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2007年3月25日 (日曜日)

ラブ・トライアングルⅩⅠ

   数日後・・・

「ただいまっ!
 依頼者に報告してきたわよ。」

『・・・・・』

「いつまで寝てるのよ。 起きろ、ZIN!」

『・・・・・
 もし、オレが百獣の王ライオンだったら
 今頃お前を喰ってるぞ!』

「あっ、そう!
 逆に捕まえてライオン鍋にでもしてやるわ!」

『オレは今、連日の調査で風邪ひいて熱があるの!
 病気の時ぐらい優しく出来ないの?』

「やっぱりあの男、同居人だったみたいよ!」

『オレの話、聞いてた? 熱、あるんだけど・・・』

「今日の夜、報告書見せて3人で話するみたいよ!」

『キビしいと思うな、あの1回の証拠じゃ・・・
 なんだかんだ言い訳して、上手く逃げそう・・・』

「私も依頼者にそう言ったんだけどね・・・」

『やっぱりあと2・3回は証拠を・・・』

「どうしたの?」

『頭がボーっとしてきた・・・』

「うわぁっ! すごい熱!」

『だから、さっきから言ってるだろ!』

「でも、同居人はどういうつもりで
 依頼者の彼女に手を出したんだろう?」

『オレの心配は無し?
 一応すごい熱があるんですけど・・・』

「そんなの”冷えピタ”張っとけば大丈夫!
 ・・・で、どう思う同居人の気持ち。
 ZINも取られた事あるんでしょ!」

『依頼者の気持ちは痛いほどわかるけど
 同居人の気持ちはね・・・
 どんな気持ちで友達の彼女に手を出すんだろう?』

「私が聞いてるの!」

『そっ、そうだなぁ・・・
 別に何とも思ってないんじゃないの?
 ”好きになっちゃったんだから、しょうがないじゃん”的な
 自分の事しか考えてない感じ・・・で、どうでしょう?』

「ZINの時もそうだったの?」

『えっ、オレの時?
 わからない・・・
 話し合う前に、2人で駆け落ちしちゃったから・・・』

「駆け落ち?
 ちょっとぉ~、笑わせないでよ!」

『全然、笑うトコじゃないんだけど・・・』

「・・・で、どうしたのその後?
 話してごらん、聞いてあげるから!」

『面白がってるだろ!
 そんなニヤニヤして聞いてるヤツに
 オレの古傷を話せるかっ!』

「大丈夫! 私、口堅いから!」

『そういう問題じゃ・・・
 もう・・・ダメだ・・・
 しばらく寝込みますので、お仕事はMAKIちゃん、よろしく・・・』

「ZIN・・・?
 ”冷えピタ”2枚にしてあげるから、話なさい!」

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2007年3月23日 (金曜日)

ラブ・トライアングルⅩ

『ハァー、ハァー、ハァー
 約束通り、追いついたぜ!』

「遅いわよ!」

『あのシビれから1分で復活するなんて、
 なかなか出来る事じゃないぞ!
 オレはたぶんサイボーグか何かだと思う。』

「調査中に足がシビれるなんて、弛んでいる証拠!」

『もう、わかったよ。
 それにしても彼女・・・
 あんなデカイ声で大笑いして、楽しい事でもあったのか?』

「酔っ払いだから・・・」

『まだ、フラフラしてるぞ!』

「ずっと、あんな感じ!
 3歩進んで2歩下がって一休みの繰り返し・・・」

『それじゃ、全然進まないじゃないか!
 でも、良かったよ。
 あ~じゃなければ追いつかなかったな、きっと・・・』

「これからどうすると思う?」

『RESTかSTAYってトコじゃないか?』

「そうね・・・
 あれを見ると帰る気なさそう・・・
 腕を組んでるというか、しがみついてるっていうか・・・
 でも、ZINから英単語が出てくるとは思わなかった!」

『オレをバカにするな!
 毎日”えいご漬け”をやってるからな!』

「ゲームじゃない・・・」

『って言うか、もうこの辺はそんな英単語と金額が
 いっぱい書いてあるだろう!』

「いつの間に・・・」

『MAKI! カメラ、カメラ!! 2人、入るぞ!』

「任せて! ZINは?」

『言われなくても撮ってるよ!』

「さすが!」

   ・
   ・
   ・

「ZIN、上手く撮れた?」

『当たり前だろ!
 まぁ、予想通りの展開ってトコだな・・・』

「また、2人が出てくるまで張り込むのね・・・
 ♪プルルルル~、プルルルル~♪
 あれっ、依頼者から電話だ!」

『いいタイミングで電話着たな!?
 早く出なさい!』

「言われなくても出るわよ。」

『じゃあオレ、コーヒー買ってくるから!』

   ・
   ・
   ・

『ホラッ、コレMAKIの! 温かいぞ!
 真冬の缶コーヒーには神様が宿っているな!
 ・・・で、何て言ってたの、依頼者?』

「同居人の友達から”今日は帰らない”って
 連絡があったんだって!
 もしかしたら彼女とどこかに泊まるんじゃないか?って!」

『オレらは、その同居人の顔を知らないから
 100%とは言えないけど・・・
 電話のタイミングと内容からして、
 彼女と一緒なのは、その同居人っぽいな!』

「残念だけど、私もそう思うわ・・・
 調査が終わって、報告書を渡せばハッキリするわね。」

『大丈夫か? これで朝まで張り込み、ほぼ決定だぞ!』

「寒いけど頑張る!」

『このマフラーも使えよ。』

「ありがとう。 でも、いらないわ。」

『何で!?』

「臭いから・・・」

『臭い!?
 オレはまだ加齢臭、出てないぞ!』


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2007年3月21日 (水曜日)

ラブ・トライアングルⅨ

「ほら彼女、トイレから出てきたわ。
 私の思った通り!」

『ベロンベロンじゃなくて、ベロンぐらいになったな!』

「そんな彼女の酔っ払い度チェックはいいから
 2人を追いかけるわよ!」

『待て!MAKI!』

「どうしたの?」

『問題発生だ!』

「えっ? 問題発生?」

『足がシビれて動かない・・・』

「こんな時に何いってるのよ。
 早くしないと2人、どこか行っちゃうよ!」

『どうなってるんだ、これ!
 オレの足じゃないみたいだ!』

「そんな事知らないわよ。 早く何とかしなさいよ!」

『何とかしろって言ったって・・・
 お前がこんな狭い所に引き込んだのが悪い!』

「ダメだ、もう間に合わない! 見失っちゃうわ。」

『お前だけでも早く・・・』

「ZINを置いて行けるわけないでしょ!」

『この症状だと、オレはもう長くはない・・・
 オレの事はいいから、あの2人を追うんだ・・・』

「そんな事言わないで・・・
 ZIN、しっかりして! 目を開けて、ZIN!」

『MAKI・・・ 後は・・・ 任せた・・・ ぞ・・・』

「ZIN? ZIN、返事して! ZI~~~N!!!
 って、バカ!! 足がシビれてるだけでしょ。
 こんな時にノリツッコミさせないでよ!
 引きずってでも、連れて行くわよ。」

『痛っ!
 MAKI、そんなに引っ張るなよ。
 ホントに足の感覚ないんだから・・・
 一歩踏み出す度にビヨーンビヨーンって変な感じがする。』

「ちゃんと歩けてるじゃない!」

『これを歩いてると言えるのか?
 月面を飛び跳ねてる宇宙飛行士みたいな感覚なんだぞ!
 オレに1分だけ時間をくれ!
 必ず追い付くから!』

「しょうがないわね・・・
 1分だけよ、絶対追い付いてきてよ。」





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2007年3月20日 (火曜日)

ラブ・トライアングルⅧ

『くそぉ~、アイツらドコに行った?』

 ♪プルルルル~、プルルルル~♪

『MAKIだ!
 おい、今ドコにいるんだよ! 早く戻って来い!』

「彼女今、トイレに入ったわよ!」

『確認したなら、もういいよ。
 この建物、出入り口1ヶ所しかないから、外で待とう。』

「大丈夫よ! いい隠れ場所見つけたから!」

『そういう問題じゃなくて・・・
 私服で調査しているオレ達が、警備員に見つかったら
 面倒臭いんだよ!』

「見つかんなきゃいいんでしょ!
 じゃあまた後で電話するから!」

『おい、MAKI、電話切るな! 早く戻ってこ・・・
 ったく、勝手な事ばっかりしやがって!
 はぁ~、早く見つけないと・・・』

   ・
   ・
   ・

『MAKIちゃんは、一体ドコでかくれんぼしてるのかなぁ~
 んん!? あそこにいるのはあの男!
 ・・・と、いうことは彼女はまだトイレの中。
 そしてMAKIは、この近くに隠れてる!?』

「ZIN! こっち、こっち!!」

『こんな所に・・・』

「ココ、穴場でしょ!」

『一言、言っていい?』

「何?」

『オレ、参上!!』

「何それ? 偉そうに・・・」

『あれっ、反応悪いね?
 もしかして、仮面ライダー見てないの?』

「見てないわよ、そんなの!」

『それじゃあ~、わかんないか!
 ・・・で、MAKIちゃんはココで何をしてるわけ?』

「張り込み!」

『ドラマじゃないんだから、こんな物陰に隠れて
 張り込みをする探偵なんていないぞ!
 ”家政婦が見た”みたいになってるじゃん!』

「そんな事いいから、ZINも早く隠れて!
 もうそろそろ出てくると思うから!」

『あ~あ・・・
 結局、オレも隠れるのか・・・』

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2007年3月17日 (土曜日)

ラブ・トライアングルⅦ

 約3時間後のPM10:00

『はぁ~、もうすぐ3時間かぁ・・・』

「寒空の下、3時間・・・ 立っているだけは辛いわね。」

『”3時間” カップラーメンだったら60コ出来るぞ!』

「熱湯3分のヤツだったらね! 5分のヤツだったら?」

『えーと、
 5分のヤツだったら10分で2コ、1時間で12コだから・・・』

「そのくらいパッと出来ないの?
 高校出てるんでしょ!」

『寒くて頭が回らないんだよ!
 それに高校って言っても工業高校だし。』

「そんな事言ったら、全国の工業高校卒業生から
 苦情くるわよ!」

『在校生からは?』

「在校生からもくるわよ!」

『そっか・・・
 それはヤバイなぁ・・・』

「卒業生だけだったらいいわけ?」

『おい、MAKI! 出てきたぞ、2人!』

「えっ! ホントだ!
 でも何アレ!? 彼女ベロンベロンじゃない!」

『3時間前の面影、まったく無いなぁ~。
 あれじゃ、ドリフの酔っ払いコントと同じだぞ!』

「早く尾行しましょ!
 やっと、この場から動けるわ!」

『MAKI、冷静になっ!』

「わかってるわよ」

『この方向だと駅方向に向かっているけど、帰るのか?』

「このまま帰るとしても彼女、アレじゃ1人で帰れないでしょう」

『ん!? 2人、オフィスビルに入ったぞ!』

「大丈夫! 今度は私に任せて。 行ってくる!」

『おい、待てよ。 
 もう少し様子を見てからで・・・。 MAKI!
 (こんな夜にオフィスビルに入るのは・・・
  もう、しょうがないなぁ~・・・)』

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2007年3月15日 (木曜日)

ラブ・トライアングルⅥ

『あの男って、依頼者の同居人?』

「わかんない。
 写真とか見せてもらってないから・・・」

『そうなの?
 まぁ、尾行すればわかるよな!
 アイツが何者かって事は!』

「あっ、ZIN!
 2人、あそこの角を曲がったわ。急いで!」

『わかってるよ! MAKIも遅れるなよ!』

「いない・・・ いないわよ、ZIN! ドコ行ったんだろう?」

『いないわけないだろっ、落ち着け!
 落ち着いて周りを良く見れば、見つかるから!』

「この人ゴミじゃぁ・・・」

『大丈夫、諦めるな!
 絶対見つかるから、落ち着いて周りを見るんだ!』

「でも・・・」

『いたぞ! あのビルのエレベーターに乗ろうとしている!
 MAKIはココで待ってろ、オレが行ってくる!』

「ZIN・・・」

   ・
   ・
   ・

『さっきは危なかったな!
 曲がった先の道があんなお祭り騒ぎになってるとは
 思わなかったよ!』

「・・・で、どうだったの?」

『えっ?ああ・・・
 5Fにある居酒屋に入ったよ。
 1・2時間は出て来ないだろうな!』

「ごめんね、ZIN・・・」

『何が?』

「あの・・・ 取り乱しちゃって・・・」

『取り乱すのが普通だよ、あの状態じゃ誰でもね!
 調査失敗っていうプレッシャーがいきなり襲ってくるから』

「何でZINは、落ち着いていられるの?」

『ん~。 普通じゃないからかな!』

「いつも一緒にいるから、普通じゃないのは知ってるけど・・・」

『それって、”変”ってこと?
 でも、いつも冷静でいるように心掛けてるよ。
 心の中では焦っていても!
 ケンカだってそうだろ、熱くなった方が負ける!
 ポーカーフェイスって言葉は、
 オレの為にあるんじゃないかな?』

「それは無いわ!」

『えっ!?』

「アンタが誤魔化そうとしたり、嘘ついても
 私はすぐわかるわよ!」

『なんで? どうやって見分けてんの? 癖とかある?』

「あれっ!? いつも冷静でいるんじゃなかったっけ?
 (誘導尋問に弱いの気付いてないみたいね・・・)」

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2007年3月14日 (水曜日)

ラブ・トライアングルⅤ

「(ZINに何か話しかけてる・・・の? どういう事?)」

『(オレの隣に立っていた男が
 待ち合わせ相手だったとは・・・
 MAKIとの話を全部聞かれていたかもしれないし
 カメラは完全に見られてる・・・)』

「(彼女、怒っているように見えるけど・・・
 ZIN、大丈夫なのかな?)」

『(隣の男、スゴい勢いで怒られてるし、謝っている。
 約束を守らないから、そうなるんだよ・・・
 面白いね~、他人のケンカは!
 しかし…MAKIはこの状況を把握出来てるのか?)』

「(彼女、なんであんなにZINを怒ってるの?
 ZINから何にも合図は無いし・・・
 何もわからない・・・
 よし! ZINのトコに行ってみよう!)」

『(ん!? MAKIが動いた!
 アイツが対象者に向かってくるなんて珍しい。
 今日のMAKIは、やる気が違うなぁ~!)』

「(えっ!? そうだったんだ・・・
 ZINが影になって全然見えなかった・・・)」

『(やっと、お隣さんのケンカが終わった・・・)
 おいMAKI! 早く来い!』

「私、ずっとZINが怒られてると思ってたよ。
 何で教えてくれないの?」

『連絡出来るわけないだろ!
 すっと真横にいたんだから。
 近過ぎて2人一緒のトコ、カメラに入りきれなかったよ』

「それなら離れればいいでしょ!
 私は最後の方だけ2人を撮れたわ。
 誰かさんがずっと邪魔してたから!」

『別に邪魔してたわけじゃないだろ!
 さて、役者は揃った! 尾行再開!』

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2007年3月13日 (火曜日)

ラブ・トライアングルⅣ

 PM7:00

『長げぇ~よ!コーヒーショップで1時間?
 オレだったら、飲んで食べてすぐ出てくるよ』

「私はスタバで1時間なんて普通に過ごせるけど・・・」

『信じらんない・・・コーヒー1杯でずっといる人!
 オレは我慢出来ないな。』

「我慢してるわけじゃないわよ。
 ドリンクバーならいいの?コーヒー1杯じゃなくて?」

『そういう問題じゃなくて・・・
 でも彼女、ホントにココで晩飯食べてると思う?』

「私は待ち合わせだと思う。
 これから飲みに行くのに、
 少しお腹に入れておこう!ってね。」

『そっか・・・
 まぁオレらも、いつの間にか待ち合わせを
 しているであろう人々に囲まれてるし・・・』

「ZIN!」

『何?』

「階段! 彼女、降りてきたわ!」

『さて、このまま帰るのか?
 それとも、誰かと会うのか?』

「楽しそうね、ZIN!」

『楽しくはないけど、興味はある!』

「店から出てきたわよ。
 あれっ? 彼女、こっちに向かって来てない?」

『来てる・・・し、オレの事すごく見てるような気がする・・・
 なぁ、MAKI。 オレ、何かしくじったっけ?』

「もしかして、私がお店の中を見に行ったのが原因?」

『どうだろう?
 まぁ、こういう時は前向きに考える方がいい!
 きっとオレの事、逆ナンしようとしてるんだ!』

「バカじゃないの!?
 よくこの緊急事態にそんな発想出来るわね!」

『とりあえず、MAKIはオレから離れろ!
 それと撮影よろしく!』

「わかったわ。無理しないで!」

『(MAKIを落ち着かせる為に、あー言ったものの、
 何でこっちに向かってくるんだ?
 オレもこの場から離れた方がいいのか?
 どうする? オレ??)』

「(ZIN、ホントに残っていていいの?
 彼女は・・・
  えっ!? ZINに手を振ってる!なんで?
 ZINは・・・
  迷ってる・・・手を振り返そうか迷ってるし困ってる・・・
 ちょっと面白いかも!)」

『(何でお前はオレに手を振ってる? 
 オレはお前の知り合いじゃね~ぞ!
 こうなったら、とりあえずギリギリまで撮影してやる!
 残り距離
    3m・・・   2m・・・   1m・・・   来た!)』

【遅いよ! 1時間以上も待ったわよ!】

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2007年3月11日 (日曜日)

ラブ・トライアングルⅢ

 PM6:00

『危ない、危ない!
 雪崩の様な人ごみの中で、よく見逃さなかったよ』

「でっかいビルだったからね」

『しかし・・・
 会社帰りに駅前のコーヒーショップか・・・
 誰かと待ち合わせしているのか?』

「依頼者とは会う約束してないみたいだけど!」

『MAKI! ちょっと店の中、見てきてくんない?』

「何で私が?」

『暇だろっ!』

「”暇だろっ!”って、何よ! アンタも同じじゃない!」

『オレが動くと場面が変わる・・・』

「なに哀川翔みたいな事言ってるのよ!」

『出口を見張っているのも大事な仕事なの!
 いつもオレの後ろにいるんだから
 たまには、自分の姿をさらしてきなさい!』

「もう~、わかったわよ。」

   ・
   ・
   ・

『どうだった?』

「2階席にいた。」

『・・・で?』

「それだけ。」

『それだけ?
 誰かと一緒にいたとか、そういう報告はないの?』

「ない!」

『怖いよ、MAKIちゃん・・・ スマイル スマイル!!
 せっかくの美人が台無しだよ』

「嘘ばっかり! そんな事絶対に思ってないでしょ」

『そんな事ないよ』

「ホント!」

『・・・・・。』

「なにか言いなさいよ」

『ここで晩飯食べて帰るのか?』

「そ~じゃなくて、私に対して何かないの?」

『そーやって、すぐ怒らなければね、MAKI。』

「えっ!?」

『怒ってる顔より笑顔の方が好きだな・・・オレは。』

「そっ、そう・・・なの?」

『嘘に決まってんじゃん!』

「もう~、照れなくていいのよ!
 たまには素直になりなさい。ZINくん!」

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2007年3月 9日 (金曜日)

ラブ・トライアングルⅡ

『しかし、こんなでっかいビルに勤めてるとは・・・
 いい大学とか出ちゃってるわけ? 彼女・・・』

「派遣さんらしいわよ」

『派遣さんかぁ~
 出会いのキッカケは多そうだな!』

「でも、私はヤダなぁ~。
 職場に慣れたと思ったら、また新しいトコに行くんでしょ?」

『そんなペースで、変わるものなのか?
 派遣って?』

「わかんない」

『適当に言うなよ。
 オレだったら、この会社で派遣じゃなくて
 特命係長をやりたいよ!』

「どうせ、エッチな事考えてるだけでしょ!」

『そんなんじゃなくてさぁ~
 昼は窓際係長、夜は会長直属の特命係長なんだぜ。
 カッコいいと思わない?
 名前も同じ”ジン”だし!』

「”ジン”じゃなくて”ヒトシ”でしょ、只野さんは?」

『”ヒトシ”って言うのはアダ名。
 本名は”ただの じん”っていうんだよ。
 社員番号0005235 只野仁 TADANO JIN
 って社員証に書いてある。』

「詳しすぎる・・・ ただのヲタクじゃない!
 どっちでもいいわよ、そんな事!」

『どっちでもよくない!』

「わかったわよ・・・ 只野ジンね・・・」

『わかればよろしい!』

「ほら、あれ見て!
 ぞろぞろと退社し始めたわよ、特命係長さん!」

『よし、絶対見逃すなよ、森脇!』

「(なりきってるのね、特命係長に・・・
 やる気出してくれるんだったら、まぁいいか!)」

 

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2007年3月 8日 (木曜日)

ラブ・トライアングル

『どうなってるんだよ、これっ!』

「知らないわよ。早く何とかしなさいよ!」

『何とかしろっって、言ったって・・・』

「ダメだ、もう間に合わない!」

『お前だけでも早く・・・』

「ZINを置いて行けるわけないでしょ!」

『MAKI、後は任せたぞ・・・』

「ZIN?
 ZIN、返事して!
 ZI~~~N!!!」

   ・
   ・
   ・

 5時間前のPM5:00

「男の嫉妬って、見苦しいと思わない?」

『嫉妬っていうのは、男も女も関係ないの!
 オレはすごく嫉妬するタイプだし・・・』

「キモイ・・・」

『”キモイ”という一言で片付けるなよ。
 そういうMAKIはどんなんだよ?』

「私は一切嫉妬しない。
 嫉妬なんかする前に切り捨てるから!」

『かわいそうに・・・
 親の愛情に恵まれなかったんだな・・・
 だから、こんなヒネくれた性格に!』

「誰がヒネくれてるって?」

『いや、別に誰の事でも・・・』

「でも、同居している男2人が
 同じ女性を好きになってしまうとは・・・」

『いきなり調査の話? まぁ~いいけど・・・』

「同居している友達が、
 友達の彼女を好きになってしまった・・・
 良くある話よね。」

『良くある話?
 お前もそういう経験あるのか?』

「お前もって・・・ ZIN、もしかして・・・!」

『あるよ! 大ありだよ!
 今でも思い出すと頭に来る!』

「取られちゃったの?」

『ああ、取られたさっ。 見事に惨敗さっ。
 マメな男に自分の彼女を持っていかれたよ。
 思い出だけ残して・・・
 一緒に持って行ってくれれば、どんなに楽だったか・・・』

「じゃあ、依頼者の気持ち、痛いほどわかるって感じ?」

『まだ依頼者の場合は、
 同居してる相手が怪しいってだけだろ!
 相手を特定するのが今回の調査なんだから!』

「ホント、ZINってバカね・・・」

『”バカ”って言うな! 
 あ~ぁ、調査の前に嫌な事思い出しちまったぜ』

「ちゃんと、調査に集中してよ!」

『お前が、ほじくり返したんだろうがっ!』



 

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