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2008年5月23日 (金曜日)

切り取られた手帳-ep0(ゼロ)

  数日前のある日…

『るるさんにお願いがあるんですけど!』

【どんな調査? 浮気?】

『調査じゃないんですけど、調査みたいな…』

【調査みたいって何?】

『行方調査ぽいのを少し手伝ってもらいたくて。
 話すと長くなるので、呼び出したんです。』

【そう… わかった、話してみて! 対象者はどんな人?】

『えーと…
 カッコ良くて、頭が良くて、武道館でライヴをするのが夢で
 電車ではお年寄りに席を譲り、
 交通量の多い道路では、お年寄りをおんぶして渡ってあげる
 とても心優しい青年です。』

【すごい人ね… 写真とかある?】

『写真ですか?
 写真とか撮るの嫌いなんですよ。
 それに、るるさんの目の前にいるじゃないですか!』

【カッコ良くて優しい男ねぇ… 私には見えないわ。】

『もぉ~、照れないでハッキリ言ってもらっていいですよ!』

【はぁ… 私、帰ろうかな…】

『ちょっ、ちょっと待ってくださいよ。』

【…で、何で私がそんなおバカさんを探さないといけなくなるの?
 この場でとっ捕まえれば、無駄な時間が省けるんだけど!】

『冗談なんですけど…』

【わかってるわよ!】

『じゃあとりあえず、
 今回の計画をコレに書いてきたから、目を通してもらえます?』

【何、この調査指令書って? 本格的ね…】

『読めばすべてわかってくれると思います。』

【黙ってコレを読めばいいのね?】

『はい。』

   ・
   ・
   ・

『どうですか?』

【ちょっと面白そうかも!】

『でしょ!』

【2時間ドラマの中の15分間だけピックアップしたような感じだね。】

『あまり時間掛けると、その日1日潰れちゃいますから!』

【しかし… 良くこんな事やろうと思うわね?
 なんか一ノ瀬探偵事務所って毎日楽しそうね!】

『そんな事ないですよ。』

【…で、当日、私がMAKIちゃんに電話をして
 ZINくんの手帳を見つけさせればいいのね!】

『はい、それだけしてくれれば、るるさんのお仕事は終わりです。
 簡単でしょ。』

【このくらいの仕事だったら、わざわざ呼び出さなくても…】

『これだけでも、詳しく説明しなくちゃ意味わからないでしょ!』

【まぁ、そうね…
 だけど、私は電話するだけなの?】

『はい。』

【ZINくんの事だから、もうその手帳の準備してるんでしょ!
 見せてよ!】

『いえまだ準備は…』

【まだなの? 善は急げよ。
 どうせその手帳使うんでしょ、貸しなさい!】

『えっ!?』

【え~と、どこがいいかなぁ~。
 よし、この辺を使いましょう!】

『ちょっと、待って!
 ちゃんと前から順番に使い・・・』

【いいの、ここで!
 ゴールは、ディズニーランドなんでしょ。
 この手帳に書くヒントは決まってるの?】

『これから考えようと…』

【ったく… 何も準備してないじゃない!
 じゃあ、私が考える。
 ZINくんは、私が言った事をそこに書きなさいね!】

『はい…。 なんか、るるさんノリノリっすね!』

【最初の言葉は、モノレールね。】

『シカトかよ…』

【何か言った?】

『別に何も…』

【13:00にゲート前で待ち合わせでいいわね!】

『13:00 ゲート前っと…』

【あともう一つ、何か無いかな?】

『今、ディズニーランドで25周年のイベントやってますよね!』

【それでいこう! 最後のヒントは25よ!】

『25!』

【書けた? ちょっと見せて。】

『はい。』

【何コレ? 汚い字ねぇ…。 モルールって何?】

『モノレールですけど…』

【これじゃ、絶対MAKIちゃん読めないわよ、モノレールって!】

『読めますって!』

 - ビリッ -

『うわぁ、何破ってるんですか!』

【いいのこれで! この下の紙を鉛筆で擦って文字を出す!
 暗号ってのは、昔からあぶり出しって決まってるの!】

『手帳が破られた…。』

【男が細かい事、言わないの!
 MAKIちゃんの誕生日を、名探偵コナンみたいにしたいんでしょ。
 これくらいやらないと!】

『コナンみたいになんて、一言も言ってませんけど…』

【どうかな…?】

『何が?』

【こんなヒントで、
 MAKIちゃん1人でディズニーランドまで行けるかしら?】

『難しいですか?』

【この手帳トリックしかヒントがないんでしょ。】

『トリックって言う程じゃないですけど。』

【私だったら、もし仮にモノレールって読めても
 羽田の方に行きそうだわ。】

『モノレールって読めますって! 失礼な…』

【よし!】

『なに?』

【私も行こう!】

『なんで?』

【決定権はMAKIちゃんに持たせて、
 私が一緒に行動して、間違ったルートに行かないように監視する!】

『そこまでしてくれなくても…』

【今回の報酬は、ディズニーランドのパスポートでいいからね!】

『それが狙いか。』

【何か言った?】

『いや別に…』

【あと、最後のコレはどうするの?】

『コインロッカー作戦?』

【そう!
 ディズニーランドのパスポートを
 コインロッカーから本人に取らせるんでしょ。』

『…の予定ですけど。』

【それが1番の難関じゃない!】

『るるさんが一緒なら、るるさんにその鍵を現場で渡しますよ。』

【だから、どうやって私は鍵を受け取ればいいの?】

『リゾートラインの乗客がドバッと流れ出てくる時に
 その人波に紛れてるるさんに渡しに行きます。』

【ちょっと危険な気もするけど…】

『まぁ、探偵ですからサラッとこなしますよ!
 最初の計画では、フリーメールで誰だかわからないように連絡して
 コインロッカーの上に隠した鍵を探させる予定でしたけど。】

【私は鍵の事、MAKIちゃんになんて言えばいいの?】

『怪しい男が近づいてきて、渡されたとでも…』

【胡散臭いわね…】

『だから、るるさんはMAKIの気をそらしておいてくださいね。』

【ホントにこんな計画にMAKIちゃんが引っかかるの?】

『それが引っかかるんですよ! やってみればわかります。
 想像力が豊かすぎて、アイツの方からハマっていくんですよ。
 きっとるるさんも楽しくなってきますよ!』

【わかったわ!
 なんか今からドキドキしてきた】

『じゃあ、当日よりしくお願いします。』

【何から乗ろうかしら!】

『なんの話ですか?』

【ディズニーランドの事!】

『ドキドキって、そっちですか…』

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