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2008年6月 9日 (月曜日)

落し物Ⅱ

〈いらっしゃいませ、何名様ですか?〉

「あの~、待ち合わせで…」

『MAKI、あそこにいるぞ。』

〈お待ち合わせですね、どうぞ!〉

「岩崎さん、お久しぶりです。」

【ZINさん、MAKIさん!】

『お元気そうですね、岩崎さん。
 こちらの方が電話でお話されていた吉野さんですね。』

《初めまして、吉野と申します。》

『一ノ瀬探偵事務所のZINです。』

「MAKIです。」

【ZINさんは、コーラですよね。
 MAKIさんは、何をお飲みになりますか?】

「すみません。 え~と、コーヒーで。」

『(俺は、もう決められちゃってるんだ…)』

【あれっ? コーラじゃない方が良かったですか?
 以前、コーラ以外は飲み物じゃないって・・・】

『コーラでいいですよ!』

「では、早速ですけど詳しいお話を聞かせていただけますか?」

【すみませ~ん、コーラとコーヒーお願いします!
 ・・・で、何でしたっけ?】

『(岩崎さんが説明するつもり?)』

「(そうみたいね…)」

『(大丈夫か?)』

「(とりあえず聞きましょう)
 ご依頼の詳しいお話を…」

【そうでしたね。
 えーと、私の友達で”吉野弥生”って言うんですけど
 弥生が携帯を落としちゃって。
 落としたの気付いたのは、家に帰ってきてからみたいなんですけど!
 あっ、その前に!
 弥生は、派遣で出版関係の仕事をしていて
 それで、朝早く起きて子供のお弁当を作ったり
 すごく頑張り屋さんで、イニシャルがY・Yなんですよ。
 面白いでしょ。
 それで・・・。】

『(イニシャルがY・Yって、面白いのか?)』

「(岩崎ワールドに入ってきたわね。 早く戻して!)」

『(わかった。)
 あの~、吉野さんが家に帰ってきた所の話に戻りませんか?』

【そう?
 弥生の事、知っておいた方がいいのかなって思って。】

『吉野さんとお話していけばわかりますから、大丈夫ですよ。』

【そうなの?
 えーと、どこまでお話しました?】

「家に帰ってきて、携帯落としたのに気付いた…」

【そうそう!
 それで、携帯どこにあるのか、家の電話から自分の携帯に電話したのよね?】

《うん。》

【そしたら、男の人が電話に出て、ビックリして電話を切ったのよね?】

《うん。》

「それで、岩崎さんに連絡をしたんですか?」

【そうなのよ。
 携帯に知らない人が出たって!】

「(ねぇ、ZIN。
 やっぱり、吉野さんに直接話を聞いた方が早いよね?)」

『(俺は、最初からそう思ってる… けど、言えない…)』

【ねぇ、聞いてる?】

『き、聞いてますよ!』

【それでね、私が弥生の携帯に電話してあげたの!
 そしたら、弥生の言う通り、男が電話に出て…
 私、聞いたの!】

『なんて?』

【どうして持ってるの?って。】

「相手は?」

【駅に落ちてたんだって。
 だったら、駅員さんに預けておいてって言ったんだけど
 駅から離れたからって言うから、どこにいるの?って聞いたの!】

『どこにいるって?』

【遠い所だって!
 意味わかんないでしょ。盗むつもりだったのね、きっと!
 人の携帯使って、へんなサイト見たりするつもりだったのね!】

「あの~、弥生さんの携帯返してもらう事になってるんですよね?」

【そうよ。
 だから私が、取りに行きますから返してくださいって言ったの!】

『相手は?』

【場所と時間を指定してきたの!
 そこの場所って、取り壊し中の団地がたくさんあって
 夜なんか人がいなくて静まり返っている場所なのよ。
 怖くない?
 そんな所に人を呼び出す意味がわからないの!】

『そうですね。
 わざわざその様な場所に人を呼ぶ意味がわかりませんね。』

【弥生の旦那は帰りが遅いし、女2人じゃ危険でしょ。
 だから、ZINさんたちに一緒に行ってもらおうと思って
 連絡したの!
 急にお願いしちゃって迷惑だった?】

『とんでもない。 迷惑なんかじゃありませんよ。
 逆に、お力になれて良かったと思っています。』

「でも、何で私たちを?」

【何言ってるの!
 お2人はあの時、私を守ってくれだじゃない!】

「盗聴器発見の時?」

【犯人を捕まえてくれたわ。】

『あれは偶然ですよ。
 現場に到着した時、近くの車の中で受信機持っているヤツを見掛けて
 車のナンバーとその様子の映像を撮っておいた。
 ただ、それだけの事です。』

【ホントに盗聴器ってつける人いるのね、信じられなかった…】

『では、お2人はご自宅へ戻って連絡を待っていてください。
 私達が代理人として行ってきますから。』

【場所、わかりますか?
 私が一緒に行ってナビしましょうか?】

『いいえ、大丈夫です。
 逆に振り回されそうですから!』

【えっ?】

「いや、なんでもないです。
 (ZIN!、余計な事言わないっ!)」

『はいはい。』

【じゃあ、弥生。
 あとはZINさんたちに任せて、私の家で連絡待ちましょう。】

《うん。 ZINさん、MAKIさん、よろしくお願いします。
 気をつけてくださいね。》

「はい、無事に取り返してきます。」


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