切り取られた手帳
♪プルルルル~・プルルルル~♪
【もしもし、MAKIちゃん? ”るる”ですけど…】
「あっ、るるさん! お久しぶりです。 お元気ですか?」
【元気だよ。MAKIちゃんは?】
「元気ですよ。今日はどうしたんですか?
私に電話かけてくるのって、珍しいですよね!」
【珍しいとか言わないでよ。 …で、ZINくんは調査中?】
「やっぱりZINに用事があるんですね…」
【ZINくんの携帯に電話しても出ないから、調査中なのかなって…】
「調査じゃないと思うんですけど・・・」
【”調査じゃないと思う”って、どういう事?】
「私も今朝から連絡取れなくて…」
【MAKIちゃんも連絡取れないの?】
「はい…」
【それはおかしいわね。ZINくんとケンカでもした?】
「昨日はしてません。」
【昨日は?
まぁ、その辺は触れないけど… こういう事よくあるの?】
「こういう事って?」
【連絡が取れない事!】
「ないです。」
【今、抱えてる調査は?】
「昨日報告した調査で終わり。今は何も無いです。」
【調査じゃないのに連絡がつかない? それは、おかしいわね!】
「そうなんです。」
【何が手掛かりになるようなものはない? 例えばZIN君の手帳とか・・・】
「ZINの手帳ですか? ちょっと待ってくださいね…
あっ!」
【あった?】
「ありました!
(いつも、どこに行くにも持ち歩いてる手帳がなんでココに?)」
【どうかしたの?】
「手帳があるんです。」
【それが変なの?】
「はい、肌身離さず持ってる手帳なんです。」
【そっか。
じゃあ、その手帳に変なトコない?
ん~、例えば、切り取られてるページがあるとか?】
「切り取られてるページですか?
え~と…。
あります!
後ろの方のページが一枚ビリって感じに!
几帳面なZINが、慌てたとしても書かないようなトコ。
(ZINがページを飛ばして使うなんて…)」
【…という事は、前後のページは白紙って事ね。
もしかして、その前後どちらかのページに筆跡残ってない?】
「無さそうですけど。」
【鉛筆で軽く擦ってみて! 何か浮き出るかも!】
「鉛筆でですか?」
【やってみなって!】
「わかりました。
・・・・・。
あれっ? 何か浮き出てきた!」
【何て?】
「字が汚くて読みにくいんですけど、
”13:00 モルール ゲート前 25 ”
って、書いてあるような・・・」
【”13:00” ”モルール” ”ゲート前” ”25”って?
ん~、なんだろう??
13:00にモルールのゲート前で誰かと待ち合わせって事かな?】
「最後の”25”は?」
【わからない… 待ち合わせの合言葉とか?】
「合言葉ですか? じゃあ、モルールっていうのは?」
【モルールって、聞いた事ないわね。どこかの場所の名前なのかな?
ZINくんから今日の面談の話とか聞いてない?】
「聞いてません。
面談が13:00からだとして
今10:00だから、待ち合わせだとしても、あと3時間ありますよ。」
【そうね。 朝から連絡が取れないっていうは変ね。】
「私、思うんですけど…」
【何?】
「このZINの使い方らしくない手帳といい、連絡が取れない事といい、
もしかしたらZIN、何かの事件に巻き込まれたんじゃないかな?】
【事件って…】
「面談なら私に連絡してから行くし… きっとこれは事件だわ。
危険な匂いに誘われて、事件に巻き込まれたんだわ!」
【MAKIちゃん、ちょっと大袈裟じゃ…】
「大袈裟なんかじゃないです。手遅れになってからじゃ遅いんです。
るるさん!
今日は予定無いんでしょ。
私と一緒にZINの足取りを追いかけてくれませんか?」
【予定が無いなんて一言も言ってないけど…
事件に巻き込まれたって言うのは、大袈裟じゃない?】
「そんな事言ってて、あのバカがお昼のニュースに出たらどうします?
東京湾に変態死体が上がりましたって!」
【それを言うなら、変死体だよね…】
「そんな細かい事はいいのっ!」
【MAKIちゃん、正確にはいつからZINくんと連絡取ってないの?】
「昨日の夜からです。」
【そっか。探すなら早い方がいいわね。 私も行くわ。】
「はい、お願いします。」
【私も今からすぐ出るから、東京駅で待ち合わせましょう。
13:00までには探し出しましょう。】
「わかりました。東京駅集合ですね。
私もすぐに向かいます。」
【それとそのZINくんの手帳、忘れずに持ってくるのよ。】
「はい。(今から残り時間3時間って事?)」
【(変態死体になる前に、MAKIちゃんに探させないと)。】
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