知ってる筈だからね!
 そーやって、すぐ人を疑うのって職業病なのかな?
 盗聴器も無かったしね。」

『依頼者の旦那さんも疑っちゃったし・・・』

「そんな事ばかりしてると、友達いなくなるわよ。」

『オレには信じられない友達は最初からいないから大丈夫!
 コーヒーでも飲みながら、今後の作戦練るか!』

「私が入れてくるわ。
 でも、あの調査依頼してきた奥さんは専業主婦でしょ。
 子供はいないし、人付き合いって言ったら
 学生時代の友人くらい。
 ご近所さんとも付き合い無いのに、
 あんな嫌がらせを受けるって、どういう事なんだろう?」

『さぁ・・・
 確実に言える事は、奥さんの携帯電話のメアドを
 知っているって事。
 恨みっていうのは、自分では気付かない内に買うもの。
 接触した事が無い人からは、恨みを買わないからな・・・』

「それは奥さんもわかってると思うわ。
 逃げないでちゃんと解決したいからメアド変えないんだと思う。
 あのメールを見ると自分が不幸になったから、お前も!
 みたいな感じだよね。」

『メアド変えてみるのも解決方法の一つなんだけどなぁ』

「メアド変えてまだ送られてくるようなら
 変えた事連絡した人の中に犯人がいるって事よね。」

『100%じゃないけど!
 とりあえず今の所は奥さんの希望通りに調査を
 進めていくしかないから。
 お友達リストを作ってもらったから
 この中から1人ずつ潰していくしかないな!』

「はい、コーヒー。
 そうね。 まずは、元浮気相手ね」

『その人、どこに住んでるんだっけ?』

「え~と・・・ 東京都足立区・・・」

『近いな・・・ MAKI、準備しろ!』

「はぁ?」

『これから、その元浮気相手のトコ行くぞ!』

「今から!?」

『夜だったら、必ず居るだろう。
 チラッと様子だけでも!』

「事務所に帰ってきたばかりだから準備する事ないし・・・
 じゃあ、早く行きましょう!」

   ・
   ・
   ・

『オレの勘だと、この辺りなんだけどー』

「勘で人の家探すな! 探偵でしょ!」

『おぉ、あったあった! このアパートだな!」

「(ったく・・・。 ZINのこういうトコが不思議。 
 何故かこの勘で何回も危機を乗り越えてるんだよね…)
 え~と、部屋番号は202号室だから、あそこの部屋!
 部屋の明かりは点いてないわね。」

『まだ帰って来てないのかな!?』

「どこ行ったの?」

『オレに聞くなよ・・・』

「嫌がらせメールの受信記録を見ると、仕事している様には
 思えないんだけど。」

『確かに・・・ 朝昼晩関係なく送ってきてたなぁ。
 わかった!
 きっと、”職業:家事手伝い”なんだよ!』

「1人暮らしで家事手伝いって、誰の手伝いするのよ!」

『・・・・・。』

「シカト? 私の方がシカトしたいわよ。
 疲れるわ・・・ZINの相手は!」

『玄関側に回るぞ!』

「何?」

『あの部屋、カーテン付いてない。』

「えっ!? 暗くて良くわからないけど。」

『ハァー、ハァー、ハァー・・・』

「必要ないのに走るから。」

『やっぱり・・・
 ドアノブにボタン式のロックがぶら下がってる。』

「引っ越したって聞いてないわよ。」

『コレって、空家だとぶら下がってるやつだよな!
 不動産屋がやるのか知らないけど・・・』

「依頼者に連絡するわ。
 共通の友達って人なら何か知っているかも知れない。」

『そうだな!
 依頼者は言ってなかったな、引っ越したって!
 まず、その友達に話を聞いてみよう。
 元浮気相手の居場所を調べるのが先決だ!』

「私達、間違った道、進んでないわよね?」

『オレの勘、信じる? 追い詰めるぞ、元浮気相手を!』

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2007年10月16日 (火曜日)

見えない敵Ⅲ

『MAKI! 
 ”また探偵か!”じゃなくて”また探偵か?”だぞ。』

「だから何?」

【聞いてる・・・ 探偵か?って聞いてきてる・・・】

『そう!
 今ここで誰かに相談している事は知っている。』

「なんで誰か来てるって知ってるの?」

【何でですか?】

『MAKI、念の為クルマの中から盗聴発見器持って来い!』

「ZINは?」

『このメールに返信してみる』

「わかった。取ってくる。」

『よろしく!』

【この部屋に盗聴器があるんですか?】

『念の為ですから・・・
 今までメールに返信した事ありますか?』

【初めの数回は返信しました。
 ”誰なの?”とか”もう送らないで”とか・・・】

『そうですか。
 もし、盗聴器があったら旦那さんも共犯の可能性があります。』

【えっ!? どういう事ですか?】

『今まで旦那さんが奥さんに言っていた言葉が
 嘘という事になります。』

「別れてない・・・って事ですか?」

『この部屋に他の誰が仕掛けられると思います?
仕掛ける事が出来るのは旦那さんだけ。
 だから旦那さんの疑いを晴らすためにも調べましょう。』

【でも、何でこの部屋に誰か来たって知ってるんだろう・・・】

『それはまだなんとも・・・
 で、普通の人は探偵なんて思いもつかないでしょ。
 まず、間違いなく犯人は元浮気相手でしょうね。
 旦那さんは、今日僕たちを呼んだ事知っていますか?』

【私もこの嫌がらせは、あの女だと思っているんです。
 夫には何も話していません。友達には話しましたが・・・】

『じゃあ、探偵が今日来る事を知っている友達が
 何人かいるわけですね。』

【1人だけ。】

『疑いたくありませんが、
 その友達は内通者かもしれませんね。』

【内通者って?】

『その友達って、元浮気相手の事も知ってる人ですね。』

【はい。】

『その友達がスパイかも!って事です。
 24-TWENTY FOUR-だとCTUの中に必ずいるんですよ。』

「何? 24-TWENTY FOUR-の話?
 私は最初からニーナが怪しいと思ってたのよ。
 ZINにも言ったでしょ。
 したら、やっぱりだったでしょ!
 私はすぐピンッときたけどね!」

『24-TWENTY FOUR-好きなの知ってるけど
 テンション上がり過ぎ!
 帰って来ていきなりニーナの話するか、普通?』

「24-TWENTY FOUR-の話は黙ってられないの!
 面白いですよね、24-TWENTY FOUR-!」

【私に言われても・・・ 
 24-TWENTY FOUR-観てないので・・・】

「そうなんですか! あれは絶対お勧めですよ」

『すみません。
 では、これから発見調査しますので』

【はい、お願いします。】

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2007年10月11日 (木曜日)

見えない敵Ⅱ

『どう? 思い出した?』

「あ~、あの調査ね、覚えてる。
 調査の後、手紙が着たよね!
 旦那さんが浮気相手と別れてくれる事になったって!」

『やっと思い出したか・・・
 1話分使って説明させるなよ』

「ごめんね。
 ・・・で、その依頼者さんがどうしたの?」

『あの浮気調査から3ヶ月経った今、
 無言電話とか嫌がらせメールとかが来るんだって!』

「それでその犯人を調べて欲しいって依頼がきた訳ね!」

『そう』

「浮気もだけど、”証拠が必要”っていうのが
 わかったみたいね」

『証拠があるから問い詰められる!
 言い逃れ出来ない証拠・・・
 早速依頼者さんのトコ行って、話を聞いて来るかっ!』

   ・
   ・
   ・

 ”あなたの生活、すべて監視している   Xより”
 ”もうすぐあなたに不幸が訪れる     Xより”

【これが私の携帯に送られてくるメールです。】

「気味の悪いメールがこんなに沢山・・・
 しかも”X(エックス)より”なんて、わざわざ書かなくても・・・」

『ん~。
 日本語、しゃべれないのに書けるのか・・・
 漢字もよく知ってるなぁ・・・』

「しゃべれないって?」

『電話じゃ何も話さないんだろっ!』

「私が思っている事たぶん当たってるから
 早めに言っておくけど・・・」

『そっか! 携帯は変換すれば簡単に漢字になるし・・・』

「Xさんは、外人じゃないわよ!」

『なにぃーーーーーーーー!』

「”なにぃー”じゃないわよ。バカじゃないの!」

『帰化した? ラモスみたいに!』

「アレックスじゃなくて、ラモス?
 例え古くない!
 そんな事より帰化したわけじゃなくて」

『じゃあ、Xさんは”ナニ人”なんだよ?』

「日本人! だと思うけど・・・」

『ほらっ、お前だって誰だかわからないじゃねーか!』

「誰だかわからないから、調査するんでしょ!」

【あの・・・ 今またメールが届いたんですけど・・・】

 ”また探偵か? 邪魔するな!   Xより”

『ん!? どこだ?
 んん!? 誰なんだ?
 出て来い、ミスターX! そこに居るのはわかってるんだ!』

【わかってるんですか?】

『いや・・・ 適当に言ってみただけです・・・』

「ミスかも・・・」

『おい、MAKI! お前は何もわかってない。
 昔から”X”と言ったら”ミスター”なの!
 ”ミスターX”!』

「私が言ったミスは、女という意味じゃなくて失敗のミス。
 Xさんがミスをしたって意味」

『ミス?』

「メールに”また探偵か!”って書いてあったでしょ。
 Xさんは、探偵に邪魔されたのは今回が初めてじゃない。」

【と、言う事は?】

「旦那さんの元浮気相手。 ではないかと思うんです。」

『なかなかやりますなぁ~、名探偵MAKIさん。
 私から言わせてもらうと、やっと気付いたか!って
 感じだけどな!』

「まだ何も証拠がないので確かではありませんが
 犯人候補としてリストに入れておきましょう!」

『よし、MAKI!
 その元浮気相手とやらを最重要参考人として
 任意で署に引っ張ってこい!』

【あの~、MAKIさん。 
 さっきからZINさんが何か言っていますけど・・・】

「なんかいろいろ憑依してるみたいなんで
 塩でも投げつけてあげてください。
 すぐ大人しくなりますから・・・」




 

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2007年10月10日 (水曜日)

見えない敵

「ZINさん・・・」

『MAKIさん・・・』

「愛してるわ・・・」

『僕もだよ、愛してる・・・』

「ちょっとぉ~、
 その気になって手を握らないでよ!」

『お前から振ってきたんだろっ、この小芝居。』

「だって、あの二人が・・・」

『確かに見てられないな、あの二人・・・』

「ロマンチックね、ドラマみたい!
 浮気じゃなければ応援したいわ」

『馬鹿にしてる様にしか聞こえないんだけど・・・』

「でも、あんな真面目そうな旦那さんが浮気をしてるとは・・・」

『見た目じゃ何にもわからないよ、人間は!
 その人の気持ちはその人にしかわからない。』

「人間は”嘘の塊”って事?」

『嘘じゃなくて秘密が多いって事!』

「そうね・・・
 男なんて信じられない!」

『プライベートを仕事に持ち込んでる?』

「そんな事してないわよ。
 それよりホラッ! 動いたわよ!!」

   ・
   ・
   ・

『これが今回の調査報告書です。』

【見てもいいですか?】

『どうぞ。』

【この女っ!】

『お知り合いですか、浮気相手を!』

【私の友達・・・、幼稚園からの親友です。】

『えっ?』

【いつからこの2人は付き合っているんですか?】

『それを聞かれてもわかりませんけど。
 でも、調査中この2人を見てい・・・』

【もういいです。それ以上何も聞きたくありません。】

『(えぇ~、まだ何も言ってないのに・・・)』

【この2人を別れさせるには、どうすればいいですか?】

『まずはご夫婦で話し合ってください。
 お友達・・・女同士で話し合ってもこじれるだけですから』

  

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2007年9月14日 (金曜日)

我が人生 決断の時Ⅶ

「ちょっと待ってよ、ZIN」

『お前が歩くの遅ぇ〜んだよ』

「どこ行くの? 車はあっちだよ」

『海。』

   ・
   ・
   ・

「こんなに綺麗な海、始めて見たかも・・・」

『そうか?』

「ほら、あれ見て! 兄妹なのかな?
 お兄ちゃんが泣いてる妹を優しく一生懸命なだめてる。」

『そうだな・・・』

「もうー。何か言ってよ、ZIN。つまんない。」

『MAKI・・・』

「何?」

『お前はいつもそうだな。』

「何が? 男ならはっきり言いなさいよ」

『お前は人に弱みを見せない。
 泣きたい時は、おもいっきり泣けばいいじゃん。
 こんな時、カッコつけんな!
 決めたんだろ、自分で!』

「ごめん・・・
 ・・・・・。
 ・・・・・。
 ちょっとだけ・・・ いいかな・・・」

『頑張ったな、MAKI』

「ZIN・・・ ごめんね。
 たくさん迷惑かけた・・・」

『あぁ、迷惑かけられたよ』

「早く忘れたい・・・」

『忘れられるよ』

「わたし・・・ わたし・・・。」

『もう、何も言わなくていい。
 今は、気が済むまで泣けばいい。
 傍にいるから。』

「・・・ありがとう。」

『MAKI・・・』

「・・・・・。」

『もし・・・
 もし、この先の人生で嫁に行く相手が見つからなかったら
 俺がもらってやるよ。』

「やだ。」

『え゛ぇ~~~』

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2007年9月13日 (木曜日)

我が人生 決断の時Ⅵ

[・・・で、何の話だっけ?]

「アナタねぇ・・・」

『(アイツ・・・
 今まで話した事もトイレに流してきたのか?)』

[そうそう!
 MAKI、今何か欲しいものある? 指輪?バッグ?]

「あのねぇ…私はあな…『お前よ~、いい加減にしろよ!』」

[ビックリしたぁ~。
 喰い気味で会話に入ってきたけど
 え~と・・・ どちら様?]

「ZIN、待って!」

『MAKIは黙ってろ!
 お前さぁ~、男だから浮気をしてもいいなんて
 自分勝手すぎるだろっ!
 男だから女だからとか関係ない。
 誰だって、信じてる相手に浮気されたら
 傷つかないワケないだろう。
 今回だけじゃない!
 何度もお前に裏切られて、何度も許して・・・
 そんなお前と別れる気持ちを固めて
 ココまで来たんだぞ!
 何の話だっけ?じゃねぇ~んだよ!』

「ZIN・・・。」

[・・・・・。]

『ん!? 
(ヤベぇ~、何言ってるんだ俺は・・・
 知らない人って事になってたんだ・・・)
 え~と・・・
 MAKIさんとおっしゃいましたよね・・・
 あとは、自分でケリ着けてくださいね!』

「日本語、変だよ」

『では、まったく知らない人の俺は
 車に戻りますので・・・』

「待って、ZIN!」

[MA・・・ MAKIの知り合い?]

「そうだよ!
 アナタには一生掛かってもわからない事だと思う。
 ・・・・・。
 元気でね。」

[MAKI・・・]

「頑張ってね。」

『帰るぞ、MAKI!』

[ちょっ、ちょっと・・・]

「さよなら・・・」




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2007年9月12日 (水曜日)

我が人生 決断の時Ⅴ

『夏はやっぱりコーラでしょ!
 て言うか、1年中飲んでるけど・・・』

【こちらの席でよろしいですか?】

[いいよ。]

『あれっ? MAKIちゃん?
 後ろの席にいる俺に気付いてないのか?』

「アナタとちゃんと話をしたくてココまで来たの…」

[オレは今でもMAKIが好きだよ!]

『(聞いてるわけではない!
 聞こえてしまう、この距離・・・)』

「原因はアナタの浮気なのよ」

[離れて暮らしていれば、そういう事もあるだろう]

「どうせまた”男だからしょうがない”って言うんでしょ!」

[男だからねぇ~]

『(だんだん話の内容が重くなってきましたぁ~)』

「アナタはまったく反省してないし、
 きっとこれからも同じ事を繰り返すと思うの」

[謝ってるじゃないか]

「謝る謝らないの問題じゃないの!
 私はアナタのその考え方を変えてくれない限り
 アナタとの関係を続ける気はないの!」

『(声が大きいよ、MAKIちゃん。
 みんな注目してるよ!)』

[ごめんな、MAKI。
 オレにはMAKIしかいないんだよ。
 オレは今でもMAKIの事が好きなんだよ。]

【お待たせ致しました】

『(チョコレートパフェ!?)』

[ありがとう。こっちに置いて!
 MAKIはアメリカンで良かったよね]

「相変わらずね、アナタは・・・ チョコレートパフェ・・・」

『(何も言わずに出てくるのか・・・さすが旅館の息子)
 すみませ~ん! こっちもチョコレートパフェ、ひとつ!』

「(えっ? この声は・・・!)」

[新鮮なうちに食べよう・・・ うん、美味いなやっぱり!]

「ちょっと・・・ 
 私はアナタと大事な話をしにここまで来たのに
 そんな呑気にほおばって・・・」

[ん? 何か言ったか?]

「いいわよ、もう・・・」

【お待たせ致しました。チョコレートパフェです。】

『待ってましたぁ!』

[ごちそう様! 
 オレ、トイレ行ってくるからちょっと待ってて]

「早っ・・・ トイレって・・・」

『美味いな! このチョコレートパフェ!』

「・・・で、ZIN!
 あんたはココで何してるわけ?」

『ん?』

「あぁ・・・ 口の周りクリームだらけ・・・」

『ココのパフェ美味いよ。 MAKIちゃんも食べる?』

「そんな事より今の話、全部聞いてたの?」

『聞いてはないけど、聞こえてた。』

「何であんたが私の後ろの席に座っているわけ?」

『お前が後ろに座って来たんだろ!』

「はぁ~、どっちでもいいわよ」

『あのさぁ~、言ってもいいか?』

「何?」

『お前、ホントにあの男と別れるつもりあるの?』

「どうしてそんな事聞くのよ」

『いやっ、何となく・・・』

「あんな男はもういいの!
 別れるつもりがあるから
 遥々こんなトコまで来たんじゃない!
 だけど、どうしてアンタまで連れて来ちゃったんだろう…」

『よし! ココは俺に任せろ!』

「任せろ!って、何を?」

『俺が”ガツン”と言ってやる!』

「”ガツン”って言うの?」

『”ガツン”って言う!』

「あっ! 彼が帰ってきた。
 ZINと私は知らない人! わかった?」

『”ガツン”って言わなくていいの?』

「余計な事しないで!」


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2007年9月 6日 (木曜日)

我が人生 決断の時Ⅳ

『おぉ!すげぇ~な、この旅館
 ”カコンッ”ってやつあるよ。』

「”ししおどし”ね・・・」

『おぉ!誰か出てきたぞ!』

「仲居さんね」

【お帰りなさいませ。】

『始めて来たのに”お帰りなさいませ”とは・・・
 誰かと間違えてるのか?』

「この旅館のやり方なんでしょ」

『メイド喫茶と同じ?』

「違う! ・・・けど、同じかも」

『MAKI・・・。 緊張してるのか?』

「してない!」

【お客様、お荷物は・・・?】

『えっ? あ・・・ 俺達、客じゃないんです。』

【はい?】

『あの~、ここの息子さんとお話したいんですけど・・・』

【・・・?】

『おい、MAKI!
 ここのバカ息子の名前は何て言うんだ?』

「バカって・・・ 聞こえるでしょ・・・
 もういいよ、ZIN。 あとは自分で話すから」

『そうか・・・
 わかった。 俺はロビーのトコでお茶飲んでるから。
 お茶って言ってもホントにお茶じゃないけど』

「わかった。」

『・・・・・。
 終わったら、声掛けて。』

「うん。」

『がんばれよ。』

   ・
   ・
   ・
【ご注文がお決まりになりましたら、お声を・・・】

『決まってるから!
 え~と・・・コーラと焼きそば!』

【申し訳ございません。焼きそばはご用意出来ないのですが・・・】

『焼きそば無いの? じゃあ、どうしようかな・・・
 上海風かた焼きそば!』

【かた焼きそばもちょっと・・・】

『上海風でもダメか・・・』

【申し訳ございません。】

『四川風・・・』

【ございません!】

『じゃあ、コーラだけで・・・』

【コーラでございますね。 少々お待ちください。】

『この老舗旅館は何とも言えない息苦しい雰囲気だ・・・
 焼きそばも食わせてくれないなんて・・・
 早く帰ってきて、MAKIちゃん・・・』

   ・
   ・
   ・

【お待たせしました。コーラです。】

『ありがとう。 あの~』

【はい?なにか?】

『やきそ・・・』

【ございません!】

『ですよね・・・』

   

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2007年8月 2日 (木曜日)

我が人生 決断の時Ⅲ

『潮の香り・・・ 砂浜・・・ おい、MAKI 海だぞぉ~!
 アレやろうぜ、アレッ!』

「アレって何よ!」

『”波打ち際で追いかけっこ”に決まってるだろっ!』

「いつの時代の青春ドラマよ・・・」

『バカだな・・・
 恋する男女は必ずコレをしなくちゃいけないんだぞ』

「いつから私達は恋人同士に?」

『恋人じゃないけど、恋人のフリしてくれればいいから!』

「アンタねぇ~、 何しに来たの?
 遊びに来た? 冷やかしに来た?」

『どちらでも無いぞ! MAKIを応援しに来た!』

「応援なんか頼んでないわよ」

『まぁ~そう言うなよ。
 はるばる静岡まで来たんだから!
 ETC付けてればよかったよ』

「勝手に付いて来て、何言ってるの?」

『ここまで車で連れてきたの誰だと思ってるの?
 少しくらい感謝してもね、MAKIちゃん!
 ・・・で、対象者はどこに?』

「対象者じゃないんですけど・・・
 あそこに旅館があるでしょ、わかる?」

『もしかして、あの・・・
 パッっと見ただけで、創業数十年というのがわかる
 老舗っぽい旅館の事かな?』

「そう。彼はあそこの1人息子なの」

『マジで! あそこの1人息子なの!!
 MAKI・・・俺、手ぶらで来ちゃったんだけど
 東京銘菓ひよ子とか草加せんべいとか
 買ってこなくて良かったのか?』

「ひよ子は福岡銘菓じゃなかったっけ?
 まぁ、そんなのどうでもいいけど!
 ただ少し話をしに来ただけなんだから
 そんな物はいらないわよ」

『俺・・・スーツで来ればよかった・・・
 よりによってジーパンにアロハシャツだ・・・』

「アンタは全然関係ないでしょ!
 話するのは私だけ。 
 ZINは旅館のロビーでお茶飲んでればいいから!」

『えっ!? お茶飲んでなくちゃダメ?
 砂浜でエア追いかけっこしてちゃ・・・』

「何?エア追いかけっこって??」

『エアギターみたいなものかな?
 1人で追いかけっこ!』

「好きなだけどうぞ・・・」

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2007年7月21日 (土曜日)

我が人生 決断の時Ⅱ

『えっ!? これじゃダメなの?』

【ここは社名じゃなくて代表者名と住所を書いて!】

『はぁ!? だってココに商号の名称って書いてあるよ!』

【代表者名でお願いします。】

『ダメ?』

【ダメです。】

『ホントに?』

【ホントです。】

『わかりました。ちょっと待ってください。』
   ・
   ・
   ・
「どうしたの? 中で揉めてたみたいだけど・・・」

『書類の書き方違うんだって!』

「書き直して出直して来い!って言われたの?」

『斜線引いて書き直してもいいらしいんだけど・・・』

「書き直せばいいじゃん」

『綺麗な形で仕上がった書類を出したいし・・・』

「生活安全課の中でそんな事で揉めてたの?」

『そう・・・』

「国家権力に楯突くとは・・・」

『実は・・・』

「実は?」

『カバンの中にもう一枚あるんだよね。
 書き直せって言われた書き方の書類が!』

「最初からそっちを出せば良かったじゃない。」

『わかってれば、2タイプも書類作ってこないよ。
 じゃあ、これ出してくるからもうちょっと待ってて!』
   ・
   ・
   ・

  10分後・・・

『MAKI、お待たせ! 探偵業届出証明書を貰ってきたぞ』

「そう・・・ちょっと待って」

『メールか? 誰から』

「うん・・・ ちょっとね・・・」

『MAKI・・・ お前まだ・・・』

「違うの! 休暇もらってちゃんと話してきたんだけど
 ちょっと誤解というか何と言うか・・・」

『このままじゃ仕事に集中出来ないだろっ!』

「大丈夫」

『大丈夫じゃないだろう。
 仕事の事は考えなくていいから、休んでケリ着けてこい』

「ごめん。 迷惑かけちゃって・・・」

『自分が納得出来るまで帰ってくるな!
 わかった?』

「うん・・・」



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2007年5月29日 (火曜日)

我が人生 決断の時

「ZIN、知ってる?
 来月から探偵業法っていうのが、施行されるんだって!」

『施行って何?』

「施行っていうのは、法律を実施する事!」

『ふ~ん・・・』

「”ふ~ん”じゃないわよ!
 探偵業法の事知ってるの?」

『知ってるよ。
 この前、県警の説明会行ってきたから・・・』

「え!? 私行ってないわよ」

『連れて行かなかったから』

「何、その冷めた感じ・・・
 遠いトコ見ながらタバコ吸ってる場合じゃないの!
 何で私を連れて行かなかったの、バカっ!」

『何でだろう・・・』

「イヤな感じ・・・」

『あっ、そうだ! 
 そこに水色の封筒があるでしょ。
 それ探偵業法の資料だから、目を通しておいて!』

「ZIN1人で行ったって、ろくに話聞いてなかったんでしょ。
 もう・・・ 私に内緒で行くなんて・・・
 (アレッ? ちゃんとメモとってきてる・・・
  全部ひらがなだけど・・・)
 説明会って、いつあったの?」

『一週間前かな?』

「一週間前・・・? あっ!私はその日・・・」

『MAKIちゃん。ちゃんと資料読んどいてよ』

「ZIN・・・ ありがとう」

『何が?』

「(最近余計な事言わなくなったわね、ZIN・・・
  単にZINの優しさなのか、他に理由があるのか・・・)」

『資料見てわからない事あったら俺に聞いて!』

「うん。 ・・・で、最近何かあった?」

『はぁ? いやっ別に・・・』

「ん!? 何かおかしい・・・」

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2007年3月25日 (日曜日)

ラブ・トライアングルⅩⅠ

   数日後・・・

「ただいまっ!
 依頼者に報告してきたわよ。」

『・・・・・』

「いつまで寝てるのよ。 起きろ、ZIN!」

『・・・・・
 もし、オレが百獣の王ライオンだったら
 今頃お前を喰ってるぞ!』

「あっ、そう!
 逆に捕まえてライオン鍋にでもしてやるわ!」

『オレは今、連日の調査で風邪ひいて熱があるの!
 病気の時ぐらい優しく出来ないの?』

「やっぱりあの男、同居人だったみたいよ!」

『オレの話、聞いてた? 熱、あるんだけど・・・』

「今日の夜、報告書見せて3人で話するみたいよ!」

『キビしいと思うな、あの1回の証拠じゃ・・・
 なんだかんだ言い訳して、上手く逃げそう・・・』

「私も依頼者にそう言ったんだけどね・・・」

『やっぱりあと2・3回は証拠を・・・』

「どうしたの?」

『頭がボーっとしてきた・・・』

「うわぁっ! すごい熱!」

『だから、さっきから言ってるだろ!』

「でも、同居人はどういうつもりで
 依頼者の彼女に手を出したんだろう?」

『オレの心配は無し?
 一応すごい熱があるんですけど・・・』

「そんなの”冷えピタ”張っとけば大丈夫!
 ・・・で、どう思う同居人の気持ち。
 ZINも取られた事あるんでしょ!」

『依頼者の気持ちは痛いほどわかるけど
 同居人の気持ちはね・・・
 どんな気持ちで友達の彼女に手を出すんだろう?』

「私が聞いてるの!」

『そっ、そうだなぁ・・・
 別に何とも思ってないんじゃないの?
 ”好きになっちゃったんだから、しょうがないじゃん”的な
 自分の事しか考えてない感じ・・・で、どうでしょう?』

「ZINの時もそうだったの?」

『えっ、オレの時?
 わからない・・・
 話し合う前に、2人で駆け落ちしちゃったから・・・』

「駆け落ち?
 ちょっとぉ~、笑わせないでよ!」

『全然、笑うトコじゃないんだけど・・・』

「・・・で、どうしたのその後?
 話してごらん、聞いてあげるから!」

『面白がってるだろ!
 そんなニヤニヤして聞いてるヤツに
 オレの古傷を話せるかっ!』

「大丈夫! 私、口堅いから!」

『そういう問題じゃ・・・
 もう・・・ダメだ・・・
 しばらく寝込みますので、お仕事はMAKIちゃん、よろしく・・・』

「ZIN・・・?
 ”冷えピタ”2枚にしてあげるから、話なさい!」

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2007年3月23日 (金曜日)

ラブ・トライアングルⅩ

『ハァー、ハァー、ハァー
 約束通り、追いついたぜ!』

「遅いわよ!」

『あのシビれから1分で復活するなんて、
 なかなか出来る事じゃないぞ!
 オレはたぶんサイボーグか何かだと思う。』

「調査中に足がシビれるなんて、弛んでいる証拠!」

『もう、わかったよ。
 それにしても彼女・・・
 あんなデカイ声で大笑いして、楽しい事でもあったのか?』

「酔っ払いだから・・・」

『まだ、フラフラしてるぞ!』

「ずっと、あんな感じ!
 3歩進んで2歩下がって一休みの繰り返し・・・」

『それじゃ、全然進まないじゃないか!
 でも、良かったよ。
 あ~じゃなければ追いつかなかったな、きっと・・・』

「これからどうすると思う?」

『RESTかSTAYってトコじゃないか?』

「そうね・・・
 あれを見ると帰る気なさそう・・・
 腕を組んでるというか、しがみついてるっていうか・・・
 でも、ZINから英単語が出てくるとは思わなかった!」

『オレをバカにするな!
 毎日”えいご漬け”をやってるからな!』

「ゲームじゃない・・・」

『って言うか、もうこの辺はそんな英単語と金額が
 いっぱい書いてあるだろう!』

「いつの間に・・・」

『MAKI! カメラ、カメラ!! 2人、入るぞ!』

「任せて! ZINは?」

『言われなくても撮ってるよ!』

「さすが!」

   ・
   ・
   ・

「ZIN、上手く撮れた?」

『当たり前だろ!
 まぁ、予想通りの展開ってトコだな・・・』

「また、2人が出てくるまで張り込むのね・・・
 ♪プルルルル~、プルルルル~♪
 あれっ、依頼者から電話だ!」

『いいタイミングで電話着たな!?
 早く出なさい!』

「言われなくても出るわよ。」

『じゃあオレ、コーヒー買ってくるから!』

   ・
   ・
   ・

『ホラッ、コレMAKIの! 温かいぞ!
 真冬の缶コーヒーには神様が宿っているな!
 ・・・で、何て言ってたの、依頼者?』

「同居人の友達から”今日は帰らない”って
 連絡があったんだって!
 もしかしたら彼女とどこかに泊まるんじゃないか?って!」

『オレらは、その同居人の顔を知らないから
 100%とは言えないけど・・・
 電話のタイミングと内容からして、
 彼女と一緒なのは、その同居人っぽいな!』

「残念だけど、私もそう思うわ・・・
 調査が終わって、報告書を渡せばハッキリするわね。」

『大丈夫か? これで朝まで張り込み、ほぼ決定だぞ!』

「寒いけど頑張る!」

『このマフラーも使えよ。』

「ありがとう。 でも、いらないわ。」

『何で!?』

「臭いから・・・」

『臭い!?
 オレはまだ加齢臭、出てないぞ!』


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2007年3月21日 (水曜日)

ラブ・トライアングルⅨ

「ほら彼女、トイレから出てきたわ。
 私の思った通り!」

『ベロンベロンじゃなくて、ベロンぐらいになったな!』

「そんな彼女の酔っ払い度チェックはいいから
 2人を追いかけるわよ!」

『待て!MAKI!』

「どうしたの?」

『問題発生だ!』

「えっ? 問題発生?」

『足がシビれて動かない・・・』

「こんな時に何いってるのよ。
 早くしないと2人、どこか行っちゃうよ!」

『どうなってるんだ、これ!
 オレの足じゃないみたいだ!』

「そんな事知らないわよ。 早く何とかしなさいよ!」

『何とかしろって言ったって・・・
 お前がこんな狭い所に引き込んだのが悪い!』

「ダメだ、もう間に合わない! 見失っちゃうわ。」

『お前だけでも早く・・・』

「ZINを置いて行けるわけないでしょ!」

『この症状だと、オレはもう長くはない・・・
 オレの事はいいから、あの2人を追うんだ・・・』

「そんな事言わないで・・・
 ZIN、しっかりして! 目を開けて、ZIN!」

『MAKI・・・ 後は・・・ 任せた・・・ ぞ・・・』

「ZIN? ZIN、返事して! ZI~~~N!!!
 って、バカ!! 足がシビれてるだけでしょ。
 こんな時にノリツッコミさせないでよ!
 引きずってでも、連れて行くわよ。」

『痛っ!
 MAKI、そんなに引っ張るなよ。
 ホントに足の感覚ないんだから・・・
 一歩踏み出す度にビヨーンビヨーンって変な感じがする。』

「ちゃんと歩けてるじゃない!」

『これを歩いてると言えるのか?
 月面を飛び跳ねてる宇宙飛行士みたいな感覚なんだぞ!
 オレに1分だけ時間をくれ!
 必ず追い付くから!』

「しょうがないわね・・・
 1分だけよ、絶対追い付いてきてよ。」





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2007年3月20日 (火曜日)

ラブ・トライアングルⅧ

『くそぉ~、アイツらドコに行った?』

 ♪プルルルル~、プルルルル~♪

『MAKIだ!
 おい、今ドコにいるんだよ! 早く戻って来い!』

「彼女今、トイレに入ったわよ!」

『確認したなら、もういいよ。
 この建物、出入り口1ヶ所しかないから、外で待とう。』

「大丈夫よ! いい隠れ場所見つけたから!」

『そういう問題じゃなくて・・・
 私服で調査しているオレ達が、警備員に見つかったら
 面倒臭いんだよ!』

「見つかんなきゃいいんでしょ!
 じゃあまた後で電話するから!」

『おい、MAKI、電話切るな! 早く戻ってこ・・・
 ったく、勝手な事ばっかりしやがって!
 はぁ~、早く見つけないと・・・』

   ・
   ・
   ・

『MAKIちゃんは、一体ドコでかくれんぼしてるのかなぁ~
 んん!? あそこにいるのはあの男!
 ・・・と、いうことは彼女はまだトイレの中。
 そしてMAKIは、この近くに隠れてる!?』

「ZIN! こっち、こっち!!」

『こんな所に・・・』

「ココ、穴場でしょ!」

『一言、言っていい?』

「何?」

『オレ、参上!!』

「何それ? 偉そうに・・・」

『あれっ、反応悪いね?
 もしかして、仮面ライダー見てないの?』

「見てないわよ、そんなの!」

『それじゃあ~、わかんないか!
 ・・・で、MAKIちゃんはココで何をしてるわけ?』

「張り込み!」

『ドラマじゃないんだから、こんな物陰に隠れて
 張り込みをする探偵なんていないぞ!
 ”家政婦が見た”みたいになってるじゃん!』

「そんな事いいから、ZINも早く隠れて!
 もうそろそろ出てくると思うから!」

『あ~あ・・・
 結局、オレも隠れるのか・・・』

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2007年3月17日 (土曜日)

ラブ・トライアングルⅦ

 約3時間後のPM10:00

『はぁ~、もうすぐ3時間かぁ・・・』

「寒空の下、3時間・・・ 立っているだけは辛いわね。」

『”3時間” カップラーメンだったら60コ出来るぞ!』

「熱湯3分のヤツだったらね! 5分のヤツだったら?」

『えーと、
 5分のヤツだったら10分で2コ、1時間で12コだから・・・』

「そのくらいパッと出来ないの?
 高校出てるんでしょ!」

『寒くて頭が回らないんだよ!
 それに高校って言っても工業高校だし。』

「そんな事言ったら、全国の工業高校卒業生から
 苦情くるわよ!」

『在校生からは?』

「在校生からもくるわよ!」

『そっか・・・
 それはヤバイなぁ・・・』

「卒業生だけだったらいいわけ?」

『おい、MAKI! 出てきたぞ、2人!』

「えっ! ホントだ!
 でも何アレ!? 彼女ベロンベロンじゃない!」

『3時間前の面影、まったく無いなぁ~。
 あれじゃ、ドリフの酔っ払いコントと同じだぞ!』

「早く尾行しましょ!
 やっと、この場から動けるわ!」

『MAKI、冷静になっ!』

「わかってるわよ」

『この方向だと駅方向に向かっているけど、帰るのか?』

「このまま帰るとしても彼女、アレじゃ1人で帰れないでしょう」

『ん!? 2人、オフィスビルに入ったぞ!』

「大丈夫! 今度は私に任せて。 行ってくる!」

『おい、待てよ。 
 もう少し様子を見てからで・・・。 MAKI!
 (こんな夜にオフィスビルに入るのは・・・
  もう、しょうがないなぁ~・・・)』

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2007年3月15日 (木曜日)

ラブ・トライアングルⅥ

『あの男って、依頼者の同居人?』

「わかんない。
 写真とか見せてもらってないから・・・」

『そうなの?
 まぁ、尾行すればわかるよな!
 アイツが何者かって事は!』

「あっ、ZIN!
 2人、あそこの角を曲がったわ。急いで!」

『わかってるよ! MAKIも遅れるなよ!』

「いない・・・ いないわよ、ZIN! ドコ行ったんだろう?」

『いないわけないだろっ、落ち着け!
 落ち着いて周りを良く見れば、見つかるから!』

「この人ゴミじゃぁ・・・」

『大丈夫、諦めるな!
 絶対見つかるから、落ち着いて周りを見るんだ!』

「でも・・・」

『いたぞ! あのビルのエレベーターに乗ろうとしている!
 MAKIはココで待ってろ、オレが行ってくる!』

「ZIN・・・」

   ・
   ・
   ・

『さっきは危なかったな!
 曲がった先の道があんなお祭り騒ぎになってるとは
 思わなかったよ!』

「・・・で、どうだったの?」

『えっ?ああ・・・
 5Fにある居酒屋に入ったよ。
 1・2時間は出て来ないだろうな!』

「ごめんね、ZIN・・・」

『何が?』

「あの・・・ 取り乱しちゃって・・・」

『取り乱すのが普通だよ、あの状態じゃ誰でもね!
 調査失敗っていうプレッシャーがいきなり襲ってくるから』

「何でZINは、落ち着いていられるの?」

『ん~。 普通じゃないからかな!』

「いつも一緒にいるから、普通じゃないのは知ってるけど・・・」

『それって、”変”ってこと?
 でも、いつも冷静でいるように心掛けてるよ。
 心の中では焦っていても!
 ケンカだってそうだろ、熱くなった方が負ける!
 ポーカーフェイスって言葉は、
 オレの為にあるんじゃないかな?』

「それは無いわ!」

『えっ!?』

「アンタが誤魔化そうとしたり、嘘ついても
 私はすぐわかるわよ!」

『なんで? どうやって見分けてんの? 癖とかある?』

「あれっ!? いつも冷静でいるんじゃなかったっけ?
 (誘導尋問に弱いの気付いてないみたいね・・・)」

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2007年3月14日 (水曜日)

ラブ・トライアングルⅤ

「(ZINに何か話しかけてる・・・の? どういう事?)」

『(オレの隣に立っていた男が
 待ち合わせ相手だったとは・・・
 MAKIとの話を全部聞かれていたかもしれないし
 カメラは完全に見られてる・・・)』

「(彼女、怒っているように見えるけど・・・
 ZIN、大丈夫なのかな?)」

『(隣の男、スゴい勢いで怒られてるし、謝っている。
 約束を守らないから、そうなるんだよ・・・
 面白いね~、他人のケンカは!
 しかし…MAKIはこの状況を把握出来てるのか?)』

「(彼女、なんであんなにZINを怒ってるの?
 ZINから何にも合図は無いし・・・
 何もわからない・・・
 よし! ZINのトコに行ってみよう!)」

『(ん!? MAKIが動いた!
 アイツが対象者に向かってくるなんて珍しい。
 今日のMAKIは、やる気が違うなぁ~!)』

「(えっ!? そうだったんだ・・・
 ZINが影になって全然見えなかった・・・)」

『(やっと、お隣さんのケンカが終わった・・・)
 おいMAKI! 早く来い!』

「私、ずっとZINが怒られてると思ってたよ。
 何で教えてくれないの?」

『連絡出来るわけないだろ!
 すっと真横にいたんだから。
 近過ぎて2人一緒のトコ、カメラに入りきれなかったよ』

「それなら離れればいいでしょ!
 私は最後の方だけ2人を撮れたわ。
 誰かさんがずっと邪魔してたから!」

『別に邪魔してたわけじゃないだろ!
 さて、役者は揃った! 尾行再開!』

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2007年3月13日 (火曜日)

ラブ・トライアングルⅣ

 PM7:00

『長げぇ~よ!コーヒーショップで1時間?
 オレだったら、飲んで食べてすぐ出てくるよ』

「私はスタバで1時間なんて普通に過ごせるけど・・・」

『信じらんない・・・コーヒー1杯でずっといる人!
 オレは我慢出来ないな。』

「我慢してるわけじゃないわよ。
 ドリンクバーならいいの?コーヒー1杯じゃなくて?」

『そういう問題じゃなくて・・・
 でも彼女、ホントにココで晩飯食べてると思う?』

「私は待ち合わせだと思う。
 これから飲みに行くのに、
 少しお腹に入れておこう!ってね。」

『そっか・・・
 まぁオレらも、いつの間にか待ち合わせを
 しているであろう人々に囲まれてるし・・・』

「ZIN!」

『何?』

「階段! 彼女、降りてきたわ!」

『さて、このまま帰るのか?
 それとも、誰かと会うのか?』

「楽しそうね、ZIN!」

『楽しくはないけど、興味はある!』

「店から出てきたわよ。
 あれっ? 彼女、こっちに向かって来てない?」

『来てる・・・し、オレの事すごく見てるような気がする・・・
 なぁ、MAKI。 オレ、何かしくじったっけ?』

「もしかして、私がお店の中を見に行ったのが原因?」

『どうだろう?
 まぁ、こういう時は前向きに考える方がいい!
 きっとオレの事、逆ナンしようとしてるんだ!』

「バカじゃないの!?
 よくこの緊急事態にそんな発想出来るわね!」

『とりあえず、MAKIはオレから離れろ!
 それと撮影よろしく!』

「わかったわ。無理しないで!」

『(MAKIを落ち着かせる為に、あー言ったものの、
 何でこっちに向かってくるんだ?
 オレもこの場から離れた方がいいのか?
 どうする? オレ??)』

「(ZIN、ホントに残っていていいの?
 彼女は・・・
  えっ!? ZINに手を振ってる!なんで?
 ZINは・・・
  迷ってる・・・手を振り返そうか迷ってるし困ってる・・・
 ちょっと面白いかも!)」

『(何でお前はオレに手を振ってる? 
 オレはお前の知り合いじゃね~ぞ!
 こうなったら、とりあえずギリギリまで撮影してやる!
 残り距離
    3m・・・   2m・・・   1m・・・   来た!)』

【遅いよ! 1時間以上も待ったわよ!】

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2007年3月11日 (日曜日)

ラブ・トライアングルⅢ

 PM6:00

『危ない、危ない!
 雪崩の様な人ごみの中で、よく見逃さなかったよ』

「でっかいビルだったからね」

『しかし・・・
 会社帰りに駅前のコーヒーショップか・・・
 誰かと待ち合わせしているのか?』

「依頼者とは会う約束してないみたいだけど!」

『MAKI! ちょっと店の中、見てきてくんない?』

「何で私が?」

『暇だろっ!』

「”暇だろっ!”って、何よ! アンタも同じじゃない!」

『オレが動くと場面が変わる・・・』

「なに哀川翔みたいな事言ってるのよ!」

『出口を見張っているのも大事な仕事なの!
 いつもオレの後ろにいるんだから
 たまには、自分の姿をさらしてきなさい!』

「もう~、わかったわよ。」

   ・
   ・
   ・

『どうだった?』

「2階席にいた。」

『・・・で?』

「それだけ。」

『それだけ?
 誰かと一緒にいたとか、そういう報告はないの?』

「ない!」

『怖いよ、MAKIちゃん・・・ スマイル スマイル!!
 せっかくの美人が台無しだよ』

「嘘ばっかり! そんな事絶対に思ってないでしょ」

『そんな事ないよ』

「ホント!」

『・・・・・。』

「なにか言いなさいよ」

『ここで晩飯食べて帰るのか?』

「そ~じゃなくて、私に対して何かないの?」

『そーやって、すぐ怒らなければね、MAKI。』

「えっ!?」

『怒ってる顔より笑顔の方が好きだな・・・オレは。』

「そっ、そう・・・なの?」

『嘘に決まってんじゃん!』

「もう~、照れなくていいのよ!
 たまには素直になりなさい。ZINくん!」

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2007年3月 9日 (金曜日)

ラブ・トライアングルⅡ

『しかし、こんなでっかいビルに勤めてるとは・・・
 いい大学とか出ちゃってるわけ? 彼女・・・』

「派遣さんらしいわよ」

『派遣さんかぁ~
 出会いのキッカケは多そうだな!』

「でも、私はヤダなぁ~。
 職場に慣れたと思ったら、また新しいトコに行くんでしょ?」

『そんなペースで、変わるものなのか?
 派遣って?』

「わかんない」

『適当に言うなよ。
 オレだったら、この会社で派遣じゃなくて
 特命係長をやりたいよ!』

「どうせ、エッチな事考えてるだけでしょ!」

『そんなんじゃなくてさぁ~
 昼は窓際係長、夜は会長直属の特命係長なんだぜ。
 カッコいいと思わない?
 名前も同じ”ジン”だし!』

「”ジン”じゃなくて”ヒトシ”でしょ、只野さんは?」

『”ヒトシ”って言うのはアダ名。
 本名は”ただの じん”っていうんだよ。
 社員番号0005235 只野仁 TADANO JIN
 って社員証に書いてある。』

「詳しすぎる・・・ ただのヲタクじゃない!
 どっちでもいいわよ、そんな事!」

『どっちでもよくない!』

「わかったわよ・・・ 只野ジンね・・・」

『わかればよろしい!』

「ほら、あれ見て!
 ぞろぞろと退社し始めたわよ、特命係長さん!」

『よし、絶対見逃すなよ、森脇!』

「(なりきってるのね、特命係長に・・・
 やる気出してくれるんだったら、まぁいいか!)」

 

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2007年3月 8日 (木曜日)

ラブ・トライアングル

『どうなってるんだよ、これっ!』

「知らないわよ。早く何とかしなさいよ!」

『何とかしろっって、言ったって・・・』

「ダメだ、もう間に合わない!」

『お前だけでも早く・・・』

「ZINを置いて行けるわけないでしょ!」

『MAKI、後は任せたぞ・・・』

「ZIN?
 ZIN、返事して!
 ZI~~~N!!!」

   ・
   ・
   ・

 5時間前のPM5:00

「男の嫉妬って、見苦しいと思わない?」

『嫉妬っていうのは、男も女も関係ないの!
 オレはすごく嫉妬するタイプだし・・・』

「キモイ・・・」

『”キモイ”という一言で片付けるなよ。
 そういうMAKIはどんなんだよ?』

「私は一切嫉妬しない。
 嫉妬なんかする前に切り捨てるから!」

『かわいそうに・・・
 親の愛情に恵まれなかったんだな・・・
 だから、こんなヒネくれた性格に!』

「誰がヒネくれてるって?」

『いや、別に誰の事でも・・・』

「でも、同居している男2人が
 同じ女性を好きになってしまうとは・・・」

『いきなり調査の話? まぁ~いいけど・・・』

「同居している友達が、
 友達の彼女を好きになってしまった・・・
 良くある話よね。」

『良くある話?
 お前もそういう経験あるのか?』

「お前もって・・・ ZIN、もしかして・・・!」

『あるよ! 大ありだよ!
 今でも思い出すと頭に来る!』

「取られちゃったの?」

『ああ、取られたさっ。 見事に惨敗さっ。
 マメな男に自分の彼女を持っていかれたよ。
 思い出だけ残して・・・
 一緒に持って行ってくれれば、どんなに楽だったか・・・』

「じゃあ、依頼者の気持ち、痛いほどわかるって感じ?」

『まだ依頼者の場合は、
 同居してる相手が怪しいってだけだろ!
 相手を特定するのが今回の調査なんだから!』

「ホント、ZINってバカね・・・」

『”バカ”って言うな! 
 あ~ぁ、調査の前に嫌な事思い出しちまったぜ』

「ちゃんと、調査に集中してよ!」

『お前が、ほじくり返したんだろうがっ!』



 

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2007年2月 1日 (木曜日)

Connect The Dots ⅩⅢ

「確かめるって、どうやって?
 IDとパスワードがわからないと、ログイン出来ないでしょ!」

『ログインする必要ないよ。コレを見なさい!』

「ログインされてる!」

『って言うか、奥さんがパソコン使えないと思ってるから
 パソコンに記憶させてログアウトとかもしないんだよ。
 セキュリティーの事考えてないんだね、全然!』

「そんな解説いらないから、早くメール見ようよ」

『では、奥さん!
 ココをクリックするとメールが確認出来ますので
 続きは奥さんが・・・・・
 って、いないじゃん!』

「あれっ、どこに行ったんだろう?」

【呼びました?】

『”呼びました?”じゃないですよ!
 何をやっているんですか?』

【ちょっと、洗濯物を・・・】

『洗濯物を取り込んでいる場合じゃないですよ!』

「(マイペース過ぎる・・・)」

『旦那さんが使っているメールを発見しました。
 まだ確認していないので、奥さんがお願いします』

【わかりました。
 ・・・で、どこをどうすればいいのでしょうか?】

「”メール”という文字の所をクリックしてください」

【ポチッ!】

『(また言った!)』

「(癖なんだから、そっとしておきましょう!)」

【あっ!!】

『どうしました?』

【”メッセージはありません”って、出てるんですけど・・・】

『新着メールは無いって事ですね・・・
 え~と、左側にある”さなえ”って名前のフォルダを
 開いてみましょうか!』

「怪しすぎるし、わかりやすいフォルダ名ね・・・」

【コレがあの・・・ やっぱりメールが・・・でも・・・】

「深呼吸しましょうか!少し落ち着きましょう!」

『中を確認するまではハッキリ言えませんが
 奥さんが想像しているメールが詰まっていると思います。
 大丈夫ですか?』

【・・・・・
 はい、覚悟は出来ています】

「勇気を出して!」

【大丈夫です。
 ココをクリックすればいいんですね!?】

『はい・・・』

   ”カチッ!!”

   ・
   ・
   ・
『今日の調査、無事に終わったな』

「そうね」

『浮気のメールは押さえられたけど
 あの時奥さん、言葉が出なくなってたな・・・』

「覚悟はしてたけど、ショックなのよ!
 しかも、楽しそうに写っている2人の写真付きもあったし・・・」

『あのメールだけで、本人たち自作の報告書が出来ちゃいそう…』

「でも、男って何で浮気するんだろう?
 あんなイイ奥さんがいるのに・・・」

『はあ? 何でオレの顔見ながら言うの?
 オレは浮気はしないし、したことありません!
 って、なんでオマエに言い訳しなきゃいけないの?
 女が浮気している調査も散々してるだろっ!』

「女の場合は”浮気”じゃなくて”本気”だからいいの!」

『なんだよそれ!そういうの屁理屈って言うんだぞ!』

「女の子とアイドルはオナラはしません!」

『屁理屈って意味知ってる?』

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2007年1月31日 (水曜日)

Connect The Dots ⅩⅡ

「今の質問で何かわかったの?」

『わからない!』

「そんな自信満々に言わないでよ。
 じゃあ、パソコンで確かめたい事って何なの?」

『奥さんがあんなに疑ってるんだ。きっと何か出てくる!
 探偵のカンってヤツかな!』

「さっきから”女のカン”とか”探偵のカン”とか、そんなのばっかり…
 具体的に”コレだ!”っていう調査方法はないの?」

『我が生涯に一片の悔いなし!!』

「えっ、何? 突然何言い出した!?」

『ラオウの言葉だ!』

「なんで今、ラオウが出てきた?」

『どんなことでも終わりがある。あのラオウにだって・・・』

「マンガでしょ」

『だから、1つ1つパズルのピースをハメてけば
 この調査も終わらせることが出来る!』

「この調査とラオウの言葉がどう繋がるかわからないけど
 あなたの”カン”を信じて、少しずつ整理していきましょう」

『ああ・・・
 まず、一番気になる所は、証拠が出てこないけど
 奥さんが浮気していると言っている事だ』

「たぶん、私たちに言っていない情報を持っているのね」

『状況証拠だけだから、物的証拠が欲しくて
 今回依頼してきたってトコかな!?』

「仮に浮気をしているとして、連絡を取る方法は
 やっぱり携帯だよね」

『先入観は良くない!
 いつも堂々と奥さんの目に入る場所に置いてるんだぞ!』

「もしかして、もう一つ携帯を持ってるとか・・・」

『あの奥さんなら見つけてるだろうなぁ~。
 もう一つあったとしたら!』

「浮気してる人って、相手には”連絡するな!”って言うもんじゃない?」

『用事がある時は、コッチから連絡するって?』

「でも女って、そう言われてても連絡しちゃうものなんだけどね」

『そうなの?』

「そうなの!」

『怖いねぇ~』

「携帯やパソコン以外で連絡取る方法はないの?」

『鳩!』

「バカじゃない」

『モールス信号!』

「ありえない」

『のろし!』

「消防車が来ちゃうわよ」

「忍者!」

「人件費の無駄」

『じゃあ、何なんだよ』

「わからないわよ。
 やっぱり、電話してないんならメールしかないと思うけど・・・」

『メールねぇ~。
 携帯とパソコン以外のメール・・・
 携帯とパソコンのメール・・・』

「携帯とパソコンで使えるメール!?」

『そんな事言ってないよ!
 ・・・あっ! フリーメール!!』

「フリーメール?」

『Yahooフリーメールのアプリをダウンロードすれば
 携帯でも使える!』

「リアルタイムに着信の確認は出来ないけど、
 メールは見つかりにくいわね」

『確認してみよう!これしかないだろう!!』

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2007年1月26日 (金曜日)

Connect The Dots ⅩⅠ

『ではまず、最初の質問です。
 旦那さんは携帯電話とパソコン、
 どちらを使用してる事が多いですか?』

【どちらかと聞かれると携帯の方ですかね・・・】

『2番目の質問です。』

「(クイズ番組みたいになってきたよ)」

『旦那さんは家の中で携帯電話を肌身離さず持っていますか?
 例えば、トイレの時とか・・・お風呂に入る時は隠しているとか・・・』

【それはまったく・・・
 いつもリビングのテーブルの上とか、無造作に置いてあります】

『3番目の質問はコレです』

「(えっ、コレって何? 次はVTR問題?・・・)」

『電話やメールの着信は、頻繁にありますか?』

「(・・・じゃないのかよ!)」

【ありませんけど・・・
 そう言われると暇があるとメールの確認をしてる感じに見えます】

「(”メールの確認をしてる感じに見える”?って
 どういう感じなんだろう・・・)」

『それでは最後の質問です』

「(出た!やっぱり最後は得点が2倍に!!)」

『”女のカン”って、当たると思いますか?』

「(その質問、参考になるの?)」

【えっ、”女のカン”ですか?
 ん~・・・
 そんな言葉があるくらいですから、当たるんじゃないですか?】

『わかりました。』

「(何が!?)」

『旦那さんのパソコンを使って、
 確かめたい事があるんですけど、いいですよね?』

「”使ってもいいですか?” でしょ!」

【さっきメールを調べた時は何も出なかったんですよね?
 ・・・・・。
 他に調べる事があるなら、どうぞ。 おまかせします。】

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2007年1月25日 (木曜日)

Connect The DotsⅩ

   1時間30分後・・・

【意外とパソコンって簡単ですね!】

「携帯電話を使いこなしていれば、難しくありませんよ。
 携帯電話の操作の方が面倒くさいですから・・・」

【疲れた・・・ MAKIちゃん、あとヨロシク・・・】

「まだ疲れたなんて言わせないわよ!
 ホラッ、気を引き締めて!これからが本番でしょ!!」

『学校の休み時間って
 生徒の為じゃなくて先生の為にあるんだな・・・
 先生の大変さがわかった気がする・・・』

「パソコンが使えるようになって、楽しんじゃってるけど
 ZIN、ちゃんと説明しなさいよ!」

『わかってるよ!
 あの~奥さん、ちょっと僕の話を聞いてくれませんか?
 今メールソフトの操作を教えながらサラッと流しちゃいましたけど
 旦那さんの受信メールをチェックして
 怪しいメールはありませんでした・・・よね?』

【えっ、そん・・・ そんなはずは・・・
 携帯のメールじゃなければ、パソコンしか・・・】

『最近旦那さんの携帯は調べましたか?』

【毎晩あの人が寝ている時に・・・】

『毎日ですか? それで・・・?』

【何もありません・・・】

『そうですか・・・』

「何か考えはあるの、ZIN?」

『いくつか質問したい事があるんですけど、よろしいですか?』

【はい・・・】


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2007年1月23日 (火曜日)

Connect The DotsⅨ

【次は何を押せば・・・?】

『しばらく、そのまま何も触らないでくださいね。
 そんなに焦らなくてもいいですから!』

【ちゃんと教えてくださいね。壊しちゃったら大変!】

「そんな簡単には壊れませんよ。
 落としたりお水を掛けたりしない限りは!」

『それではパソコンの操作をして行きましょうか!
 まず最初にメールソフトを起動してください』

【え~と・・・ 起動ってどうすれば・・・】

『(忘れてた・・・)』

「(そこから教えなくちゃいけないのね・・・)」

『ゆっくり覚えて行きましょうね。
 これは”マウス”って言うんですけど、この”マウス”を右手にもって
 画面のカーソルを動かします。』

【わぁ~、動いた!】

『動きましたよね。
・・・で、そのカーソルをこのメールソフトのアイコンの所まで
 動かしてください。』

【アイコン?】

『え~と・・・ このメールのマークの所に・・・』

【あの・・・】

『何でしょう?』

【パソコンが邪魔で、もう左に動かせないんですけど・・・
   どうすれば?】

『そういう時は、一度マウスを浮かせて
 右側の空いているスペースに!
 そうすればまた左側に動かせるでしょ!』

【あっ!ホントだ!!】

「(ZIN、大丈夫?
 このままじゃ、調べ終わる頃には旦那さんが帰ってきちゃうよ)」

『(そうだね・・・
 たぶん次は”クリック”って言葉が通じないと思う・・・)』

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2007年1月19日 (金曜日)

Connect The DotsⅧ

そして、3日後・・・

『旦那さんの様子に何か変わったことはありませんでしたか?』

【はい、いつも通りです。】

『じゃあ、大丈夫ですね!』

「何が?」

『”何が?”じゃないよ!
 パソコン触ったのバレたら、仕事がしにくくなるだろっ!』

「そのくらい、私にもわかるわよ」

『じゃあ、聞くなよ!』

「は~い、わかりましたぁ~!」

『(コイツ、絶対邪魔しに来てる・・・)
 では、早速ですが・・・
 僕が操作の指示を出しますので、奥さんが操作してください』

【えっ! 私がですか!?】

『大丈夫! パソコンなんて簡単ですよ。
 それに少しは使えるようにならないと
 時代に置いて行かれちゃいますよ』

「(ZINがやってあげればいいんじゃないの?)」

『(奥さんがパソコン使えない事をイイことに
 ネットの世界で羽伸ばしちゃってる感じだろっ!)』

「(なるほどね! 奥さんがパソコン使えるって分かったら
 これからは、悪さ出来なくなるってことだね!)」

『では勉強がてら、パソコンを操作してみましょう!
 MAKI、オレのノートパソコンの準備は?』

「OK!」

『では、このボタンを押して電源を入れてみましょう!』

【このボタンですか? ポチッっと】

「”ポチッ”って言わなくても・・・」

【ごめんなさい。つい癖で・・・】

『(癖って・・・ 普段どんな時に言ってるんだ・・・?)』

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2006年12月27日 (水曜日)

Connect The DotsⅦ

「”友達”フォルダに入っているメールの送信者は
 みんな男性のようですね」

『メールの内容を見ても、女性ではないようです。』

【友達といっても、仕事関係の人たちですね、これは・・・
 全員、私も知っています。】

『そうですか・・・
 旦那さんは、学生時代の友達と連絡を取っていないんですか?』

【携帯のメールや電話で連絡を取っていると思います。
 頻繁に携帯はイジっていますから!】

『携帯電話は調べたと言っていましたね。
 証拠が無いから、パソコンの調査を依頼したと・・・』

【はい、そうです。】

「では、最後に”登録”フォルダを調べてみましょう!」

【お願いします。】

『この”登録”フォルダのメールは、
 サイトの会員登録をした時のメールみたいです。
 NECとかEPSONとか!』

【EPSONって何ですか?】

『EPSONというのは、パソコンの横にあるプリンターのメーカー
 NECというのは、旦那さんが使っているパソコンのメーカーです』

【出会い系サイトの登録メールは無いんですか?】

「メールを全部確認しましたけど・・・」

『送信メールも怪しいメールは1つもありませんね・・・』

「ZIN、他になにか出来ないの?」

『例えばの話ですけど、女性とやり取りしたメールは
 削除しているのかもしれません。
 2・3日、このノートパソコンを使って監視してみますか?』

【私がですか? パソコン使える自信が無いんですけど・・・】

『わかりました。
 今日、このノートパソコンには旦那さんのメールが
 受信できるように設定しました。
 これから、もうちょっと設定を変更しますので
 3日後また一緒にメールの確認をしましょう』

「設定を変えるって、何するの?」

『メールアカウントの設定を変更するんだ!』

「ノートパソコンの?」

『いや、旦那さんの方も!
 ”サーバーにメッセージのコピーを置く”にチェックして!』

「これをやると、どうなるの?」

『簡単に言えば、メールを受信してもサーバーに残る!』

「いまいち意味が分からないんだけど・・・」

『旦那さんがメールを受信しても、サーバーに残ってるから
 あとで、ノートパソコンでも同じメールが受信できる。
 理解できた?』

「まぁ、なんとなく・・・」

【でも、そんなことして夫にバレませんか?】

『大丈夫ですよ!
 あんなトコ確認する人いませんから!
 一つ先に言っておくことがあるんですけど・・・』

【はい】

『この方法だと、受信メールは確認出来ても
 送信したメールは確認出来ませんから!』

【送信メールを確認したい場合は?】

『また今日みたいに、データを移すか
 直接旦那さんのパソコンで確認するしかありません。』

【わかりました。
 では、また3日後によろしくお願いします】

「はい、では今日はこれで失礼します。」

  ・
  ・ 
  ・
『ふぅ~、やっと事務所に帰ってきたな』

「私思ったんだけど・・・」

『何?』

「データを移し変えたりする必要あったの?」

『今後のメールを受信する為に
 メールアカウントはコピーする必要はあったんだ。』

「サーバーにコピーを置くってやつ?
 最初から、そこまで考えてたの?」

『そう!
 あと、旦那さんの部屋の感じ見て、気付かなかった?』

「何を?」

『旦那さん、凄く几帳面な人だと思うんだ。
 だから、もし、パソコンを誰かがイジったと感じたら・・・』

「感じたら?」

『今までのメールが見たくても、見れなくなるかもしれない
 と、思ってね!』

「消しちゃうって事?」

『どうだろう?
 おれにはわからないけど、最悪全部削除しちゃうかもね!』

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2006年12月25日 (月曜日)

Connect The DotsⅥ

「”とりあえず”て、どういう事?」

『今、移し替えたメールは見れるってこと!
 受信してないメールは、もうちょっと待ってて』

「今受信しちゃうと問題があるの?」

『ちょっと問題あるかな!
 俺のノートPCの”Outlook Express”を起動してみて!』

「わかった。
 それでは、いきます!! ”MAKIちゃ~ん、クリックっ!!”」

『普通に出来ないの?』

「あっ!旦那さんのパソコンと同じ設定になってる」

『俺の聞いた事は・・・シカト?』 

「旦那さんが作った受信トレイのファルダもまったく一緒!」

『まだやる事あるんだよ。
 アドレス帳とメールアカウントをインポートして・・・
 これでOK! ん?依頼者さんはドコ行ったの?』

「わからない・・・ 私ちょっと探してくるね」
   ・
   ・
   ・
【すみません。 ちょっとお茶を入れに行っていたもので・・・】

『いえ、そんな、お構いなく!
 一応、旦那さんのメールは全部、こちらのノートPCに
 移しました。
 ご自分でチェックしてみてください。』

【え~と・・・ これは、どうすればいいんですか?】

『あっ! パソコンの使い方、わからないんでしたね。
 ごめんなさい』

【はい・・・】

『では、奥さんの立会いの下、僕たちが操作します。
 MAKI、お願い!』

「それでは、受信メールから調べますね!」

『受信メールのフォルダは全部で3つ。
”仕事”・”友達”・”登録”というのがあります。』

【”仕事”のフォルダから順番に見せてください】

「わかりました。 え~と、このフォルダに入っているメールは
 フォルダ名のとおり、仕事関係のメールみたいですね。
 添付ファイルのWord・Excelも仕事で使うモノみたいですし・・・」

【じゃあ、次の”友達”のフォルダを見せてください】

「わかりました」

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2006年12月23日 (土曜日)

Connect The DotsⅤ

『あとは、このソフトに入っている送受信メールを
 ゴッソリ頂くだけ!』

「わぁ~、なんかルパンみたいだね」

『じゃあ、MAKIは不二子ちゃん?』

【あの~・・・ いつになったらメールが見られるんですか?】

『もうすぐ見れますから・・・
 MAKIのせいで怒られちゃったじゃないか!』

「私のせい?
 さっさとやりないさいよ!まったくトロいんだから・・・」

『オマエがルパンみたいとかって言うからだろっ。
 よ~く見てろよ、ゴッソリ頂くから!』

「わぁ~、ルパンみたい」

『もういいよ、それは・・・』

「冗談よ。 ・・・で、どうやってゴッソリいくの?」

『C:\Documents and Settingsの中にある
 ”Outlook Express”のファルダを丸ごとコピーさせて頂きます。』

「でも、このフォルダの中にあるアイコン、開けないわよ」

『このままじゃね!』

「さっきエクスポートしたヤツとかも、どうするわけ?」

『MAKI、オレのノートパソコンの電源入れて!』

「入れたわよ!」

『それでは、これから仕上げに入りたいと思います』

「仕上げって・・・ まさか!」

『そう、そのまさかだよ!
 オレのノートPCに入っている”Outlook Express”に
 今引き抜いたデータと全部入れ替える。』

「なんだぁ~、私が思ってたのと違う・・・」

『えっ!? MAKIが言ってた”まさか!”って何だよ?』

「別に・・・ もういいから進んで!」

『ホント、自分勝手な奴だなぁ~。
 え~と・・・この”Outlook Express”のデータを入れ替えて・・・
 OK!これで終了!!』

「じゃあ、これでメールを見れるのね!」

『とりあえずは・・・・・ね!』

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2006年12月22日 (金曜日)

Connect The DotsⅣ

『メールソフトは、”Outlook Express”を使ってるみたいだ』

「私と同じやつだ!・・・で、これからどうするの?」

『このパソコンで色々イジってもいいんだけど・・・』

「いいんだけど!?」

『このソフトのデータ、全部パクる!』

「えっ!? そんな事出来るの?」

『やり方、知りたい?』

「知りた~い!!」

『じゃあ、ちょっとだけね!
 難しい事じゃないんだけど、まず”Outlook Express”のアイコンを
 ダブルクリックして、ソフトを起動』

「それから?」

『・・・で、ここで注意しなくちゃいけないのが、
 普通にソフトを起動しちゃうと、この時点でサーバーにあるメールを
 勝手に受信しちゃう事!設定を変えてあれば別だけど・・・』

「メールを受信しない為に、LANケーブルを抜いたのね!」

『そのとおり! 
 そうしないと誰かがパソコンさわったって、すぐバレちゃうからね』

「でも、そのサーバーにあるメールは、どうやって見るの?」

『それは、後でやるから!
 とりあえず、今から”アドレス帳”と”メールアカウント”の
 エクスポートをして・・・』

「メールアカウントって何?」

『メールアカウントとは、メールの送受信するのに必要な
 サーバーの設定って感じなのだ!
 メールアドレスとかと一緒にプロバイダから指定されたものを
 設定するだけなんだけど・・・』

「エクスポートってのをすれば、その設定を調べなくてもいいんだ!
 すごぉ~い、さずがオタク。何でも知ってるわね」

『オタクって言うな! これは誰でも知ってる常識だよ』

「ところで・・・」

『今度は何?』

「エクスポートって何?」

『その説明、後でいい? 今はちょっと静かにしてて!』

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2006年12月21日 (木曜日)

Connect The DotsⅢ

『メールをチェックしたいパソコンと言うのは・・・』

【このパソコンです】

『調べる前に1つ聞いていいですか?』

【はい】

『旦那さんは、携帯電話を持っていますよね?』

【はい、もちろん持っていますよ】

『携帯電話のメールはチェックしたんですか?』

【しました。けど・・・】

『怪しいメールは出てこなかった』

【そうです。着信とかリダイヤルも調べました】

『でも、何も出てこなかったという事ですね』

【はい、そうなんです。
 でも、浮気相手と連絡を取り合っているのは確実なんです】

『浮気をしている事に、すごく自信を持っているようですね』

【私には分かるんです。あの人のことは全部!】

「女のカンですか?」

【そうです。】

『(何か、浮気をしていて欲しいって感じじゃない?)』

「(私はそうじゃないと思うわ。
 口では、あぁ言ってるけどホントは旦那さんの事信じてると思う)」

「では、早速メールを調べていきますね。 ZIN、お願い!」

『オマエが仕切るなっ!』

「そんな事いいから、さっさと始めなさいよ」

『わかったよ・・・
 え~と、NECのディスクトップパソコンで、Win XP Home edition。
 ユーザーアカウントのパスワード設定はしてませんね。』

【すごい!パソコンに詳しいんですね!】

『いや・・・ ただ見たままを言ってるだけなんですけど・・・』

【私、パソコンの事全然わからないので・・・】

『パソコンの事わかってれば、この依頼はありませんでしたから。
 パスワードの設定をしていないトコロをみると
 旦那さんも十分それを知っていると思いますね。
 大丈夫です、任せてください。

【もし、パスワードが掛かっていたらどうしたんですか?】

『ちゃんとパスワードを解析する方法があるんですよ!
 解析が無理なら、パスワードを初期化する方法も!!』

【そんな事してバレないんですか?】

『初期化しちゃうとバレますね!だから普通はやりませんよ』

【あまりパスワードの意味が無いように思うんですけど・・・】

『意味はあると思いますよ。
 調べ方知っている人って、あまりいませんから!
 MAKI! ちょっと、そのケーブル抜いてくれない!』

「えっ!? このLANケーブル?」

『そう、ネットに繋がってると、あとで面倒だから!』

「なんで、面倒なの?」

『新しいメールを受信しちゃうと、
 誰かがパソコン触ったって、バレちゃうだろっ!』

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2006年12月18日 (月曜日)

Connect The DotsⅡ

『今日の調査は、パソコンのメールを調べるんだっけ?』

「依頼者さんの話だと、そうみたい・・・
 パソコンの使い方がまったく分からないらしいわよ」

『一応、浮気調査なんだよね?』

「うん、浮気をしてるのは確実みたい。
 でも、証拠が無いみたいなんだよね・・・」

『尾行とかして、調査する気は無いの?』

「お金があまり無いから、とりあえずメールのやり取りを
 調べたいんだって!」

『それって、まだ確実って言えないからじゃないの?』

「私に言わないでよ!
 メールの証拠が出てきたら、行動調査も引き続き・・・
 って感じになるんじゃない!?」

『そうだな!そうなる事を期待しよう!
 やるとなったらトコトンやらないと気が済まないから』

 ♪ピンポ~ン♪

「一ノ瀬です。 ご依頼の件でお伺いしました」

【はい、今開けますね】

『結構”普通”な感じだね・・・
 もう少しテンション低いと思ったんだけど・・・』

「旦那さんの浮気を受け止めて、前向きになってるからじゃないの?」

『そんな人、今までいた?
 ショックで思い詰めてたり、元気が無いのが普通じゃない?
 まだ、”浮気してるかも!?”程度なんだよ、きっと!』

「まぁ、いいじゃない。依頼者さんが元気でなにより!
 仕事をしっかりやりましょう!」

 ”ガチャッ”

【お待ちしていました。 どうぞ中に!】

『はい、ではお邪魔します』

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2006年12月 8日 (金曜日)

Connect The Dots

【”ワタシハ、アメリカジンデス。
 アイツニオンナガイル! シラベテ!”】

『”浮気調査の依頼ですか?
 アイツというのは旦那さんの事でしょうか?”』

【”NO! ワタシハ、アメリカジンデス”】

『”アメリカ人というのは、分かりました。
 旦那さんに女性がいるという事ですか?”』

【”ダンナサン NO! アメリカジンデス”】

『(駄目だ… 俺の日本語がまったく通じない・・・)
 少々、お待ちいただけますか?』

「どうしたの、ZIN?」

『あのさ~、依頼の電話みたいなんだけど
 旦那さんはNOで、アメリカ人らしいんだよね!』

「何言ってるの? 全然分かんない!」

『だからさぁ~、”ワタシハ、アメリカジンデス”だってさっ!』

「意味が分からない。 ちょっと電話替わって!
 ”Hello! My name is MAKI. May I help you?”」

『おお!
 (何言ってるのかさっぱり分からないけど・・・)
 すげぇ~なMAKI! 英語話せるのかよ!
 はぁ~、さてはオマエ! 英検3級持ってるな!』

「be quiet!」

『はい、すみません・・・
 良く分かんないけど、オレ怒られてるんだろうな・・・』

「Yes・・・ Yes・・・ OK! Not at all. See you!Good-bye!」

『電話の人、何て言ってたの?それにMAKIも・・・』

「同棲してる彼が家に帰って来ないんだって!」

『いつから?』

「昨日の夜!」

『昨日の夜? 一晩だけ?』

「だから、彼の事信じてもう少し待ってみればって言ったわよ」

『それから?』

「もし頻繁に帰って来なくなった時、また連絡して下さいって!」

『とうとう一ノ瀬探偵事務所にも国際化の波がやって来たか!
 普通ならZINも英語で話せるんだけど、
 今の人、ニューヨークなまりが強かったからなぁ~』

「ニューヨークなまりなんて無かったわよ。
 素直に認めなさい!英語が話せないって!」

『はいはい、じゃあそういう事にしといていいよ!』

「出た!ZINの負けず嫌い!!」

『もしかして、今の人”カイヤ”って名前じゃなかった?』

「”カイヤ”? あの、川崎さんちの麻世さんトコの?
 そんなわけ無いじゃない!」

『でも、MAKIは何でそんなに英語ペラペラなの?』

「2年半ぐらいかな!? アメリカで暮らしてた・・・」

『こと、あるの?』

「無いけど」

『無いのかよ!』

「アメリカで暮らしてた友達がいるんだぁ!
 私、昔から英語好きだったから時々教えてもらってるんだ!
 すごいでしょ~!!」

『すごいね、その友達が!』

「私もね!」

『・・・で、その友達ってカワイイの?』

「そんな事はいいから、調査の準備して! そろそろ時間よ!」

『OK!』

「今度はアンタの番だからね。得意分野でしょ!」

『お~! 任せとけ、パソコン調査は!』

 

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2006年11月17日 (金曜日)

1輪の花 ⅩⅤ

「一流大学を出て、一流企業で働いていても
 知らない事ってあるのね!」

『一番身近な道路交通法でさえ、知らない事、結構あるよ!
 間違えて覚えてる事もあるしね!』

「そうだね!
 実際自分が経験したり勉強しないと
 知らずに一生過ごしちゃうのも多いんじゃない?」

『確かに・・・
 法律に詳しかったら、今頃弁護士目指してるよ!』

「さて、もうそろそろ来る頃なんだけど・・・
 あっ、来た! 愛ちゃんだ!!」

[おねーちゃん、ありがとう。
 勇樹くんからお返事着たよ!]

「あら、ホントに! 良かったね、愛ちゃん」

『おにーちゃんも頑張ったと思うんだけどなぁ~
 ちゃんと、約束守ったし・・・』

[おにーちゃんもありがとう]

『うわっ、初めておにーちゃんって言ってくれた!』

【ホントにありがとうございます。
 勇樹くんのお父さんから連絡がありまして
 1度遊びに来てくれる事になりました。】

『戻ってくるわけじゃないんですね・・・』

【はい・・・
 知らない土地で1からやり直すと言っていましたから・・・】

『(ドラマの中のセリフみたい・・・)
 愛ちゃんの為にも、連絡を取り続けてあげてください』

【そのつもりです。
 愛が勇樹くんの事を思っている間は!】

「そうですね。
 子供という前に、女ですから!」

【女心は変わりやすい!
 いつまで続くのでしょう、この恋は?って感じですよね!】

『MAKIもそうなの?』

「関係無いでしょ、私の事は!」

     ・
     ・
     ・

『子供の為に探偵に頼むなんて、すごいと思わない?』

「ZINも子供が出来ればわかるんじゃない、あの気持ち!」

『その前に探偵を頼むお金が無いよ!』

「何言ってるの? 自分で探せばいいじゃない!」


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2006年11月16日 (木曜日)

1輪の花 ⅩⅣ

「必ず再会させる!?
 そんな約束しちゃったの?」

『しちゃった・・・ ダメ?』

「ダメに決まってるでしょ!
 必ずなんて、この状況で良く言えたわね!」

『でも・・・』

「”でも・・・”じゃないっ!」

『そんなに怒らないでよ、MAKIちゃん!
 スマイル! スマイル!!』

「もう~、言っちゃったものは、しょうがないわ。
 ・・・で、今何時?」

『PM1:30ぐらい!』

「じゃあ、あと30分ぐらいで、勇樹くんが来るのねココに!」

   勇樹くんのおばあちゃんから連絡があり、本日PM2:00に
   お金を取りに来るらしい・・・
   そして、PM2:00
   ZINたちの期待は少し外れ、勇樹くんのお父さん1人が現れた。
   最初はZINたちの存在に動揺をしていたが、きちんと説明をして
   これまでの勇樹さん一家の話を聞くことが出来た。

『そうですか・・・ 借金の原因は株なんですか・・・』

【はい。
 信用取引に手を出してしまって、今はこの通り何も残っていません】

「”何も残っていない”だなんて・・・
 いい経験をしたと思うしかありませんよね。高い授業料を出して…」

【そうですね・・・】

『あの~、今日は勇樹くん、どうしているんですか?』

【妻と一緒に留守番しています。】

『一つお聞きしたいのですが!』

【何ですか?】

『現在の生活、大変じゃないんですか?
 お知り合いの方に協力してもらっていると伺いましたが・・・』

【えっ!なぜそれを?】

『お母様から大体のお話は、伺いましたから!
 ところで・・・
 今回の事で弁護士の先生に相談された事ありますか?』

【ありません】

『なぜ?』

【なぜ?って・・・ 必要ないじゃないですか!】

『”必要ない”? 
 自己破産という手段は、考えなかったのですか?』

【株で作った借金は、自己破産出来ないじゃないですか!】

『誰がそんな事を?』

【さっき話に出た、今お世話になっている方ですけど・・・】

『もしかして、そのお知り合いの方にもお金を借りましたか?』

【はい。
 ちょっとずつですけど、今働いて返しています。】

「(言葉が出ないわ・・・お坊ちゃまのオーラ、出まくり!)」

『(世間知らずと言うか・・・ いい人過ぎるんだよ、きっと・・・)』

『借りたお金を働いて返す!
 これって、人間として当たり前というか常識なんですけど・・・』

【はい。僕もそう思うようにして、毎日頑張っているんです】

『今の生活、少し楽になるかもしれない方法があるんですけど・・・
 僕の話、聞いてみます?』

【そんな方法があるんですか? 是非聞かせてください!】

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2006年11月15日 (水曜日)

1輪の花 ⅩⅢ

『・・・と言うわけで、現在連絡待ちという状態です。』

【その時、私達も一緒に連れてってもらえるんですか?】

『ごめんなさい。
 以前にもお伝えしたと思うのですが
 個人情報保護法が出来てから、本人の許可なく
 依頼者に情報をお伝えする事はしていなんです。
 今回の場合のように、会わせる事も・・・』

【そこを何とか・・・】

『ごめんなさい。
 勇樹くんのお父さんに聞いてみますので
 それまで、この返事は保留という事で・・・
 よろしいですか?』

【わ・・・わかりました・・・】

『愛ちゃんもガマンしてくれるよね!』

[うん!]

『愛ちゃんは、いい子だね』

【一ノ瀬さんっ!】

『はい、何でしょう?』

【この手紙、勇樹くんに渡してもらえますか?】

『これは?』

【今日勇樹くんに会えると思って、
 昨日愛が一生懸命書いた手紙です。】

『愛ちゃんが?』

【手紙だったら・・・大丈夫ですよね?】

『任せてください!』

[おじちゃん! コレも勇樹くんに渡してくれる?]

『どうしたの、このお花?』

[愛が幼稚園で作ったの!]

『そう、愛ちゃんが作ったんだ。 折り紙で作ったの?』

[うん!]

『わかった。
 勇樹くんに会ったら、必ず渡すからね!』

[約束だよ!]

『OK! 約束!!

 あの~、お母さん・・・
 この手紙とお花は、必ず渡します。
 それと必ず愛ちゃんと勇樹くんを会わせてあげますから!』

【お願いします】

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2006年11月12日 (日曜日)

1輪の花 ⅩⅡ

【それは一体・・・ 誰なんですか?】

『直接勇次さんとお話しないと何とも・・・
 近い将来、勇樹くんの小学校の事もありますし
 このまま夜逃げ状態を放っておくのは良くないと思います』

【私は、どうすればいいんですか?】

『そうですね・・・
 勇次さんが今住んでいる場所・・・
 ご存知ないですか?』

【いえ・・・ それも教えてくれませんでした】

『そうですよね。
 では、呼び出すしかありませんね!』

【呼び出す?】

『はい、こちらから連絡が取れないんじゃ
 どうにも動けません。
 そこで、今度連絡が来た時に理由をつけて呼び出す!』

「例えば、お金の都合をつけたから取りに来て!とか・・・」

『うん! それ、いいかも!!』

【今まで、”お金を貸して欲しい”
 と言われた事はないんですけど、大丈夫でしょうか?】

『そこなんですよね・・・
 実際、お金に困っているのは事実ですし
 もし裏で操っている人間がいるとしたら
 この話には喰いついてくると思います。
 あくまでも、僕達の推測なので100%とは言えませんが
 上手くいく確立的は高いと思いますよ!』

「まず、今の状況をどう変えるかが1番の優先事項です」

『何事も1歩踏み出さなきゃ変わりませんよ!』

【そうですよね、わかりました。
 主人も反対はしないと思います。】

『僕達が直接、ご主人にもお話しましょうか?』

【いえ、大丈夫です。 
 主人も日頃から勇次の事、
 どうにかしなきゃと言っていますから!】

『そうですか。
 それでは、この作戦が成功する事を祈りましょう!
 いえ、絶対に成功させましょう!』

「ところで・・・
 なぜ、勇次さんは夜逃げするほど
 借金を抱えてしまったのでしょうか?」

『何か心当たりはありませんか?』

【わかりません。 私も1度聞いた事があるのですが・・・
 一流大学を卒業して、一流企業に就職しましたが
 特に贅沢な暮らしをしている様子はありませんでしたし・・・】

『(さりげなく、息子自慢入ってなかった?)』

「(しょうがないわよ!
 親っていうのは、そんなものなの!)」

『息子さんはサラリーマンなんですか?』

【はい。】

『今まで、会社経営をしていて、それで借金を作ったと
 僕達、勝手に思っていました。』

【会社経営はしていませんよ。
 ただの一流企業のサラリーマンです。】

『(ここは、我慢しなくちゃいけない所、だよな・・・)』

「(ZIN! ガマン、ガマン!)」

『では、勇次さんから連絡がきたら
 必ずご連絡をくださいね!
 今日のこの話は、くれぐれも内密に!』

【はい。わかりました。
 勇次から連絡がきたら、すぐに連絡します】

「お願いします。
 今日は、ありがとうございました。 失礼します」

【こちらこそ! お気をつけて!】
   ・
   ・
   ・
「ZIN・・・ ホントにコレで大丈夫なの?」

『信じるしかないだろう。
 手掛かりは、ここしかないんだから!
 この親子、普段から連絡は取り合っているみたいだから
 怪しまれはしないだろう。
 後は、あのお母さんを信じるしかない、だろっ!』

「そうね。
 きっとこの作戦が成功すれば、
 勇樹くんたちの生活もいい方向に向かうわよね!」

『ああ・・・
 でも、”マチルダ作戦”がここまで上手くいくとは・・・』

「ホント! よく私達の事、信用してくれたわよね」

『これも全部、マチルダさんのおかげだよ』

「誰? マチルダさんって??」

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2006年11月11日 (土曜日)

1輪の花 ⅩⅠ

【わかりました。 では、お話します。
 息子の勇次は、3200kgで生まれて・・・】

『えっ、そこから? それに3200gの間違えじゃ・・・』

【すみません・・・
 生まれた時の話は関係無いですよね・・・】

『ちょっと、お茶でも飲んで、落ち着いた方がいいですよ』

【はい、ごめんなさいね】

『落ち着いたら、続きを・・・』

【では・・・
 息子の勇次はとても優しい子で、小学生の頃には・・・】

「えっ!まだ小学生??
 大人になってからって言うか、最近の勇次さんのお話からで・・・」

『(その内、アルバムとか出してきちゃうんじゃないの?)』

「(このお母さん、実はものすごく天然なんじゃ・・・)」

『息子さん・・・ 勇次さんの借金についてのお話を!』

【そこからで、いいんですか?】

『そこからがいいんです。』

「とっても勇次さんを愛していらっしゃるんですね!
 小さい頃のお話は、また今度ということで・・・」

【わかりました。
 最初に、勇次から電話が着た時は、本当にビックリしました。
 夜逃げをするから、しばらく連絡出来ないと・・・】

「夜逃げをするって連絡があったんですか?」

『普通夜逃げをする時は、足がつくから
 誰にも連絡しないと思うのですが・・・
 遠回しに、お金を貸してくれっていう、
 メッセージだったのかもしれませんね!』

【その翌日にまた連絡があって、知り合いに手伝ってもらって
 無事、夜逃げ出来たから!と・・・】

『翌日? 急な夜逃げですね!
 (なぜ、いちいち連絡をしてくるんだろう・・・)
 その知り合いという方は、お母さんもご存知なんですか?』

【いえ、まったく・・・
 新しく住む場所や新しい勤め先などを手配してくれたり
 とても力になってくれていると・・・】

『”なってくれている”? 現在進行形ですね!』

【はい、勇次はとても友人に恵まれていると思いました】

『勇次さん一家が夜逃げをしてから
 直接会ってお話をした事はありますか?』

【無いです。 すべて連絡は電話で・・・】

『勇次さんの電話番号はご存知ですか?』

【いいえ、教えてくれません。
 仕事が忙しいらしくて、用事がある時だけ
 自分の方から電話すると言っていましたけど・・・】

『裏で勇次さんを操っている人間が
 いるような気がするんですけど・・・』

【どういう事なんですか?】

『例えばの話なんですけど・・・
 自己破産をされると借金を回収出来ないと思った人間が
 善意を装って、勇次さんを誘導しているということです。』

「(あっ! そういえば、ZINが”素人の考えじゃない”って
 言ってたよね、現場見に行った時!)」

『(これはあくまでも俺の想像なんだけど
  今まで集めた情報から考えると、
  かなりの確立で当たってるかもしれないよ)』

  

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2006年11月 9日 (木曜日)

1輪の花 Ⅹ

【そちらに座って待っていてください。
      お茶入れてきますから・・・】

「あっ、そんな、お構いなく」

『さて、あのお母さんはどんな情報を隠しているのか・・・』

「上手く聞き出してよ。
 ”マチルダ作戦”を考えたのはZINなんだから!」

『了解!』

【お待たせしました】

「すみません、頂きます」

【あの・・・】

『何でしょう?』

【先ほどのお話・・・
 命が危ないと言うのは、どういう事なんでしょう・・・】

『と、その前に・・・
 息子さんから最後に連絡があったのは、いつですか?』

【3日前です。
 誰か訪ねて来た人いないか?と・・・】

『それだけですか?』

【はい。
 ”特にいない”と言ったら、”分かった”と言って
 電話が切れました。】

『変な電話ですね。
 その時、何かおかしいと思いませんでした?』

【もちろん、おかしいと思いましたよ。
 こちらから電話を掛けても繋がらないので
 心配していた所に、今日あなた方が来て・・・】

『そうですか・・・
 では、そのおかしな電話の理由は
 何も知らないと言う事ですか?』

【はい・・・】

『それは、変ですね』

【どうしてですか?】

『先ほど、家の前で息子さんの話を聞きたいと言った時
 間髪入れずに、”知らない”と言いましたよね!』

【はい、それが何か?】

『こういう場合、普通はまず理由を聞くものじゃないですかね?
 それに、追い返そうとしたのも気になります。
 今のお母さんの話を聞くと、少しでも息子さんの情報が
 欲しい状況だと思うのですが・・・ どうなんですか?』

【・・・・・・。】

『ホントは息子さんの事、良く知ってるんじゃないですか?』

【私は知りません!】

『”私は”? では他の誰かは知っている?』

【私の事はどうでもいいんです。
 息子に危険が迫ってるとは、どういう事ですか?
 それに、探偵さんは誰に頼まれて息子を探しているんですか?】

『わかりました。
 ここからは、お互い隠し事無しでお話しませんか?
 しかし、僕達は仕事でココに来ている以上、
 お話出来る事と出来ない事があります。
 それだけは、わかって欲しい・・・
 それに僕達は、普段探偵だと名乗って聞き込みをする事は
 絶対に無いんです』

「逆に言うと、やましい事が無いから、こうやって堂々と
 お話を聞きに来ているんですよ!
 私達を信じてください!」

『(ナイスアシスト、MAKIちゃん!)』

「(ZINの言ってる事、かなり微妙なんだもん。
 聞いてるコッチはヒヤヒヤよ!)」

【息子の事、助けてくれるんですか?】

「もちろん!私達は息子さん達の味方ですよ!」

【・・・・・・。

 借金取りの方では、無いんですね!】

『当たり前じゃないですか!
 こんなキュートな借金取り、いると思います?』

「(自分でキュートって言うなっ!)」

 

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2006年11月 7日 (火曜日)

1輪の花 Ⅸ

   ♪ピンポーン♪

「こんにちわ~」

【・・・・・。】

『返事がないな!』

   ♪ピンポーン♪

「留守なのかな?」

【あの・・・ どちら様ですか?】

『うおぉ~、ビックリした。 いきなり後ろから・・・』

「買い物帰りみたいね」

【うちに何か?】

『はじめまして、僕達こういう仕事をしてまして・・・
 MAKI、名刺渡して!』

【一ノ瀬探偵事務所・・・ 探偵さん?】

『はい、
 息子さんの事について、少しお話を伺いたいのですが…
 お時間よろしいでしょうか?』

【息子の事は、何も知りませんから・・・お引き取り下さい】

「(見た? 今一瞬、顔引きつったよね)」

『(あぁ、何か知ってる)』

「最近、こちらに連絡がありませんでしたか?」

【ありません】

『では、最後に連絡があったのは、いつ頃ですか?』

【すみません。 忙しいので帰ってもらえませんか?
 本当に何も知らないんです。】

『突然探偵と名乗る者が現れて、
 信用していないのは分かります。
 しかし、早く居場所を突き止めて保護しないと
 息子さん一家の命が危ないんです。』

【えっ! その話・・・ そんなぁ・・・
 とりあえず、中に入ってください。】

『では、失礼します。』

「(ちょっと、言い過ぎなんじゃないの?)」

『(聞き込みは一発勝負。
 この状態だと、2度目は無さそうだからね。
 悪いとは思ってるよ、嘘ついちゃって・・・)』

「(アンタ、立派な振り込め詐欺師になれそうね)」

『(冗談はよせよ! これからが本番なんだから・・・)』

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2006年11月 6日 (月曜日)

1輪の花 Ⅷ

『なんか2人で良く来るね、この辺!』

「いつ以来だっけ?宇都宮」

『餃子食べに来た以来かな!』

「ZINは食べ物の事しか覚えてないの?」

『覚えてるよ! セクシーなお姉さんの依頼の時だろっ』

「盗聴器の指紋鑑定に来たの!
 依頼の内容くらいは覚えておきなさいよ・・・
 ZINは、餃子と女の人しか頭にないの?」

『バカッ! 探偵には守秘義務がある事忘れたか?
 もし、調査内容が漏れたら大変なんだぞ!
 車の中に盗聴器でも仕掛けられていたら・・・』

「探偵失格ね。 
 探偵が盗聴器仕掛けられるなんて!」

『はいはい、そういう事にしておこうね』

「何?逆ギレ??
 もう・・・ ZINの相手をするのは、疲れるわ・・・」

『疲れてる場合じゃないよ!
 ホラッ、あそこの家が目的地だ』

「結構、遠かったね・・・
 この辺は、自然がいっぱいというか、のどかな所…」

『さて、MAKIちゃん!
 どんな作戦で攻め込もうか?』

「ん~~。どうしよう?」

『じゃあ、とりあえず、海兵隊を送り込んで・・・』

「欧米かっ!」

『イージス艦を配備して・・・』

「欧米かっ!」

『ホワイトハウスに連絡を・・・』

「もういいでしょ・・・  満足した?」

『大満足! 
 よし、準備運動が終わった所で”マチルダ作戦”で行こう!』

「”マチルダ作戦”って何よ? 初めて聞いたんだけど・・・」

『”マチルダ作戦”とは、何も考えず、捨て身で突入!』

「良く分らないけど、相手の様子を伺いながら臨機応変にって事?
 まずは、連絡を取っているのか?何も知らないのか?
 それをハッキリさせましょう!
 ちょっとした表情の変化も見逃さないでよ!」

『じゃあ、決まりだ! 探偵らしく捨て身で行こう!』

「捨て身で突入って、探偵らしいかしら?」



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2006年10月31日 (火曜日)

1輪の花 Ⅶ

『お~いMAKI、そっちはどうだった?』

「予想通り、手掛かりらしい手掛かりは
 誰からも聞けなかった…
 って言うか、誰も知らないみたい」

『MAKIの方もかぁ・・・』

「これから、どうするの?
 両親の実家に行ってみる?」

『いや、もうちょっとココにいよう!』

「えっ、何か手掛かりがありそうなの?」

『ちょっと、気になることがあってさ』

「気になる事って?」

『さっきの借金取りの怖そうな人達がいたろっ』
 お金を借りる時、普通は保証人がいるはず!
 誰が保証人になっているか気になるんだよ』

「もしかして、借金取りさん達が帰ってくるの待つ気?」

『待つ気!』

「いやよ、保証人が誰かなんて関係ないじゃない。
 借りた本人が行方不明の今、追い込みかけられるのは
 保証人なのよ。
 保証人に居場所教える訳ないじゃない!」

『もし、保証人が愛ちゃんのお母さんだったら?』

「考えすぎよ。
 愛ちゃんのお母さんがいくらイイ人でも
 それは無いと思うわ。 それに・・・」

『それに?』

「勇樹くん一家を探し出すのが私達の仕事!
 保証人が誰かなんて知る必要無いと思うわ」

『わかったよ。
 じゃあ、勇樹くんのお父さんの実家から当たってみよう!』

「OK! ちゃんともう調べてあるわよ!
 早く、行きましょう!!」

『おい、MAKI、置いて行くなよ。
 何をそんなに急いでるんだ?』

「一刻も早く、探し出さなきゃ!」

『今から行っても、夜になっちゃうだろ!
 行くのは明日にしよう』

「明日でいいから、早くこの場から・・・」

『怖いだけでしょ、MAKIちゃん!
 あの人たちも仕事上しょうがないんだよ、きっと・・・』

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2006年10月28日 (土曜日)

1輪の花 Ⅵ

「ZIN、どうすんのよ! 
 私・・・ 外国に売り飛ばされちゃうのね・・・」

『何バカなこと言ってんの?
 いつも通り、堂々としてればいいじゃん』

「いつも通りなんてしてられないわよ。こんな状況で!」

【オイオイ、シカトかよ!
 ここのヤツの知り合いかって聞いてんだよ!】

『ここの家と家具、さばく準備をした方がいいよ!』

【何言ってんだよ、オマエ・・・】

『ここに何日いるの?』

【2日だよ】

『2日もいるのに気付かないんだ!』

【気付かないってどういうことだよ?】

『もう、この中には誰もいないよ』

【いないわけねぇ~だろ、電気メーター回ってんのに!】

『アンタら、TVドラマの見過ぎなんじゃない?】

【ナニ!?】

『家の中に電気製品があれば、誰もいなくても回ってるよ。
 電気メーターの回転の速さを気にする前に
 水道メーターをチェックすれば!』

【水道メーター?】

『もし中に誰かいたら、トイレとか必ず水は使うでしょ!
 2日間水道メーターのチェックしてれば十分わかるよ。
 半日もあれば十分!』

【オマエ・・・ いったい・・・ 何なんだ?】

『探偵!
 この夜逃げ、素人の考えでやれるもんじゃないよ!』

「ねぇ、ZIN・・・
 ニュースで見た事あるんだけど・・・
 もしかしたら、強盗が中で家族全員を・・・」

【ねぇーちゃん、それはねぇーよ。
 玄関のドアのカギ、ちゃんと閉まってっから!】

『(カギが閉まってるからって・・・)
 大丈夫、それは無いと思うよ。
 でも、何で2日もいて気付かないの?』

【2日って言っても、24時間張り付いてるわけじゃねーし!
 って、オイッ! 俺らの事はどうでもいいんだよ!
 いったい探偵がこの家に何の用があって来たんだ?】

『ここの人にお金を貸したって人に頼まれて』

【そっか、オマエらも大変だな。
 じゃあ俺達は1回事務所に戻るから、後は頼んだぞ!】

『わかった』
   ・
   ・
   ・
「あの人達、帰っちゃったね」

『もっと居て欲しかったの?』

「ううん・・・ そんなわけないでしょ!
 ホントに良かった、帰ってくれて・・・」

『でも、部屋の中があんなに見えるのに
 何で2日も気付かなかったんだ? 普通気付くだろっ!』

「バカなのよ、アイツら!」

『本人達がいなくなったとたん、強気な発言するね!』

「あんなヤツラ余裕よ! 
 怖がってたフリしてたのよ。 演技よ、え・ん・ぎ!!」

『あっ! 戻ってきた!!』

「う、嘘ぉ~。 ヤダ、どうしよう、どうしよう・・・」

『嘘だよ、わりやすいね MAKI!』

「もぉ~、ホントにやめてよ・・・
 でも、”わかった”なんて、簡単に返事しちゃって大丈夫なの?」 

『大丈夫だよ。 もう2度と会わないし!』

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2006年10月27日 (金曜日)

1輪の花 Ⅴ

「うわぁ~、わかりやすい人達が集まってるわね」

『探偵じゃなくても張り込みってするんだな・・・
 しかし・・・ ガラが悪い人達だ』

「ちょっと待ってよ、ZIN! あの中に行くつもり?」

『おう!』

「捕まったら、何されるかわからないじゃない!」

『大丈夫! 俺はアイツらからお金借りてないから』

「本気なの?
 でも、そう言われるとその通りね」

『ん?』

「どうしたの?何かあった?」

『アレ、見てみなっ!
 あそこの出窓からリビングが見えるだろっ』

「確かに見えるわね・・・
 家具とか残ってるから、まだ誰か住んでるみたい」

『そうなんだよ・・・』

「何か気になるの?」

『この家の窓、あるはずのモノが無いと思わない?』

「あるはずのモノ・・・?
 あっ! カーテンが無い!」

『あぁ、わざと中の家具を見せてるんだよ』

「何でわざわざそんな事を?」

『1つは時間稼ぎだと思う』

「時間稼ぎ?」

『実際は夜逃げしてるんだけど、家具があって生活感があるから
 まだ住んでいると思わせて、時間稼ぎをしてたんだよ』

「だから、まだ借金取りがウロウロしてるのね・・・
 でも、家具とか持って行かなくて平気なの?
 生活出来ないんじゃない?」

『夜逃げって、まったくお金が無くなってから
 するもんじゃないんだよ。
 新しい生活が出来るぐらいのお金がある内に逃げる。
 これ、夜逃げの常識!』

「なるほど~、勉強になるわ・・・」

【オイッ!
 さっきからウロチョロしてっけど、ここで何してんだオマエら!
 もしかして・・・ここのヤツの知り合いか?】

 

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2006年10月26日 (木曜日)

1輪の花 Ⅳ

『それにしても、今日は天気がいいね。』

「”天気がいいね”じゃないわよ!何で断んなかったの?」

『何で?』

「夜逃げした人を探せるわけないでしょ!」

『普通だったら断るんだけど・・・』

「これのどこが普通じゃないの?
 いたって普通の夜逃げじゃない!」

『いや、夜逃げの事じゃなくて、愛ちゃんとお母さん』

「愛ちゃんとお母さんが、どうしたの?」

『昨日、お母さんが言ってたろっ
 問い合わせたのは一ノ瀬だけじゃないって!
 きっと散々電話して断られたり
 法外な調査料金を提示されたりしたんだろうなぁ・・・
 嘘がつけない正直でいい人そうだし
 愛ちゃんの事何より1番に考えて
 探偵に頼んだと思うと、どうしても見つけてあげたいなぁ~って』

「無理な調査引き受けて、”見つかりませんでした”じゃ
 済まないわよ! 分ってる?」

『わかってるよ! 料金は一切受け取りません。』

「・・・で、これからどうするの?」

『今の所、1番確実な手掛かりは両親の実家、
 勇樹くんのおじいちゃんおばあちゃんの家に行く事だけど
 まずは、夜逃げ後の家とその周辺の聞き込みかな?』

「ちょっとした情報でも手に入れたいしね」

『でも、なぜ夜逃げという道を選んだんだろう?
 自己破産という手もあったと思うんだけど・・・』

「それは本人達が決めた事!私達には関係ないでしょ!」

『そうだよな。
 俺達の仕事は、勇樹くんを見つけることだよな!』

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2006年10月25日 (水曜日)

1輪の花 Ⅲ

『すみません・・・
 勝手にお母さんの幼馴染と思い込んでしまって』

「愛ちゃん、チョコレートパフェ美味しい?」

[うん、おいしい!]

『探しますよ、任せてください!
 ・・・で、その幼馴染というのは・・・』

【近所に住んでいた男の子で
 幼稚園から帰ってきた後、いつも一緒に遊んでいました】

「ほらぁ~、お口のまわりチョコだらけにしてぇ~」

[そんなことないもん!]

『愛ちゃんと同じ5歳ですよね?』

【はい、そうです。】

「愛ちゃんは好きな男の子とかいるのかなぁ?」

[うん、いるよ!]

『探して欲しいとい言うことは引越しか何かで?』

【えっ、まぁ・・・ そんな所です。】

「あらっ、愛ちゃん♪ その男の子はどんな感じなの?
 おねえちゃんにも教えてよ!」

[勇樹くんはねぇ~、
 すごくカッコよくて、すごくやさしいんだよ!]

『でも、普段から仲良くしていたなら
 なぜ、引越し先や連絡先を教えて貰わなかったんですか?』

【急な引越しだったみたいで・・・】

「勇樹くんっていうんだぁ~。どこで知り合ったの?
 おねえちゃんにも教えてよぉ~」

[えぇ~、教えてもいいけど・・・
 おねえちゃん、オレンジジュースが飲みたいな?]

「(ジュースで取り引きをしようとしてるの?この子は…?)」

『急な引越しですか・・・ ご両親のお仕事の関係で?』

【そんな感じです・・・】

「ほら、オレンジジュースがきたよ!
 どこで、知り合ったか教えてよぉ~」

[え~とね~。愛が物心ついた、ちっちゃい頃から遊んでた]

「(今も十分ちっちゃいと思うんだけど・・・)」

『ちょっといいですか?
 さっきから、”だったみたい”とか”そんな感じ”とか
 あやふやな答えばかりですよね・・・』

【すみません・・・】

『いえいえ、別に謝らなくても・・・

 っていうか、MAKI! お前はさっきから何をしてるんだ!
 こ~、合間合間にMAKIの会話が入ってくると
 ブログ読んでる人が、ごっちゃごちゃになっちゃうだろ!』

「ブログの事なんてどうでもいいでしょ!
 3人で話したら愛ちゃん1人ぼっちになっちゃうじゃない!
 ちゃんと愛ちゃんとお話しながら、
 お母さんのお話も聞いてるわよ!」

[おじちゃん、ウザイよ。おねえちゃん、かわいそう…]

『愛ちゃん♪ ”おじちゃん”じゃなくて”おにいちゃん”ね!』

「こんなヤツ、おじちゃんでいいのよねぇ~愛ちゃん」

[うん、おじいちゃんだ!]

『愛ちゃん!
 いい子だから、おじいちゃんって言いながら指差さないでね。
 それに、”おじちゃん”から”おじいちゃん”に
 パワーアップしちゃってるから…』

「どっちでもいいじゃない、そんな事。
 ・・・で、どうなのZINは?」

『何が?』

「何がじゃなくて・・・
 お母さんの話、ちゃんと聞いてたの?」

『聞いてないわけないだろっ!
 幼馴染の男の子、たぶん名前は勇樹くん
 ・・・の両親が事業に失敗して、ある日突然夜逃げした。
 って、コトじゃないかな!』

【えっ、何でそこまで・・・】

『なんとなく分りました。雰囲気で・・・』

「(ちゃんと、こっちの話も聞いてたのね・・・)」

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2006年10月22日 (日曜日)

1輪の花 Ⅱ

『どうもはじめまして。
 一ノ瀬探偵事務所 代表の一ノ瀬仁です。
 …で、こっちの若そうに見えて
 実は結構イっているのがMAKIです。』

「(ちょっと、何言ってるの!)
 はじめまして、MAKIです。
メールでのお問い合わせありがとうございます。」

【いえ…  問い合わせしたのは
 一ノ瀬さんの所だけじゃないんです。】

『大丈夫ですよ、遠慮しないでください。
 逆にそうした方がいいと思いますよ!』

「でも、その中で一ノ瀬探偵事務所を
 何で選んだんですか?」

【一番事務的じゃなくて、相談しやすかったから…です。】

『そうですか、ありがとうございます。
 …で、さっきから気になっていたのですが
 そちらの女の子は、お子さんですか?』

【はい、”愛”といいます。】

「こんにちは、愛ちゃん! いくつなのかな?」

[・・・・・・・。]

『プッ、嫌われてやんの(笑』

「そうなのかな?(泣」

【ごめんなさい。人見知りするもので・・・
 今年で5歳になります。】

「恥ずかしいのかなぁ~、愛ちゃん?」

『怖くないよぉ~、大丈夫だよぉ~、食べたりしないから』

「ちょっとぉ本気で怖がってるじゃない!」

『ごめんね・・・ 怖くない!怖くないよぉ~!!
 え~と、どうしよう・・・
 チョコレートパフェ食べる? じゃあ、頼もうねぇ~』

「もう~、ホントにすみません。
 仕事はきちんとこなすヤツなんですけど
 普段は、どぉ~しようもないバカなんで・・・」

『おい、”ヤツ”とか”バカ”は、ないだろう!』

【良かったです。楽しい方たちで!
 探偵さんに会うと思って、ここに来るまでちょっと
 緊張してたんですけど、お話しやすそうで良かった!】

『では、かるく和んだところで本題に入りましょうか!』

「アンタ、切り替え早すぎっ!
 本当にすみません。
 え~と、メールの内容からだと
 幼馴染の方を探して欲しいという事で間違いありませんか?」

【はい。】

『幼馴染ということは、20代前半ぐらいですか?』

【いいえ・・・
 私の幼馴染じゃなくて、この子の・・・】

『えっ! 愛ちゃんの幼馴染ですか?』

【そうなんです。 探してもらえますよね?】

  

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2006年10月18日 (水曜日)

1輪の花

「ZIN、コレ見て! メールが届いてる!」

『メール? ラーメン食べ終わってからでいい?』

「ラーメンなんか後でも食べられるでしょ!」

『バカ言うなよ。
 今が食べ頃アルデンテ状態のラーメンを後回しにできるか!』

「いいの、そんな事言って・・・
 たぶんコレ、調査の依頼だと思うんだけど」

『調査の依頼!! それを早く言いなさい!』

「だから、さっきから言ってるじゃない」

『え~と、調査依頼のメールはどれかなぁ~?
 コレかっ!
 どれどれ・・・

 ”近くに住んでる美由紀です。
  あなたが私のお相手として紹介されました。
  実は一緒にTバックを履いてくださる人を求めていたんです。
  Tバックに年齢は関係ないですよね!”

 OK!OK!Tバックでも何でも一緒に履いてあげますよ~~
 って、おいっ! これのドコが依頼のメールなんだよ』

「アンタ、器用ね・・・ メールにノリツッコミできるなんて!
 それはただの迷惑メールじゃない。
 メールのタイトル見れば分かるでしょ!
 それじゃなくて、その下にあるメール・・・」

『ごめん・・・ちょっとTバックが気になっちゃって』

「ほらっ、このメール見て!
 ”幼馴染の人を探して欲しい” だって!」

『行方調査の依頼かぁ~
 このメールだけじゃ情報少なくてどうにもならないなぁ~
 MAKIちゃん。早速返信して依頼者に会ってみようか!』

・・・というわけで、メールの差出人と連絡を取り
指定されたファミレスで待ち合わせをする事になった。

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2006年10月17日 (火曜日)

あいかわらずの僕ら

『MAKI・・・』

「どうしたの、ZIN? いつもの雰囲気と違うわね」

『MAKI、これからもよろしくね』

「いきなり何言ってるのよ。
 別にZINの責任じゃないわ。私自身で決めた事なんだから」

数ヶ月前・・・

【ZIN、所長にはもう言ったのか?】

『いえ、まだ言ってないです。
 ヒロさん替わりに言ってくれないですか?』

【何でオレが言わなくちゃいけないんだよ。
 大事な事なんだから自分で言えよ!】

『そうですよね。自分で言わなきゃダメですよね』

「あっ、ヒロさん。こんなトコにいたの!
 これから本間くんと調査でしょ。
 本間くん、やる気満々で車で待ってるよ」

【あぁ、わかった。じゃあZIN、オレが帰ってくるまでに
 ちゃんと言っておくんだぞ!】

『わかりました。 ヒロさん、いってらっしゃい!』

「ねぇ、ZIN?」

『何?』

「ヒロさんから聞いたんだけど、あの話ホントなの?」

『あの話って?』

「辞めるんでしょ、この事務所。独立するって・・・」

『そっか・・・ もうMAKIも知ってるんだ・・・』

「もう、決めたんでしょ。 
 ZINは一度言い出したら人の話聞かないから・・・
 私も一緒に所長のトコ行ってあげるから、さっさと片付けましょ!」

『そうだよな・・・ よしっ、所長に言ってこよう!』

  ・
  ・
  ・

『でも、あの時ビックリしたよ、正直・・・』

「何が?」

『だって、ZINが辞めるって言ったら
     となりでお前も辞めるって!』

「しょうがないじゃない。ZIN1人じゃ心配だから」

『ありがとう』

「何か気持ち悪いわね、今日のZINは!」

『いつもバカな事ばっか言ってるけど、
 意外とガラスのハートなんだよ。
 ”ガラスは割れる”、これ常識!!』

「意味が良く分らないけど・・・ まぁいいか!」

『じゃあ、これから用事があるから、 お先にドロンするね』

「ドロンって・・・アンタは中年サラリーマンかっ!」

『おつかれぇ~』

「ふぅ~。ZINの相手は疲れるわ・・・
 私も片付けて帰ろ~と、お! おお!?
 わ…私の大切にしてるボヘミアのグラスが・・・
 割れてる・・・
 これかぁ~、これがZINの言っていた”常識”なのか・・・
 明日、必殺だよ! 必ず殺してやるぅ!!」

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2006年10月13日 (金曜日)

まずは日本代表

 ♪プルルルル~ ガチャッ

「信頼と真心の調査会社、一ノ瀬探偵事務所でございます。

 ・・・はい、・・・はい、わかりました、今替わりますね!」

おお~きなのっぽのふるどけい、おじい・・・(←保留音)

「ZIN、電話よ!」

『誰?』

「J…ナントカ さん」

『カビラ=ジエイ?』

「アクセスアップがどうとか言ってた」

『J・・・?、J・・・?、Jリーグ!!

 そっか!とうとうZINにJリーグからオファーが来たか!

 浦和レッズ入団 → 日本代表 → バルセロナ・・・

 ごめん、MAKI。 もう、探偵出来なくなっちゃ・・・』

「バカじゃないの? さっさと電話に出なさいよ」

『はいはい、わかりましたよ』

チックタックチックタック、いまは、もう、うご(←保留音)

『もしもし、お電話替わりました、キャプテンの一ノ瀬です!』

  ガツンッ!!

『(痛いよ、MAKIちゃん・・・)』

「(アンタ今、”キャプテン”って言ったでしょ)」

『(ごめん、もう言わないよ)』

『すみません、少々バタバタしておりまして・・・

 ・・・で、どのようなご用件でしょうか?』

【お忙しいところ、とつぜんのお電話申し訳ありません。

 当社は”Jw○r○”といいまして、Yahooなどの検索サイトで・・・】

『(MAKIちゃん、コレ、営業電話だ・・・

 サッカー選手になれそうにないよ・・・)』

「(サッカー選手になれるわけないでしょ)」

【一ノ瀬探偵事務所様のHPを拝見いたしまして、

今回お電話したのですが

きっとアクセスアップに繋がると思いますよ。

どうでしょう?我が社に登録してみては??】

『えっ?何が??』

【我が社に登録を・・・】

『・・・で、いくら?』

【40万え】 ガチャッ

「急に電話切ってどうしたの、ZIN?」

『40万円払えってさ!』

「いい話じゃなかったの?」

『いいわけないだろっ!

 オシムはZINを必要としてないってさっ!』

「(この先、大丈夫なのかしら!?一ノ瀬探偵事務所は・・・」

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2006年10月12日 (木曜日)

プロローグ

『ハンコを作って、名刺も出来た!

 一ノ瀬探偵事務所の出航だぁ~ 面舵いっぱぁ~い!』

「アンタ、バカじゃないの? 何が”面舵いっぱい”よ。

 大海原に出てどうするの?

 私達は漁師じゃなくて探偵なのよ!」

『分ってるよ。

 でも、漁師じゃなくて海賊のつもりだったんだけど…』

「あ~アレだ!パイレーツオブカリビアンに影響された?

 ”ZIN”の前に”キャプテン”を付けろ!とか

 言い出さないでよ!」

『何で分ったの?』

「やっぱり・・・

 アンタ、一ノ瀬探偵事務所の代表なのよ!

 ちょっとは自覚を・・・」

『だから~、代表じゃなくてキャプテンだって!

 名刺にだって、これ、ほらッ!』

「うわぁ~。ホントにキャプテンって書いてある・・・」

『カッコいいだろ。』

「カッコいいとかじゃないでしょ。遊びでちびっこ探偵団やるのとは

 違うんだからね。 仕事よ、し・ご・と!!」

『えぇ~』

「”えぇ~”じゃない!!」

『あっ、そうだ! コレ、MAKIちゃんの名刺もあるよ。』

「・・・・・。 

全部作り直しなさい!」

『何で?』

「何で?じゃない!

 ”CTU 情報分析官 クロエ=オブライアン”って・・・

 ”MAKI”の”Mの字”すらないじゃない!」

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2006年10月11日 (水曜日)

久しぶりだぁ~!!

大変長らくお待たせ致しましたぁ~

この度、ZINが探偵社を設立して新たな道を歩む事になりました!
これからは新しいメンバーと一緒に調査をしていきます。
『探偵物語セピア』の更新をしばらくお休みしていたんだけど
これからまた調査日記を書いていくので
数少ない『探偵物語セピア』ファンの人はお楽しみに!

さて、新しいメンバーとはどんな人なのか?
もしかしたら、引き続き馴染み人が出てくるかも!?

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2006年4月20日 (木曜日)

海と星とZIN ⅩⅣ

『たっだいまぁ~ 

      みんなぁ~、帰ってきたよぉ~』

「うるさいわね! あなた、いくつよ?子供じゃないんだから!」

『久しぶりなんだから、もっとやさしい対応出来ないの?MAKIちゃん』

【お帰りなさい、ZINさん。】

『おっ! 本間くんも久しぶりだね。お土産買って来たよ!』

【久しぶりって言っても、”中1日”じゃないですか!】

『”中1日”って、人をピッチャーみたいに言うなよ・・・

          ハイッ、これお土産。みんなで食べて!』

《おぉ、ZIN! 帰ってきたか。

 ジョージさんから聞いてるぞ。 調査、上手くいったみたいだな!》

『所長ぉ~、オレやったよ、オレ頑張ったよ・・・』

《よしよし、お前は良くやった、頑張ったよ》

『所長ぉ~!』

《ZIN~!!》

【また始まった・・・ 所長とZINさんのベタな青春ドラマ・・・】

「ちょっとぉ~ ZIN!!」

『何? MAKIちゃん。』

「アンタ、温泉行ってきたの?」

『温泉まんじゅうは嫌い?

 栃木の温泉地で買ってきたんだけど・・・

 もしかして、冷凍ギョウザの方が良かった?』

「栃木の温泉地って、ドコよ?」

『え~と・・・ 那須だったかなぁ~』

「ふ~ん・・・那須ねぇ・・・

 栃木に”伊東”ってトコロあったっけ?」

『いっ、伊東!?

 何言ってるの、MAKIちゃん?? 栃木に伊東はありませんよ!』

「じゃあ、コレは何?

 ”発売元 静岡県伊東市・・・”って!」

『うっ、うわぁ~ こんなトコロに伏兵がぁ~』

「アンタ、私を騙したわね!!」

『ちょっ、ちょっと待って、MAKIちゃん・・・

 これには、いろいろと理由がありまして・・・

 そう! 全部、所長が決めた事なんだよ!』

《おい、ZIN! 

 何言ってるんだ? オレを巻き込むな!》

「所長もグルなの?

      2人して・・・ 私を・・・」

《ZINっ!》

『所長ぉ!』

《逃げるぞ!》

『所長ぉ!』

《早く!早くクルマに乗れ!》

『はい、所長ぉ!』

   

 この後、何も知らないヒロさんが事務所に帰ってきて

 MAKIの餌食となりました・・・

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2006年4月19日 (水曜日)

海と星とZIN ⅩⅢ

【今度は追い抜くなんてミスはしないでよね!】

「大丈夫! 東京入ればゴールは目の前。

         ピッタリ後ろに付いていくさ!」

『置いてけぼり・・・ ヒッチハイク・・・』

【どうしたの、ZINくん。 さっきからブツブツ言って。】

『いや・・・ 何でもありません・』

「こ~して今クルマに乗ってるんだから、いいじゃないか!」

『そ~ですね・・・』

「ほらっ、ZINくんの仕事だよ!」

『何ですか?』

「今から対象者のクルマの隣りを走るから

            乗っている姿を撮影してくれ!」

『はい・・・』

「どうした、元気ないぞ?

 これは、ZINくんしか出来ない仕事だ!

 君の撮影技術じゃないと無理なんだ!」

『ZINにしか出来ない仕事?・・・

         わかりました、任せて下さい!』

  時にはスピードを合わせて横から撮影。

  また時には、対象のクルマの前に入り、正面から撮影。

  クルマという密室空間で気を緩めまくっている2人の表情を

  これでもかっ!ってぐらい、たくさん撮影できた。

【どう? 上手く撮れた?】

『はい、バッチリです。

 ジョージさんの運転技術のおかげです。』

「もうすぐ、女の家に着く。

 先回りをして、るるとZINくんを降ろすから

 女がクルマから降りて家に入る所をきっちり撮ってくれ!」

『わかりました。 行きましょう、るるさん!』

  クルマから降りて、10分後・・・

『るるさん、来たよ! クルマ!!』

【じゃあ、私が対象者たちから見えないように壁になるから

 上手に撮影してね!】

『はい、任せて下さい!』

【ZINくん、女がクルマから降りたわよ!】

『はい・・・ るるさん、もうちょっと横にズレて!』

【ほらっ、男に向かって手を振ってるわよ!】

『るるさん!もうちょっと、こっちに動いて!』

【女が家に入るわよ!】

『もうちょっと、こっちに・・・』

【どう? 上手に撮れた?】

『はい、完璧です!』

「でも、ZINくんの”こっち”とか”そっち”とか注文が多いから

      1人社交ダンスみたいになっちゃったじゃない!!】

『すみません。 でも、見てておもしろかったですよ!』

【もしかしてぇ~ わざとやらせたんじゃ・・・】

『最初は本当だったんですけど、

 後半はおもしろくなってきちゃって、つい・・・』

【もぉ~ ZINくんのバカっ!】

  

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2006年4月18日 (火曜日)

海と星とZIN ⅩⅡ

【もうそろそろ来てもイイ頃なんだけど・・・】

「ここのPAは広い! 広すぎる!!

 2人はクルマを降りて向こうのトイレを見てきてくれないか?

 オレはこっちのトイレを見てるから!」

『わかりました。 るるさん、行きましょう!』

 るるさんとZINは、クルマを降りて300mぐらい離れたトイレを

 確認しに行く。

『るるさん、どうですか? いました?』

【ううん・・・いない。

 もしかしたら、お土産売り場にいるかも!?】

『それじゃ~ 手分けしてお土産売り場を探しましょう!』

 るるさんと別れてお土産売り場を探すZIN。

『何だ、このお土産売り場・・・

 広すぎて見つけられる気がまったくしない・・・

 アレ!?   るるさんはドコに行ったんだろう・・・』

   プルルルル~♪ プルルルル~♪

『はい、ZINです。』

「ZINくん、早くクルマに戻れ!

          対象者たちが出発するぞ!」

『えっ! マジですか!?』

 電話を切り、クルマに向かって走る。

 そして、ある事に気付いた!

『あっ! るるさん、忘れた・・・   どうしよう!?

 とりあえず、クルマに戻ろう!』

 工業高校時代以来の100m以上のダッシュ。

 ハァーハァー言いながらクルマのドアを開けると・・・

【遅いわよ! 早く乗って!!】

『えっ!? るるさん、いたの?』

 クルマに飛び乗り、まだ手が届くぐらいの所にいる

 対象者のクルマを追いかけ始める。

『るるさん、何で先にいるの?』

【ジョージから連絡をもらって、すぐ戻って来たのよ。】

『ZINもすぐ戻って来たんですけど・・・』

「ごめんよ、ZINくん。

 オレはてっきり”るる”と一緒にいると思ってたから

 最初ZINくんには連絡しなかったんだよ!」

【私が戻ってきたら、”えっ、1人?”って聞いてたもんね!】

「あと10秒戻ってくるのが遅かったら置いて行こうと

         思ってたんだけど、何とか間に合ったね!」

『高速のPAに置いて行く??

 ヒドくないですか?

 もし置いて行かれたら、どうやって帰ればいいんですか?』

「ヒッチハイク!」

  

 

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2006年4月16日 (日曜日)

海と星とZIN ⅩⅠ

『ここからだと・・・

 西湘入って湘南走って逗子から首都高方面に行くか?

 小田・厚入って東名方面に行くか? って感じですよね?』

【元サーファーの意見はどうなの?】

「元じゃないって言ってるだろ!

 ん~、まぁ普通だったら東名だろ。

 小田・厚の料金所で待ってみるか!」

  

  30分後・・・

  

【まだ来ないわよ。

 ホントにこっちに来るの? ZINくんはどう思う?】

『80%ぐらいの確率でこっちに来ると思いますよ。

 例えを言うなら渡辺さんのアダ名が”ナベちゃん”って言うのと

 同じぐらいの確率で・・・』

【確かそのネタ、前にブログで書いてたわね。

 それって、本当なの?】

『まぁ~、TVでやってましたから当たってると思いますよ!

 るるさんのお友達で”渡辺さん”っていませんか?』

【いる!】

『アダ名は?』

【・・・ ナベちゃん・・・】

『ほらねっ!』

「ほら見ろ! オレの言ったとおりだろ!」

【何が?】

「対象者のクルマが来たぞ!」

『さすがジョージさん! カンが冴えてますね!!』

「尾行再開!」

 そして、3分後・・・

【あぁ~~~!】

『あぁ~~~!』

「あぁ~~~!」

『・・・ やっちまいましたね、ジョージさん・・・』

「これはしょうがない。

 車線が違えば流れも違う。 自然の摂理というヤツだ!」

【どうするのよ! また、追い越しちゃって!】

「オレに考えがある!」

【何よ?】

「ヤツらは今までトイレに行っていない。」

【・・・で?】

「次のPAで待ち伏せする。」

  

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2006年4月15日 (土曜日)

海と星とZIN Ⅹ

『おっ・・・お邪魔しますぅ・・・』

「ようこそ!! マークトウェイン号へ」

【いつからそんな名前になったの、このクルマ?

              ZINくん、今日1日よろしくね!】

『はい、頑張ります!』

 昨日まで調子良く走っていたヒロさんのクルマが

 なぜか今朝から調子が悪い。

 そこで急遽ZINがジョージさん達のクルマに乗り込むことになり

 この日1日行動を共にすることになった。

『昨日ほとんど寝てないんじゃないですか?

               大丈夫ですか、ジョージさん?』

「それを言ったらZINくんも同じだろ! 頑張ろうよ!」

『おお!! なんて爽やかな笑顔なんだ!

 ここ数日ろくに睡眠を取ってないとは思えない笑顔。

 (けど・・・ 目が真っ赤だ・・・ ホントに大丈夫なのか?)』

【ほらっ、2人共起きてる? 対象者たちが出てきたわよ!】

「さすが高級旅館。 お見送りの仲居さん達が勢揃い。

         クルマが走り去るまで”おじぎ”をしてるぞ!」

『あの人達、頭のてっぺんに目がついてるの?』

「えっ、何で?」

『見えなくなった瞬間、みんな一斉に旅館に戻って行ったよ。』

「たぶん、1人だけ薄目で見てたヤツがいるんだろ!

    そいつが合図を出して、みんな一斉に戻ってるんだ。」

『でも、薄目で見てたとしたら地面しか見えないと思・・・』

【何言ってるの、2人して! ほらっ、尾行しなくちゃでしょ!】

 対象者たちのクルマが走り去ったのを確認して

 少し時間・距離をおいて尾行を開始する。 

『ジョージさん、マズイですよ!

 道が渋滞してて追い付きそうにないんですけど・・・』

「そうだよな~ マズイよなぁ~

 よしっ! ここはオレを信じろ!裏道を通って先回りをしよう!」

『ジョージさん。 この辺り詳しいんですか?』

「この辺りは、波乗りに良く来てたからなぁ~」

『えっ!? ジョージさんって元サーファーだったんですか?』

       「元じゃない! 現役だ!!」

 渋滞でまったく動いていない有料道路を横目に

 スイスイと先に進んでいく。

『ジョージさん、凄いですね! 

          こっちの道、全然渋滞してない。』

「そうだろ!」

『でも・・・ ちょっと気付いた事があるんですけど・・・』

「何だ?」

『これって、先回りし過ぎじゃないんですか?

       対象のクルマ、ずぅ~と後ろの方ですよ!』

「だよな・・・ オレも今、気付いた・・・」

  

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2006年4月14日 (金曜日)

海と星とZIN Ⅸ

 都会ではプラネタリウム以外で決して見ることの出来ない

 満天の星空。

 天体観測・・・じゃなくて、撮影を終えてペンションに向かった。

『ヒロさん!』

《おっ!やっと来たか。 待ちくたびれたぞ。》

『・・で、ZINの部屋はドコですか?』

《”103”だ。 男同士で1晩過ごそうぜ!》

『”過ごそうぜ!”って言ったって、ゆっくり出来るのは

 ヒロさんだけですよ・・・』

《まぁ~そう言うなよ。 オレがZINの分まで寝てやるから!》

『意味が分からない・・・ それって、嫌味ですか?

 ジョージさん、どうします? こんな事言ってますけど・・・』

「まぁ、今日はヒロくんが一生懸命尾行してくれて

 いい映像撮ってくれたから! 

 ゆっくり休んで明日に備えてくれ。」

『ジョージさんまでヒロさんの味方して・・・

 じゃあ、ZINはTVでも見てますよ~だ! VOL最大にして!!』

  

 ジョージさんと2人で定時の撮影と確認するために

 ペンションの外に・・・

『アレっ? ドアが開かない??

        オーナーがカギ閉めたのかなぁ~』

「そんなはずは無い!

 ちゃんとオーナーに説明して開けといてもらっているから!」

『でも、開かないですよ。』

「ちょっと替われ! ドカッ!!」

 ジョージさんがドアを押し開けた瞬間!

 ものすごい強風がペンションに入り込んできた。

『何ですか、この風? 台風みたいですね!』

「この風が原因だったのか!こんな強い風、初めてだ・・・」

『でも・・・行くんですよね・・・』

「当たり前だよ!」

 ペンションの出入り口から駐車場まで続く長い階段。

 手すりに捕まってないと簡単に吹き飛ばされちゃう位の風。

 そんな強風の中、1時間ごとに同じ作業を繰り返している。

『もう時間ですか?』

「頑張れ、ZINくん」

 若干の仮眠を取りながら、睡魔と闘い続けたジョージさんとZIN。

『ジョージさん、見てください! 外、明るくなってきましたよ。』

「いつの間にか風も収まったな!」

『ジョージさん、アレッ!   海が見える!!

           水平線から朝日が昇ってきますよ!』

「夜は暗くて分からなかったが、

  こんな眺めのいいペンションだったとは・・・」

『すばらしい・・・

 なんてすばらしい景色なんだ!』

「ZINくん、ちょっと大袈裟過ぎないか?

 そろそろ、2人も起こして現場に向かおう! 張り込み開始だ!」

  

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2006年4月13日 (木曜日)

海と星とZIN Ⅷ

『こういう観光地だと、

 やっぱりカップルで動いた方が怪しまれないですよね!』

【そうね!

 派手なカッコさえしてなければ、どんな場所でも大丈夫よ。】

『マックスにも”MAKI”って女の子がいるんですけど

             るるさんぐらいやさしかったらなぁ~』

【そんなことないわよ!  ジョージとは、いつもケンカばっかり。

 コンビが長いと気を使わずに思ったこと言っちゃうからね。

 言いたいことお互いに言い合って、すぐケンカになっちゃうのよ】

『何となく、わかります・・・』

「着いたぞ! ZINくんよろしく!!」

『はい、少し歩いて様子見てきますね!』

 撮影道具を持ち、クルマから降りて夜空を見上げたら・・・

『るるさん、すごいよ!

 夜空に星が・・・ 星がいっぱいだよ!』

【えっ!? ホントだ!!

 夜空に隙間がないくらい、星が敷き詰められてる・・・】

『星が多過ぎで、ちょっと気持ち悪・・・』

【そんなこと言わないのっ! とっても綺麗じゃない!!

          ロマンチストじゃないのね、ZINくんは・・・】

『冗談ですよ! 星空に吸い込まれそうです、とっても・・・』

【ZINくん。 あの星座は何て言うんだっけ?】

『あれは、カシオペア座ですよ! ”W”みたいなヤツでしょ!』

【あっちは?】

『あれは、有名ですよ! 知らないの?』

【実は知ってる! 北斗七星よね!!

 でも、星が多過ぎて星座が分からなくなってくる・・・】

『ホントに・・・ そうですね・・・』

「もしも~し?

 もしも~し?、お二人さん!

 お仕事は? お仕事忘れてるよ!」

『あっ、すみません・・・ 急いで行ってきます!』

【いいのよ、あんなのほっとけば!!】

  

 

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2006年4月12日 (水曜日)

海と星とZIN Ⅶ

 土曜日ということもあり、どこも満室で

 なかなか都合のいい宿が見つからない。

【・・・そうですか! ありがとうございます。

      では、これから伺いますので!】

『るるさん!』

【やっと見つけたわよ、ペンション】

「よし、宿も見つかったようだな!

 ヒロくん、悪いけど先に1人でペンションに向かって

 チェックインしといてくれないか?

 それと、ZINくんをちょっと借りるよ!」

《どうぞ、ご自由に!》

『ヒロさん、ヒロさん!』

《なんだよ、ZIN?》

『どこに連れて行かれるの?  誘拐? 監禁?

 もしかして、船に乗せられて外国に売られるの?』

《そんなこと、自分で聞けよ!

 お前を買ってくれる国なんてある訳ねぇ~だろ!》

「じゃあ、ZINくん! こっちのクルマに荷物移動して!」

『ジョージさん、これからどこに行くんですか?』

「これから、対象者たちが泊まっている高級旅館に行くんだよ!

 オレが運転するからZINくんに撮影してほしいんだ。」

『るるさんは?』

「るるは、アシスタントとして使ってくれ!」

【よろしくね!】

『船に乗せられて売り飛ばされる訳じゃないんですね!』

「何言ってるの? 早く行くよ!」

 ジョージさんのクルマの助手席には、

 見たことの無い特殊な撮影機材が置かれている為

 るるさんとZINは後部座席に乗り込んだ。

 そして、クルマ2台がそれぞれの目的地に向かっていく。

【ZINくん、今日は疲れたでしょ!】

『大丈夫です。 今日はクルマから1歩も降りてませんから』

【えっ!? そうなの?】

『冗談ですよ!』

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2006年4月11日 (火曜日)

海と星とZIN Ⅵ

 陽が沈み、辺りが薄暗くなってきた頃、

 ジョージさんたちと合流して喫茶店で打ち合わせをしていた。

ヒロ 《やっと落ち着きましたね。》

ジョー「オレはてっきり有名どころのホテルに泊まると

          思ってたんだけど、その上があったとは・・・」

るる【あそこは1人1泊数万円もする高級旅館らしいわよ。】

ZIN『あ~、疲れた。』

  《おいZIN!

   お前は何もしないでオレの横にいただけなのに

   一番疲れた顔してるな!》

  『横にいただけじゃないですよ!

   イマジネーションの世界を行ったり来たり・・・

   当たってたでしょ、伊東だって!』

  《はいはい、分かったよ!

   ・・・で、これからどうしましょうか?ジョージさん。》

  「一度旅館に入れば、チェックアウトの時間まで出てこないだろう

   1時間ごとに車両の確認と撮影をオレとZINくんで行くから

   るるとヒロは、明日の為に休んでくれ!」

  【じゃあ、私が近くの宿を探すわ。】

  「頼む。」

  『ねえねえ、ヒロさん。』

  《何だよ、ZIN。》

  『1時間ごとにだよ、寝れないよ・・・

        このままじゃ、ZINの明日はないよ・・・』

  《頑張れ! オレは寝る。》

 

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2006年4月10日 (月曜日)

海と星とZIN Ⅴ

『ほら!  今のところZINが思った通りの行動をしてるでしょ!

 西伊豆の漁港で干物買って、

 今は下伊豆のコンビニで休憩してる。』

「やるねぇ~ (バシッ バシッ)

 やるねぇ~ (バシッ バシッ)」

『ちょっと、痛いっスよ。 そんなに叩かないでくださいよ。』

「やるねぇ~ (バシッ バシッ)

 ZINくん、やるねぇ~ (バシッ バシッ)」

『ZINの言ったこと当たってるのが、そんなに気に入らないの?

 っていうか、イテェ~よ!!』

「おっ! ZIN、キレたのか?」

『・・・・・ キレてないですよ!』

「おぉ、小力できたか!」

『オレをキレさせたらたいしたもんだよ。』

「も~いいから。 ゴメンよ。

 ZINの予想だとこれからドコに向かうんだ?」

『ちょっと待ってください。  う~~~~~ん・・・』

「ん? 何? トイレ行きたいのか?」

『ちょっと静かにして下さい。 今、大事なトコなんです。

     イマジネーションの世界へ飛び立ってるんです。』

「あっそう・・・ で、ドコに向かうの?」

『出ました!

 このまま、海沿いを走って”伊東”方面に向かうでしょう!』

「伊東? 伊東のどの辺だ?」

『ん~・・・

 きっと、バナナワニ園とかシャボテン公園とか・・・』

「公園ばっかりだなぁ。

 メジャーなトコ適当に言ってるだけだろっ。」

『あと、ぐらんぱる公園!』

「公園はもういいよ。 ほら、動き出した! 尾行するぞ!」

 

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2006年4月 9日 (日曜日)

海と星とZIN Ⅳ

 対象者の車は、首都高から東名に入り、

 西伊豆に到着した、らしい・・・

「ZIN、起きろ! 伊豆に着いたぞ!」

『えっ、マジで! 早いっスね!』

「そりゃ、寝てれば早いよな!

 先輩に運転させて隣で寝てるとは、いい度胸だ!」

『ヒロさんの運転が上手いから、気持ち良くて寝ちゃったんですよ。』

「そうかぁ~♪」

『(単純な人だ・・・) 

 ところで、ジョージさんとるるさんはドコにいるんですか?』

「渋滞にハマって、少し後ろにいるみたいだぞ。」

『いったい今、何時なんですか?』

「まだ朝だ! あんだけ早く出てくればって感じだよ。

       きっとこの辺りのホテルに泊まるんだろっ!」

『ちょっと待って下さいよ! ”まだ朝だ”って言ったじゃないですか!

      絶対これから東伊豆方面に向かって行くと思いますよ!』

「Why?」

『Why?って・・・ いつから外人に・・・

    ペリー! ペリーのつもりなんですか?』

「Yes!」

『うわぁ~、ペリーが来航しちゃったよ!

 WhyとかYesとか、ヒロさん英語苦手でしょ~

 簡単な英語ばっかり・・・

 とりあえずZINが思うには、今の時間だとチェックインには

 早過ぎます。

 ・・・で、観光をするって言っても西伊豆は景色は

 めちゃくちゃイイですけど、そこまで時間を潰す場所では無い

 と思うんですね!

 そぉ~考えると、西から伊豆に入って下伊豆→東伊豆、

 もしくは中伊豆に向かうのが妥当ではないかと思うのですが・・・

 どうですか? ペリーさん!』

「・・・・・。」

『適当な単語が思い付かなかったんでしょ~

 実際尾行をしていかないと、ドコに泊まるか分からないんだから

 こっちも伊豆観光して楽しみましょうよ!』

「イエッサー!!」

『あの~。 ココ、軍隊じゃないんですけど・・・』

  

 

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2006年4月 8日 (土曜日)

海と星とZINⅢ

『今、何時ですか?』

《朝の4時半だ!》

『早いよ、早過ぎだよ・・・』

 今回の調査対象者は『男』

 依頼者である奥さんが、週末に旦那さんが『女性』と

 旅行に行くという情報を摑み、調査をすることになった。

『今、ジョージさんとるるさんはドコ?』

《男のクルマを尾行して、こっちに向かっているはずだ!》

『・・・で、ここはドコ?』

《一緒に伊豆旅行に行くと思われる女の家!

 ジョージさんが事前にやっていた浮気調査で判明したらしい…》

   プルルルルル~♪ プルルルルル~♪

『はい、ZINです。』

「ZINくんか? ジョージだ!」

『おはようございます!

 ・・・で、今どの辺にいるんですか?』

「あと10分ぐらいでそっちに着くから、準備をしておいてくれ!」

『わかりました。』

   

『ヒロさん、あと10分ぐらいで来るそうですよ。』

《そうか。 久しぶりの長距離尾行だ!

            気合入れていくぞぉ~!》

『まだ、4時半ですよ!

 そのテンションじゃ夜まで持ちませんよ!』

      ・ 

      ・

      ・

《来たぞ!》

 対象者のクルマが女の自宅前に停まり、携帯電話をかける。

 1分後・・・

 両手にカバンを持った女がクルマに乗り込み、

 首都高方面に向かう。

『ジョージさん、やる気満々みたい!

           真後ろにピッタリくっ付いてる。』

《負ける気がしねぇ~!  オレが伊豆に1番乗りしてやるぜ!》

『ちょっと待ってよ、ヒロさん!

 それは、尾行って言わないよ。

 追い抜いて伊豆目指しても、違う場所に行かれたらアウトだよ!』

《危ねぇ~、危ねぇ~・・・

 オレ、ハンドル握ると性格変わっちゃうんだよ!》

『それでよく今まで探偵やってこれましたね!』

  

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2006年4月 7日 (金曜日)

海と星とZINⅡ

『ヒロさん、これで最後です。』

《1泊2日だから結構な荷物になっちゃったな!

       ・・・ところで、MAKIにはバレてないよな?》

『今のところは・・・

 念の為、本間くんには栃木に行くと言ってあります。』

《よしっ! どこで情報が漏れるかわからない・・・

 もし、MAKIに1泊2日で伊豆に行くことがバレたら

 オレもZINもこの界隈じゃ生きていけなくなるからな!》

『生きながらの地獄・・・ まさに生き地獄ですよね・・・』

【ZIN!ヒロさん! 何話してるの?】

『MAKIちゃん!!』

【明日から栃木に行くんだって? 本間くんが言ってたわよ!】

『(危ねぇ~ ホント本間のヤローはおしゃべりなんだから・・・)

 そ~なんだよ、栃木なんて面倒臭いよ ねぇ~ヒロさん!!』

《(オイッ、バカ! オレに話を振るな! 汚ねぇ~ぞ、ZIN!)

 ああ、オレの中で栃木と言えば”ギョウザ”と”MAXコーヒー”しか

 イメージ無いからな!》

【栃木って温泉も有名じゃない! 日光と那須・塩原とか!

 でも、私の中じゃ温泉って言ったら、やっぱり伊豆かな!】

『 いずぅ~!? 』

 

 注:ここからはZINとヒロさんのアイコンタクトを文章にしてます。

 

《オイ、ZIN! MAKIのヤツ”ギョウザ”と”MAXコーヒー”から

                     伊豆まで辿り着いたぞ!》

『ああ、やっちゃったよ・・・ 全部ヒロさんのせいだ!』

《何言ってるんだよ! 

 もとはと言えばZINがオレに話を振ったのがいけないんだ!》

『すぐ そぉ~やって後輩のせいにする!

          怖いなぁ~、先輩って怖いなぁ~』

 

【2人で何やってるの?】

『いやぁ~ 別に・・・ お土産にギョウザ買ってくるから・・・』

【うん、絶対よ!】

『MAXコーヒーは?』

【コーヒーはいらない。 私、紅茶派だから!

    ちゃんと、るるさんのお手伝いしてくるのよ。】

『はぁ~い! (危ねぇ~・・・バレるかと思った・・・)』

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2006年4月 6日 (木曜日)

海と星とZIN

『よしっ! コレで準備OK!!』

「アレ!? ZINさん、そんな荷物カバンに詰め込んで

                     ドコに行くんですか?」

『見つかっちゃったか!

 本間くんも調査のコツを摑んできてZINが教える事も

 無くなった・・・  そろそろ潮時かなぁ~と思って!』

「マックス辞めるんですか?」

『ああ・・・』

「お疲れ様でした。」

『お疲れ様じゃねぇ~よ! 止めろよ、止めてくれよ!!』

「わかってますよ! ZINさんはマックス辞めないでしょ!

 本当は何をしてるんですか?

 そんなに調査道具準備して!」

『明日からヒロさんと2人で、

        るるさんトコの調査を手伝ってくるんだよ!』

「現場はドコなんですか?」

『え~と、現場は・・・ そう! 栃木、栃木県の方!』

「栃木? 山ですか・・・

 海があるトコだったら、絶対に連れてってもらったのに・・・」

『残念・・・  今回行く所は、見渡す限り「山」と「空」、

 時々ギョウザみたいなトコだから、

 本間くんは大人しく留守番しててね!』

「はいっ! 地元の調査は僕とMAKIさんに任せてください!」

『ああ、頼んだよ!』

《お~い、ZIN! 準備は出来てるかぁ~!》

『はい、パーペキです!』

《パーペキって死語だぞ・・・

 まぁいいや! 荷物クルマに積むから持って来いよ。》

『今、行きま~す。』

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2006年2月22日 (水曜日)

ラストソングⅩⅣ

「ZINく~ん」

『何?』

「ガムに夢中になってる場合じゃないわよ!」

『何で?』

「降りたわよ、電車」

『じゃあ、追いかけて。  オレ、もうちょっと遭難してるから』

「ふてくされてる場合じゃないわよ! 仕事でしょ!」

『はいはい、わかりました。』

  降りた駅は、対象者宅の最寄り駅ではない。

「このまま、女の家に行きそうじゃない?」

『だね! 行きそうだ。

      今日は、ヒロさんとじゃなくて良かった。』

「えっ、何で?」

『こんな暗くてひと気の無い道、男2人で追いかけるの結構辛いよ』

「そうでしょ! 私の有り難味、わかったでしょ!」

 暗くてひと気の無い道を腕を組んで歩く対象者たち

 ・・・の後ろをカップルみたいに腕を組んで尾行するZINとMAKI。

「あっ、入った! あのアパートが女の家みたい!」

『今、明かりがついたのキッチンっぽくない?』

「きっと、対象者に愛情たっぷりの手料理作っちゃうんでしょ!」

『MAKIちゃんも誰かの為に手料理とか作っちゃうわけ?』

「そりゃねぇ~ 女の子だから料理ぐらいは・・・!』

『・・・で、それを食べた男は、みんな逃げちゃうんだ!』

「あのね~

  言っておくけどメチャメチャ上手いんだよ! 料理だけは!!

  じゃあ~今度、食べてみる?」

『別にい~けど、胃薬必要?』

「・・・殺すわよ!・・・」

  依頼者と連絡を取り、ここで調査は終了。

  そして、この女性の身元を割り出す為、

  数日後の朝、調査を決行!

  時刻はAM7:30  

  アパートを出てきて、ゴミを出す女性。

  その後、自転車にまたがり会社に向かう。

  周りの様子を伺って、そっとゴミ捨て場に近づくZIN。

  書かなくても何となく解るよね・・・

  特殊調査を行って身元を割り出す。

  名前と住所、それに家族の情報と携帯番号までわかった。

『マジかよ・・・この女、旦那と子供がいる・・・W不倫ってヤツだ!』

  旦那が仕事か何かでいない隙をねらって・・・ 子供も預けて・・・

『対象者を連れ込んだんだ! ZINには考えられない・・・』

  女の人って、大胆で度胸があるなぁ~と実感した。

  部屋の中では浮気の証拠は残してないだろうけど

  ZINがしっかり証拠を撮りました!

  

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2006年2月21日 (火曜日)

ラストソングⅩⅢ

ライブハウスのエレベーターから続々と人が出てきた。

『終わったみたいだな』

「そうね。 でも、すごい人の数・・・」

『対象者たちを見逃すなよ!

 ・・・って言ってるそばから、人が多すぎてワケが分からなくなってきた。」

「ZIN! アレッ! あの2人そ~じゃない?」

『おぉ! アレだ! 間違いない! でかしたぞ、MAKI』

「何よ、エラそうに・・・ 早くしないと置いて行くわよ!」

『何言ってんだよ! 俺がいなきゃ何も出来ないだろ!』

「・・・・・・」

『待てよ、MAKI! MAKIちゃん、置いてかないでぇ・・・』

   ドコにも寄らず、渋谷駅に直行する2人。

『もういい時間だろ! デートだろ! あの2人、飯食わないの?』

「そんなこと知らないわよ。  見失わないように尾行しなさい!」

   電車に乗り込み、帰路に向かう2人。

『このまま帰っちゃうの? ご飯は?』

「うるさいわね。 これでも食べてなさい!」

『何コレ、ガム? パンとか無いの?』

「満員電車の中でパン食べる気?」

『ガムで空腹を満たせというのか?

             俺は、雪山で助けを待つ遭難者か?』

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2006年1月26日 (木曜日)

ラストソングⅩⅡ

『何だこれ・・・ すげぇ~人だ…』

「立ち見だったら!って言ってたけど、入れないんじゃない?」

『でも、入るしかないだろ、行くぞ!』

  想像していた以上の客の多さ。

  ステージの上には、スポットライトを浴びた具志堅さんがいる。

【今日は、私のワンマンライブに来てくれてありがとう!】

「ほらっ、女だったじゃない!」

『しぃ~、静かに!』

【次の曲は、私のデビュー曲『ラストソング』です。

                    聞いてください・・・ 】

「歌うわよ!」

『ドキドキッ!』

      ♪

      ・

      ・

      ・

忘れてないよ、君との約束

世界中に聞こえるくらい

大きな声で歌えるよ。

僕の声が翼になって、僕の唄が君に届く

「愛してる」の一言は恥ずかしいから

僕の思いをこの歌に ラストソングに

      ・

      ♪

『バラードかぁ! 心の奥に語りかけてくるような詞・・・

        いい曲だな、MAKI!』

「うん・・・」

『えっ、泣いてるの?』

「誰が?」

『お前だよ、MAKI。 泣いてんだろ?』

「泣いてないわよ。 ちょっと、アクビしただけ・・・

          外に出て、眠気覚ましてくる・・・」

『おいっ、ちょっと待てよ! 仕事はぁ?』

「この人数の中で、見つけられないでしょ」

『わかったよ。 一緒に出よう。』

  ライブハウスを出て、出入り口が見える場所で

  張り込みをすることにした2人。

『確かにいい歌だったけど、泣くか?普通・・・』

「ごめんなさい・・・

 あの歌を聴いてたら胸がいっぱいになっちゃって、涙が勝手に…」

『あの中にいても何も出来ないから、丁度良かった・・・

 ハンカチ貸そうか?』

「そのぐらい持ってるわよ!」

『なんなら、オレの胸の中で・・・』

「いいわよ、汚い・・・」

『汚いってなんだよ。 それより調査続けられるか?』

「大丈夫・・・」

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2006年1月16日 (月曜日)

ラストソングⅩⅠ

『バンドじゃなくてガッカリだけど、

         いいアーティスト発掘できたよ! オレ!』

『いいのは、名前だけでしょ!  曲も何も聞いてないじゃないの!

                でも、あの名前は反則よね・・・」

『さぁ~ これから、どうする? 出てくるまで張り込むか?』

「所長に、依頼者と連絡とってもらう?

         ココに入るか?入らないか?」

『でもさぁ~ 

  今から入ってトコロで、ぜったい中で確認出来ないぞ!』

「でも、アンタ気にならないの?具志堅さんがどんな人か?」

『気になる! すっげ~気になる!!

        アフロだぜ! ぜったいアフロだぜ!』

  ここで、所長から依頼者に連絡をとってもらい、

  これからどうするのかを聞いてもらった。

『2人なんだけど…これから入れる?』

【立ち見でしたら大丈夫ですよ!】

「じゃあ、2人でおいくらですか?」

  ”2人を確認出来なくてもいいから、中に入って様子を

  見て欲しい”と依頼者からの要望があった。

『よし、敵陣に潜入だ!

 相手は男なのか?女なのか? ワクワクするなぁ~』

「バカじゃないの? ”陽子”だから女に決まってるでしょ!」

『100%って言い切れるか? 

 もしかしたら、”陽子ぅ”ってなってたかもしれないんだぞ!

 そこまで、細かいトコロ見たか?』

「見てないけど、あり得ないでしょ!」

『バカ! それを先入観って言うんだよ』

  防音になっているとは言え、かすかに聞こえる楽器の音・・・

  そっと、会場の扉を開けてみた・・・

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2006年1月11日 (水曜日)

ラストソングⅩ

『あ~、もうヤダ!  何でこんなに人がいるんだ?』

「しょ~がないでしょ! 渋谷なんだから!」

『”渋谷なんだから!”で片付けんなよ!

        ・・・で、ココどこ? ”えん山町”?』

「”まる山町”! ”円山”って書くけど、”まる山町”って読むのよ!」

『おい、MAKI! 

 あの辺、行列がいっぱい出来てるぞ! ラーメン屋か?』

「この辺は、ライブハウスがいっぱいあるのよ!

                  その行列じゃない?」

『そうなんだ・・・

 でも、あの2人はライブハウスって感じじゃないよな!』

「そうね。

 この先にホテル街があるから、そっちに行くんじゃないの?」

  相変わらず、キョロキョロしながら進んでいく2人だったが!

「並んだ・・・ネ。」

『えっ! ドコ? ホテル?』

「ライブハウスの行列に並んだわよ、あの2人!」

『あ~、うわ~、ちっ ちょっと待って! どんどん中に入ってくぞ!』

「チケット買ってないわよね!」

『前売り券を持ってたのか?』

「でも、ココに入っちゃえば、しばらく落ち着くわね!」

『そうだな!

 でも、あの2人がライブハウスに入るとは思わなかった…』

「やっぱり、ライブハウスって言ったらアマチュアバンドよね!?」

『ああ・・・ ロックかなぁ~、それともパンクか?』

「今日は、誰が出るの?」

『ちょっと、待ってろよ! オレ、見てくる!』

      ・ 

      ・

      ・

「ちゃんと、見てきたんでしょうね!?」

『ぐ・・・ ぐし・・・ ぐし・・・』

「何よ? 笑ってないで早く言いなさいよ!」

『ありえない・・・ 絶対ありえないよ、あの名前!

        ハァッ ハァッ ハァッ…、笑いが止まんねぇ~よ』

「もぉ~、早く言いなさいよ!」

『ダメだぁ~、お前も見てこいよ!』

「分かったわよ!」

       ・

       ・ 

       ・

『なっ! ヤベぇ~だろ!』

「アレって、本名? ダジャレじゃないの?」

『本名みたい・・・ 係りの人にオレ聞いたから・・・』

      【本日の出演】

 デビューCD発売  初のワンマンライブ!

      【具志堅 陽子】

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2006年1月 2日 (月曜日)

ラストソングⅨ

『目的地に着いたみたいだぞ、MAKI! 降りるぞ!』

 対象者たちが降りた駅  ココは【渋谷】

『ココが渋谷かぁ~。 すげぇ~なぁ!』

「・・・・・? 本気で言ってんの、ZIN?」

『あぁ・・・

 オレ、渋谷に始めて来た・・・』

「冗談でしょ!」

『冗談なんか言うかよ!

 バイクで渋谷は通るけど、通過するだけ!

 いつも、”ハマ”の方に行くから・・・』

「”ハマ”って何よ?」

『”ハマ”って言ったら、”横浜”だろ!

 オレ、この辺、土地カン無いから MAKIちゃん、あとヨロシク♪』

「ZIN・・・ アンタ、違う意味でスゴイわ・・・」

『MAKIちゃん、アレTVで見たことある! ”まるきゅー”だ!』

「”109”って言うのよ!」

『MAKIちゃん、道玄坂ってホントに坂道なんだね!』

「もぉ~。アンタは地方から出てきた修学旅行の学生か!?」

『ハチ公どこ? コギャルは? ヤマンバは?』

「あ~、うるさい!  アンタ、ここに置いてくわよ!」

『それはダメ。 勘弁してよぉ~、こんなトコで置いていかれたら

 おウチに帰れないよぉ~』

「前の2人も同じみたいよ!」

『えっ!?』

「手に地図みたいな紙を持って、

  ”進んではキョロキョロ” ”進んではキョロキョロ”

 って感じで歩いてるわ!」

『そうかぁ~。 これだから、田舎者は困る!』

「人のこと言えるの? 置いてくわよ!」

『わぁ~ それだけは・・・』と言いながら

 MAKIのコートの袖をしっかり握っているZINでした・・・

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2005年12月30日 (金曜日)

ラストソングⅧ

 対象者が乗っている電車に、MAKIの指示通りに

 乗り込んだZIN。

「お疲れ様♪」

『”お疲れ様♪”じゃねぇ~よ!

 もっと、早め早めに連絡しろよ! ホント、頼むよ!』

「シィー! そんなに大きな声だと聞こえちゃうよ!」

『マジ、焦った・・・

 もっと、何ていうか、気持ちの準備ってのをさせてくれよ!』

「このぐらいでテンパってんじゃ、ZINもまだまだネ!」

『オマエさぁ~、オレで遊んでない!?』

「別に遊んではないけど・・・

 ほらっ、あそこ!

 座席に座って話してる2人・・・」

『アレか・・・ あの女、見たことないなぁ~』

「依頼者の情報は、話半分に聞いてないと

                振り回されるわよ!」

『分かってるよ。

 今日だって原チャリじゃなかったし・・・』

「会社の同僚ってのも、どうだか・・・」

『あぁ、この女は、この前の飲み会にはいなかった・・・』

「あんな女のドコがいいのかなぁ!?

 奥さん、かわいそ・・・」

『それ以上言うな、MAKI! 感情で動くのだけはやめろよ!

 俺たちは、真実を撮ればいいだけなんだ!

 へんに感情を持ち込むと失敗するゾ!』

「ゴメンナサイ・・・」

『おっ! 今日は、やけに素直じゃ・・・』

「って、言うと思った? そんなこと、分かってるわよ!」

『・・・・・

 お前、絶対結婚したら姑に嫌われるゾ!』

「そんなの関係ないもん! 同居しないから!」

『そ~いう問題じゃないだろ・・・』

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2005年12月29日 (木曜日)

ラストソングⅦ

 今回は、対象者が原チャリで会社に行き、そこに原チャリを置いて

 遊びに行くのでは!?

 という依頼者の情報があった為、

 2手に別れて張り込みをしていた。

 

『アイテテテ・・・ 腰が痛い・・・

 今回の調査はやけに走らされる。

           オレは、ジャック・バウアーか!?』

    ♪プルルルル~ プルルルル~♪

『どうした、MAKI?』

「今、女と合流したわよ。」

『えっ! 電車の中で?』

「たぶん途中の駅から乗ってきたんだと思う。」

『”たぶん”って何だよ!?』

「私だって、知らないわよ!

 対象者が突然電車の中を歩き出して、2つ前の車輌で

 女と話し出したんだから・・・

 どれだけ、リスクの高い尾行だと思ってんのよ!」

『逆ギレか? そ~きたか!』

「逆ギレなんかしてないわよ!」

『分かったよ。 ・・・で、あとどれぐらいでコッチに着くんだ?』

「え~とね・・・ 1分ぐらいかな?」

『はぁ~!? 1分!! じゃあ、もう前の駅、出たってこと!』

「出た。」

『”出た。”じゃねぇ~よ! 何両目だよ? 何色の電車だよ?

 運転手は誰だよ?』

「運転手なんか知らないわよ! 

 3両目だから、乗り遅れないでね!

 それと、3両目の後ろ側のドアから入って!

 対象者たち、前の方にいるから!」 

『電車が来た! これだよな! この電車でいいんだよな!?』

「そうよ、3両目ね!」

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2005年12月28日 (水曜日)

ラストソングⅥ

ある日の午後1時

『寒いぃ~ ホントにココに来るのか?』
 真冬の国道沿いにポツンと立っているZIN。

   ♪プルルルル~ プルルルル~♪
『はい、ZINです。』
「ZIN! サボってない?」
『えっ!? MAKI? どうしたの?』
「今日、突然ヒロさんが調査に出れなくなって
                  私が替わりに・・・」
『そうなんだ! じゃあ、対象者の自宅で張り込み?』
「20分前まではネ!」
『20分前・・・ どういうこと?』
「今、駅のホームでこれから電車に乗るところ!」
『はぁ!? そ~いうことは、早めに連絡しろよ!
            ・・・で、どっち方面に行きそうなんだ?』
「ZINは今、対象者の勤務先にいるんでしょ?」
『あぁ、いるよ!』
「じゃあ、埼京線のホームで待ってて。
           今、乗り換えるところだから・・・」
『ちょっ、ちょっと待てよ! これから埼京線?
         自宅出てから何分経ってんだよ!』
「さっきも言ったでしょ! 20分ぐらいよ!」
『もっと、早く連絡しろよ!』
「こっちだって忙しいのよ! 
 撮影したり、電車の中じゃ携帯の電波悪いし・・・」
『わかったよ。
 埼京線のホームに向かうから、近くなったら絶対連絡しろよ!』
「りょ~かい♪」

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2005年12月16日 (金曜日)

ラストソングⅤ

 駅方面に向かう対象者を尾行しているヒロさんとZIN。

「ZIN。アレが愛人だと思うか?」

『ん~!? どうですかねぇ~・・・

 2人の間には、微妙な距離が空いてますよね・・・』

「でも、あれだけいた人の中で、2人だけで帰ってるんだぞ!

 怪しくないか?」

 20人ぐらいいた団体の中から外れ、男女2人だけで

 駅方面へ向かっている。

『手を繋ぐとか、腕を組むとかしますよね。 普通・・・』

「そうだよなぁ~」

「おいおい、マジかよ!

  何事もなく普通に別れたぞ!

      普通、ココでチュ~とかするだろ!チュ~とか!!」

『どっちが、普通なんですか? 意味が分からない・・・

 じゃあ、とりあえず、ZINは対象者の方を追いかけるので

 ヒロさんは、女の方をお願いします。』

「あぁ、分かった。 そっちは、任せたぞ!」

 ZINは、対象者と同じ様に改札を抜け、電車に乗った。

 座席に座り、瞳を閉じて”コクリ・コクリ”と眠ってしまった。

『(おいおい、大丈夫かよ・・・ 

 ちゃんと、自分の降りる駅で目が覚めるのか?)』

 この後、酔っ払いなれた一流企業戦士のスゴさを知った。

 自分の駅で”パッと”目を開け、”サッと”電車を降り

 ”サクッと”自宅に帰った。

『(あ~ぁ、ホントに会社の飲み会だけだったな・・・

  そうだ! ヒロさんの方は、どうなったんだろう!?)』

  ♪プルルルル~ プルルルル~♪

『ハイ、ZINです。』

「ZINか!? 今ドコにいる?」

『ドコって、対象者の帰宅を確認したところですけど・・・』

「そうか!

 こっちはなぁ~、あれから女がタクシーに乗ったから

 オレもタクシー乗って追いかけたんだけど

 えれぇ~遠くまで連れてこられてなぁ~」

『・・・で、女の自宅は!?』

「オレを誰だと思ってる!! ちゃんと確認したよ!」

『そうですか! それは、良かった!』

「良くないんだよ・・・」

『えっ!?』

「この辺、まったくタクシー走ってなくて、

              歩いて駅に向かってる・・・」

『乗って来たタクシーは?』

「どっか行った・・・」

『じゃあ、歩くしかないですね!』

「ZIN、向かいに来てくれよ!」

『こっちも、これから戻る所ですからね~。』

「あ~あ、足が痛いなぁ~

      クルマに乗りたいなぁ~。」

『ZINが戻るまで、頑張ってください。

          子供じゃないんだから!』

まだまだ、続きます。

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2005年12月14日 (水曜日)

ラストソングⅣ

「結構、あとから合流したんだなぁ~」

『なんだかんだで、20人は出てきましたね!』

「それにしても、いつまで店の前でウダウダしてんだ!?

  解散しないのか?」

『飲みながら盛り上がった話の続きでも

                   してるんじゃないですか?』

「ZIN! 対象者から目を離すなよ!」

『分かってますよ!

 でも、暗いし人数もいるし・・・この距離だとヤバイかも・・・』

「ZIN。

 ちょっと酔っ払ったフリして、あの辺うろついてろよ!」

『えぇ~~~~~~~!』

「えぇ~~!って何だ! 文句あるのか?」

『分かりましたよ・・・』

 すでに2・3軒で飲んできたサラリーマンという設定を

 自分でつくり、つまずいたり、よろけたりしながら

 対象者に近づいて行くZIN。

『(よし! あと5mで、あの団体に合流だ!)』

 【よし、今日のトコロはお開きにしようか! 解散!!】

『(えぇ~~!! あと・・・ あと3mだったのに・・・』

 幹事らしき人の合図で解散した対象者ご一行様。

        

 しばらくして、後ろからポンッとZINの肩をたたくヒロさん。

「名演技だったぞ!  無駄だったけどな!(笑)」

『無駄じゃないですよ! あの団体が解散した時近くにいないと

 絶対わからなくなってましたよ!』

「そうだな。 

 今こうして尾行出来てるのはZINのおかげだな!

 でも、あれはやり過ぎだろぅ・・・

 遠目で見てて、爆笑モノだったゾ!」

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2005年12月13日 (火曜日)

ラストソングⅢ

 同僚5人と対象者は、最寄り駅近くにある居酒屋に入った。

『これって、普通に会社の仲間と飲みに来たって感じじゃ

 ないですか?』

「そうだな・・・ この同僚たちも男ばっかりだしなぁ・・・」

『この愛人って、同じ会社の女性なんですか?』

「そこまでは、わからないなぁ~。

 もし、同僚だったら後から合流してもおかしくないよな!」

『とりあえず、この居酒屋に入っていく女性をチェックして

 対象者が店から出てくるのを待つしかないですね!』

「そうだな・・・」

          2時間後・・・

『慣れないスーツと革靴で、

         足裏がめちゃくちゃ痛いんですけど…』

「我慢しろ!」

          その1時間後・・・

『もう、座ってもいいですか?』

「我慢しろ! お前は子供かっ!?」

          そのまた1時間後・・・

『もう、疲れたからこの店に入りましょうよ。

              1杯だけならいいでしょ!』

「なにが1杯だ!  お前はコーラしか飲まないだろっ!」

『コーラでも1杯は1杯ですよ!』

「時間を考えろ! 入ってから、4時間経ってんだぞ!

 もうそろそろ出てくるぞ!」

『わかりましたよ。

 また、いつもの”探偵のカン”ってやつですか?』

「そうだ。 悪いか?」

『ZINの”探偵のカン”では、今すぐ出てくると思います。』

「お前のカンは当たるのか?」

『当たるっていうか・・・』

「なんだ!?」

『今、会計している対象者が見えるじゃないですか!』

「おお! ホントだ・・・」

『ヒロさん。

 カンよりも目に見える情報が1番ですよ!』

「見えてるなら、”探偵のカン”じゃないだろう・・・」

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2005年12月12日 (月曜日)

ラストソングⅡ

調査1日目

 依頼者の情報によると、本日の勤務が終わった後

 会社の同僚と飲みに行くらしい。

 依頼者的には、それは”嘘”で、女性と会うのではないか?

 ということで、調査をすることになったのだ!

『これ・・・ どうします?』

 この対象者の会社は、誰でも知っている一流企業の会社員。

 その一流企業のビルは、とても大きく、出入り口もたくさんある。

「所長は、何を考えているんだ?

 出入り口が8ヶ所もあるのに、調査員は俺とZINの2人だけ…」

『ヒロさん!

 得意の”ヒロ流忍法 分身の術”か”亀仙流の残像拳”を使えば

 大丈夫ですよ!』

「そうだな!

 久しぶりにやってみるか!って、オイッ!!

 そんなこと、出来るわけ無いだろう!

 百歩譲って、”分身の術”は使えるが、”残像拳”は

 意味がないだろっ!」

『でも、ホントにコレどうします?』

「定時になって、ココの社員が出てくる

   ”人気の出入り口 NO.1とNO.2”

 を押さえるしかないだろう・・・」

『いいんですか・・・それで?』

       30分後・・・

「ZIN! こっちから出てきたぞ!」

『了解! 今すぐそっちに向かいます。』

 会社の同僚5人と一緒に、最寄り駅方面に向かう対象者を

 確認したZIN。

「ZIN、遅いぞ!」

『ハァ~ハァ~ハァ~・・・

 遅いぞ!って、このでかいビルの真裏から走ってきたんですよ!』

「わかってるよ。そんなマジで怒んなよ!」

『そんなことはイイから、対象者から目を離さないで!』

「はいはい。わかったよ!」

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2005年12月 9日 (金曜日)

ラストソングⅠ

[・・・というわけで、慰謝料の計算までしちゃって

        一方的に離婚しようとしてるんです・・・]

「その女性と一緒になる為に別れてくれ!って

 奥さんはもちろん、子供たちのことも何も考えてないですね!」

[そうなんです・・・

 そこで、私の両親・旦那の両親と家族会議を行いまして・・・]

「家族会議・・・?」

[はい・・・

 その会議の結果、探偵に依頼して相手の女性が誰なのか?

 そして、浮気の現場を押さえて、別れてもらおうという事に

 なったんです。]

「もし、証拠を集めても別れないと言ったら?」

[私のことはイイですけど、子供のことを何とも思わない人と

 今後一緒にいる気はありません。

 2人から慰謝料をもらって、別れるつもりです。]

「わかりました。 この依頼、引き受けましょう!」

           ・

           ・

           ・

「・・・・・という調査だ! わかったか?ZIN!」

『はぁ~、長かった・・・

 今の所長の1人再現ドラマ、必要ないんじゃないですか?』

「バカか!

 俺のイッセー尾形バリの1人芝居のおかげで

 『依頼者の力になりたい!』って気持ちが高ぶるだろうが!」

『まぁ・・・ なんとなく・・・』

「なんとなく!?」

『いえっ! 依頼者の為に全力で調査します。』

「よし! その意気だ!」

 こうして、自己中心的な男性の浮気調査が始まった・・・。

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2005年11月11日 (金曜日)

女探偵るるさんとの出会いⅤ

     見つけた! お互いの共通点!

『最近忙しくて、行く暇ないんですよ~』

【あそこのレストラン行ったことある?

 スプラッシュマウンテンに乗ってると見えるトコ!

 美味しいし、オススメだよ!】

『るるさんは、ミラコスタに泊まったことあります?

 ZINは、ディズニー・シーが開園する前に

 予約入れたんですけど、すでに予約いっぱいで

 開園1ヶ月後ぐらいに泊まりましたよ。』

【土・日に行くのバカらしいよねぇ!

     やっぱり、平日に行かなくちゃ!】

『休みの日に時間があると、イクスピアリによく行きます。

 ついでに、ディズニーのパスネットを買ってきたりして・・・

 あそこでしか、手に入らないから・・・』

 やめられない!止まらない!かっぱえびせん状態の2人。

『今度、調査でディズニーランドに行くことになったら

 2人でやるしかないですね!』

【でも、2人で調査したら、対象者無視して

 遊び回っちゃうんじゃない?

 1時間前からパレード見る場所確保しちゃったり・・・】

『確かに・・・

 閉園ギリギリまで遊んで・・・

 アレッ?  今日は何しに来たんだっけ?

 って、調査のことすら忘れてますよ!』

 まるで、調査でディズニーランドに行くことが

 決定しているような盛り上がり。

 かれこれ、1時間か・・・それ以上の時間が経った時

 Mさんから連絡が入った。

[今、ドコにいる?

 調査終わったから、一旦集まろうか?]

      ・

      ・

      ・

「おい、ZIN。大丈夫か?

 さっきから、鼻かんでばかりじゃないか?」

『大丈夫です。

 ポケットティッシュ2個使っちゃいましたけど・・・

 所長のお話、終わりました?』

「あぁ、終わったよ!」

【ZINくんのブログ、読んでるよ!】

『おそれいります・・・』

【マックスのMAKIさんって、どんな人なの?】

『MAKIですか?

 ブログの通り、コワいですよぉ~!』

「ホントにブログのままだよなぁ~、ZIN!

        オレもいつも怒られてるよ・・・」

『MAKIのこと、気になるんですか?るるさん。』

【少し・・・ネ!1回会ってみたいなぁ~と思って・・・】

『アイツ、女の人には特にキツイですよ。

             ケンカになるかも・・・』

「おお!ケンカか!? オレもまぜろぉ!

 祭りとケンカは、大好きだ!

 オレの体には、江戸っ子の血が流れてるからな!」

『所長ぉ~。流れてないでしょ、江戸っ子の血なんて!

          コテコテの埼玉っ子じゃないですかぁ~!』

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2005年11月10日 (木曜日)

女探偵るるさんとの出会いⅣ

 ヒロさんは、Mさんと店内に潜入

 ZINとるるさんは、クルマの中で連絡を待つ。

【Mさん・・・ 大丈夫かなぁ・・・】

『ヒロさんもいるし大丈夫ですよ! きっと・・・

 それにしても るるさん!』

【なあに?】

『るるさん、すごく潜入したそうに見えたんですけど・・・』

【面白そうじゃない? 潜入って!】

『るるさんは、お酒好きですか?』

【好き♪】

『(やっぱり・・・)』

 初めて会った男女2人・・・

 もしコレが男女7人だったら、恋とかケンカとか

 勝手に物語が進んでいくのだろうが

 お互いどんな話題がヒットするのか

 探り合いが始まっていく。

Q1【探偵始めて長いの?】

Q2【今までどんな調査したの?】

Q3【ZINくん、歳いくつ?】

Q4【マックスにどうして入ったの?】

Q5【小泉内閣って、どう思う?】

 るるさんの怒涛の質問攻撃!

 ロスタイム1分 1点差で負けているサッカーチームの様な

 攻撃を仕掛けてくる。

『(もうダメだ・・・ 守りきれない・・・

 守ってばかりじゃダメなんだ、攻めなくては!)』

【私、”女探偵倶楽部”ってHP作ってるんだけど・・・】

『(キーパー正面のシュート・・・ 取ったぁ~!

 そしてキーパー、ボールを前線に送る。

               いくぞ! 速攻だ!!)

 ZINも昔、HPを作ったことがあって

 1人暮らしの様子をページにしてました。』

【例えば?】

『見てくれる人が、昔からの友人か

 その頃働いていた会社の仲間しかいなかったので

 その身内ネタがほとんどでしたけど・・・

 あとは、自炊してたんで料理のページとか

 ディズニーリゾートに遊びに行った時のページとか・・・』

【ディズニー?】

『(左すみ、ポストぎりぎりのシュートが・・・)』

【私も大好き!】

『(決まったぁ~ ゴぉ~ル!!

 ロスタイム、終了間際にキメたぁ~

          どうですか、北澤さん?)

 (いい時間帯に得点をキメましたね!

       これで相手は追いつけないでしょう!)

 (ありがとう、サポーターのみんなと北澤さん。

          そして、実況のジョン・カビラさん)』

【えっ!? 何か言った?】

『あっ、何でもないです。

 (いけない・・・ また、妄想癖が出てしまった・・・)』

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2005年11月 9日 (水曜日)

女探偵るるさんとの出会いⅢ

「ZIN、今、変な事考えてたろぉ~!?

     お前は少し妄想癖があるからな!」

『何言ってるんですか!?

 妄想癖だったら、ヒロさんにはかないませんよ!』

「そうだ、ZINに紹介しておく。

 こっちの男性が所長の知り合いの”Mさん”で

 こっちの女性が”るるさん”だ。」

『どうも・・・ はじめまして、ZINです。』

[ZINくんか! はじめまして、よろしく!

 今日は、手伝ってもらっちゃって悪いね!]

『いえいえ・・・』

【はじめまして、”るる”です。】

『はじめまして・・・。』

[じゃあ、挨拶はその辺にして、これからどう動くか

 打ち合わせをしようか!]

 ・・・ということで、近くのコーヒーショップに入り

               打ち合わせをすることにした4人。

[オレとヒロで、店内に潜入するから

           るるとZINくんは外で待機!

 もし、店内で対象者を撮影するのが難しい場所に

 案内された場合に後から入ってきてもらうからな!]

『はい、わかりました。』

 しかし、ZINの正面に座っている”るるさん”の顔を見ると

 ”私も一緒に潜入したい”と好奇心旺盛で

 ”早く!早く、そのフリスビーを投げてくれ!”と思っている

 ワンちゃんのような感じ・・・

【Mさん、お酒飲めないんじゃないの?

   大丈夫? 私がヒロさんと行こうか?】

[大丈夫だよ。これはオレの調査だ!オレが行く!]

 と、言いながら、ジャケットの袖口に

 小型レンズを仕掛けている。

[これで撮影準備OKだ!]

『(おお。 なんてすばらしい探偵さん・・・

 そんな秘密道具まで準備してるとは・・・

 るるさん・・・

 るるさんは、どうしても潜入したいみたい・・・

 自分の目で最後まで対象者を見ていたいという気持ち・・・

 この人も探偵だ!

 でも、単に店内でお酒を飲みたいだけだったら・・・)』

「じゃあ、ZIN。オレは”Mさん”と店内に入るから

 お前は、るるさんとクルマの中で待機な!

 るるさんがいい女だからって、手を出すなよ!」

『何言ってるんですか!出すわけないでしょ!』

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2005年11月 3日 (木曜日)

女探偵るるさんとの出会いⅡ

   数ヶ月前のある日・・・・・

「どうだ。マックスにはなれたか?」

『そうですね・・・ 所長は昔から知っているので、

どういう人かは分かってるんですけど、他の人は現在

探り探り特徴を掴んでいるところです。』

  この日、ヒロさんに”お前もついて来い!”と言われ

  訳も分からず、クルマの助手席に座らされていたZIN。

『ヒロさん、これからドコに行くんですか?』

「調査だ!」

『えっ!調査ですか?

オレ、カメラとか何も持ってきてませんよ!』

「大丈夫。オレのカメラ貸すから!」

『・・・で、どんな調査なんですか?』

「これから池袋に行って、女性対象者があるビルに入る所を

撮影するだけでいい。」

『それだけ・・・?』

「あぁ。今日は所長の知り合いの探偵社のヘルプだ。

その探偵社の調査員が対象者の自宅から尾行してくるから

合流したら、また詳しい打ち合わせをすることになっている。」

『分かりました。』

 ・・・と言ったものの、さっぱり調査内容を理解していなかった。

 とりあえず、そのビルに入っていく女の人を

 撮影すればいいとしか・・・

 現場に到着して、撮影ポイントをチェックするZIN。

『ココでいいな!』

 対象者の大体の服装は聞いたものの写真が無い・・・

『ヒロさん。とりあえずこのビルに入っていく女の人を

片っ端から撮りますから!』

「オレは、ビルの中に入って、店に入る所を撮るから!」

『はぁ? 店?』

「あぁ、その女性がこのビルの中にあるバーで働いている所を

撮影するのが1番の目的らしい。」

『店の話は聞いてないですけど・・・』

「そうか?」

 こんな感じで、適当な情報を元に

 ZINの調査が始まろうとしていた・・・

  プルルルル~ プルルルル~

『はい。何かありました?』

「今、尾行班から連絡が入った!

もうすぐ、このビルに着くらしいぞ!」

『了解!!

 確か・・・ 尾行班は、男女2人組だって言ってたよなぁ~

 んっ! あの女の人の後に、探偵独特の挙動不審気味な

 動きをする2人組・・・ よしっ!』

  カメラの録画ボタンを押し、撮影を始めるZIN。

       ・

       ・

       ・

 撮影が終わった後、何をすればいいのかわからないZIN。

 池袋の街を見渡しながら、ヒロさんからの連絡を

 ひたすら待っていた。

『やたら、黒い服を着たヤツが多いなぁ~

      あれが噂のブラックエンジェルスか?』

・・・と、ドラマの世界に片足を突っ込みかけた所で

ヒロさんと尾行班の2人組がビルから出てきた。

 

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2005年11月 1日 (火曜日)

女探偵るるさんとの出会い

「ZIN!やっぱり都内は、バイクに限るなぁ~。」

『そうですね。ドコの道走っても渋滞してますからね!

でも、今日で10月終わりですよ。

なんだかんだ言っても、やっぱりバイクは寒いですよぉ~』

「確かに寒いなぁ~。 そうだ、ZIN!

このバイクに”ピザ屋のバイク”みたいな屋根を付けろ!」

『”屋根付けろ!”って、無理言わないでくださいよ・・・

でも、良く考えてみると

ピザ屋のバイクに屋根付いてましたっけ・・・』

  珍しく今日は、所長をバイクの後ろに乗せ

  渋谷に向かっていた。

『・・・で、今日は何故渋谷へ?』

「そうだなぁ~。

まぁ簡単に言えば、テレクラで引っ掛けた女の子と

待ち合わせだ。」

『テレクラ!?今どきテレクラぁ~?

そんなことで、ZINを足代わりにしないでくださいよ!』

「嘘だよ、嘘!

お前が、ちょうどマックスに入った頃、池袋で調査したろっ」

『ブクロ・・・?』

「覚えてないのか?」

『あっ!?』

「思い出したか?」

『ウエストゲートパークで、”猫探し”したヤツですか?』

「”猫探し”の調査なんかしてないだろ!

それにな!

”ウエストゲートパーク”じゃなくて、”西口公園”って言え!

日本人だろ!」

『覚えてますよ。

るるさん達と一緒に調査したヤツですよね!』

「そうだ!

今から、そのるるさんに会いに行くんだよ。」

『えっ、マジっすか? 久しぶりですねぇ~。

ネットの中では、よく会ってるんですけど!』

「今回の調査は、ちょっとやっかいでなぁ~。

女性が必要なんだが、ウチのMAKIでは

少し若すぎるんだよ!

そこで、るるさんに手伝ってもらおうと思ってな!」

『なんか、るるさんは若くないって聞こえるんですけど・・・』

「バっ、バカ言うな!

あんなに若くて、キレイな女性は他にいないだろ!」

『ZINより年上なのに、凄く可愛らしくも見えるんですけど・・・

るるさんって、歳いくつぐらいなんですか?』

「バカ、女性に歳を聞くもんじゃない!恥ずかしいだろ!」

『(なぜ? なぜ、所長が恥ずかしがる・・・!?)』

  定番の待ち合わせ場所”ハチ公前”

  るるさんと合流して、コーヒーを飲みながら

  所長とるるさんが綿密な打ち合わせをしている。

  ・・・その時、ZINはというと・・・

  連日続いた調査で少し風邪気味のZIN・・・

  滝のように流れ出ようとする”鼻水”と闘っていた。

  そして、るるさんと初めて一緒に調査した時の事を

  思い出していた・・・

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2005年10月28日 (金曜日)

対象者 木村新一Ⅶ

『これか・・・』

 ZINの横を見ると、いつの間にかヒカルちゃんが

 クルマから降りてZINの横に立っていた。

「ZINくん、なんで・・・

 なんでアイツ逃げたの?」

『きっと、ヒカルちゃんの顔を見て、逃げたんだろうね・・・』

 失敗した・・・ もっと念を押して言っておけば良かった・・・

 確実に確保してからクルマから降りて来いと・・・

【ZINさん、どうします?】

『とりあえず、本間くんとヒカルちゃんは、ココの駐車場で

 待ってて。 クルマの中で!』

【ZINさんは?】

『捕まえてくる!』

 ・・・と、一言2人に告げて走った・・・

 なぜだか、ものすごく捕まえられそうな気がしていた。

『ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・ 苦じいぃ・・・

 タバコ吸いすぎだぁ・・・ 今日で、タバコ止めよう・・・

 でも、止められないな・・・

 そうだ! 軽いタバコに変えよう・・・』

 数秒の間に”禁煙は無理”と結論が出た時

 正面からバイクが1台、やってきた。

『アイツか!

 自分から来てくれた!

 バカなヤツだ!』

 ZINは、バイクの進路を塞ぐように立ちはだかる。

 諦めたのか、ヒロトはバイクを止めた。

『オマエよ~、なんで逃げんだよ!』

[はい・・・・・]

『何で止められたか分かってるよな!』

[はい・・・・・]

 これ以上逃げられないように、バイクのカギを預かり

 駐車場で待機している2人を呼び寄せた。

「アンタ! 何で逃げんのよ!!」

          バキッ!

 ヒロトの足に、おもいっきり蹴りが入る。

【痛そぉ~】

『しぃ~!!

 聞かれたら、本間くんも蹴られるぞ!』

 捕まえられてホッとしたのか!?

 悔しさが込み上げてきたのか!?

 ヒカルちゃんは、目に涙を浮かべながら

 今まで我慢して・・・溜め込んでいたものを

 ヒロトにぶつけていた。

『ヒカルちゃん。  もう、その辺にしとこうか!

 おい、オマエ! 渡辺ヒロトって言うんだよな!

 偽名使って、金取って、女の子泣かして・・・

 ホントだったら、1回地獄を見せてあげたいトコロだけど・・・

 ここからは、”大人の話”をしようか!』

[はい・・・・・]

 自分がやったことを認めさせ、一筆書かせる。

 そして、それに拇印を押させる。

『オマエがちゃんと金を返してくれれば、警察にも親にも

 言わない。

 3日以内に必ず振り込め、いいなっ!

 金が無いなんて、そんな言い訳通用しないからな!』

[はい・・・・・]

     ・

     ・

     ・

【終わりましたね・・・

 でも、ちゃんと振り込んでくると思います?】

『振り込んでこなかったら、今度は正面から家に乗り込む。

 親にバレるのを、すっげぇ~嫌がってたし、

 少しだけ脅しといたから大丈夫だろ!』

「ZINくん、ホントにありがとう・・・」

『良かったね、ヒカルちゃん!』

「本間くんもありがとう・・・」

【僕も今回は、イイ経験をさせてもらいましたよ。】

『ヒカルちゃん。

 今度からは、お金の話をするような男と

 付き合っちゃダメだよ!』

「うん。」

【ちゃんと、送り迎えをしてくれる男の人がイイと思います。】

「そうだね!」

『それから、偽名使っているか確認して・・・

 そうだ!

 今度からは、付き合う時に”履歴書”書いてもらったら!』

「うん。そうする!」

『えっ! ホントに!!』

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2005年10月27日 (木曜日)

対象者 木村新一Ⅵ

張り込み開始から数時間が経ち、辺りがうす暗くなってきた。

「ZINくん。なかなか出てこないね・・・」

『そうだね。でも、待つしかないんだよ』

「ZINくん達って、いつもこんな事してるの?」

『実際の探偵の仕事って、ほとんど張り込みだよ。

初めは”やる気満々”で入社してきても、”イメージと違う”って

すぐ辞めちゃうんだよ、みんな・・・

本間くんも、いつまでもつか・・・』

【ちょっと、何言ってるんですか!?

 僕は、辞めませんよ!

 こんなに”やりがい”がある仕事、他にないじゃないですか!

 依頼者の為に、いつも本気で頑張ってますよ!】

『冗談だよ、本間くん!

 今、本間くんに辞められちゃったら、大変だよ!』

「探偵さんの仕事って、意外と地味だね・・・」

【それを言ったら、ダメですよぉ~。】

『ヒカルちゃん、本間くん!

 誰か出てきたぞ!アイツじゃないか!?』

【でも、アイツ・・・

 クルマじゃなくて、バイクの方に向かってますよ!】

『ヒカルちゃん、見える?

      アイツじゃない??』

「うす暗くてハッキリ見えないけど・・・

 新ちゃん・・・!? あれ、新ちゃんだ!

        ZINくん、あれっ、新ちゃんだよ!!」

『分かったから、落ち着いて! ヒカルちゃん!

 よし、本間くん。

 相手は、バイクだから頑張って尾行して・・・』

【了解!!】

『ヒカルちゃん、よく聞いて!

 こっちはクルマで、相手はバイク・・・

 頑張ってみるけど、最後まで着いて行けるか

 正直わからない・・・』

「探偵でしょ!頑張ってよ!!」

『頑張るよ。だから、落ち着いて・・・』

 渡辺ヒロトは、流行のビックスクーターに乗って走っていく。

 そして、こちらは本間くんが運転するクルマで必死に

 追いかけていく。

【ZINさん。 この先の陸橋、大渋滞してます・・・

 アイツは路肩を走って、どんどん先へ・・・

 どうします?】

『本間くん。陸橋の脇の側道に入って!

 きっと、また合流するだろう!』

【わかりました!】

「信号、青だよ、急いで!

     絶対、捕まえて!」

『大丈夫!

 絶対、捕まえるから!』

【ZINさん!】

『何だ!?』

【対象者がいました。 赤信号で止まってます。】

『よし、追いついたな!

    ぜってぇ~、逃がすなよ!』

【ZINさん!】

『今度は、何だ?』

【ココがアイツの目的地のようです。】

  対象者のバイクが、洒落たお店の駐車場に入っていった。

『本間くん。クルマをヤツのバイクの横につけて!』

【はい!】

「ココって・・・」

『何、ヒカルちゃん?

      ココ、知ってるの?』

「うん。 

 ZINくんに言ったよね? 昔バイトしてたお店があるって!

 それがココ!」

 お店の前にバイクを停め、ヘルメットを脱いでいる。

 そして、バイクのすぐ横にクルマを停め、ZINが降りる。

 渡辺ヒロトは、"何だ!?”と不思議そうな顔で

 ZINを見た後、視線が明かにZINの横に移動した。

          その瞬間!!

 ものすごい勢いで、ヘルメットをかぶり

 バイクにまたがって、走り去ってしまった。

 一瞬の出来事でで何が起こったのが・・・

 ワケが分からず、ボー然と立ちつくすZIN・・・

 ・・・

 この時、何が起こったのが!? 次回、最終回です。

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2005年10月20日 (木曜日)

対象者 木村新一Ⅴ

『やっと、追い詰めたゼ!』

「ホントに、ココにいるのかなぁ~?」

『いるとも!

ヒカルちゃんの”80万+利子分”、それの更にたっぷり

”利子”を付けて、返してもらお~じゃねぇか!

   ヤロー共! 乗り込むぞ!』

【ちょっと待って。ZINさん、少し落ち着きましょう】

『そうだな・・・

 本間くんの言うとおりだ。

 どんな仕掛けが待ち受けているかわからない・・・』

【・・・?・・・】

『ちょっと待て!

 そこに落とし穴があるかもしれないぞ!』

『動くな!

 そのロープに引っかかると矢が飛んでくるぞ!』

『触るな!

 その財宝は、呪われている・・・

     この建物が崩れはじめるぞ!』

    

【ZINさん・・・

 頭の中で今、古代遺跡で冒険しちゃってますね・・・】

「本間くん。ZINくんはココにおいて、2人で行こうか?」

【そうですね、その方がイイですね!】

  ZIN以外の2人は”渡辺さんち”の駐車場に

  クルマの確認に向かった。

  そして、ZINは冒険の世界から帰ってきて

  2人がいない事に気付く。

『アイツら・・・ 勝手に行動しやがって・・・

 オレが冒険の書に記録している間に・・・』

【ZINさん!ありました!

 対象者のクルマ、ありました!】

「ZINくん、行こうよ。

 絶対いるよ、家の中に!」

『まあまあ、落ち着きなさい。

 この家は、どう見ても親と同居・・・

 1人暮らしじゃない!

 ひとまず、”渡辺ヒロト”が1人で出掛けるのを待とう。』

【ここまで来て、待つんですか?

 今すぐ乗り込んで話をすればいいじゃないですか!

 逃げられたらどうするんですか?】

『めずらしく熱くなってるねぇ~、本間くん。

 さっき自分で”落ち着きましょう”って

 言ってたじゃないか!

よく聞きなさい!

 今、家を訪ねてもし、親御さんが出てきたらどうする?

 ”おたくの息子さんにお金を騙し取られたから返して!”

 って言うのか?

 絶対、”うちの子はそんなことしない”とか

    ”警察呼びますよ”って言われるだけ!

 それなら、アイツが一人で出掛けたところを尾行して

 適当な場所で、みんなで囲もうじゃないか!』

【なるほど~。ZINさんの言うとおりかもしれない・・・。

 じゃあ、その時・・・

 ”親に言うぞ!”とかって、脅してもいいんですか?】

『まぁ、そのくらい言ってもいいんじゃない!』

「じゃあ、”東京湾に沈・・・」

『それは、ダメ!!』

【ヒカルさんって、見た目と違ってコワイ人なんですね・・・】

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